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塩野七生「ローマ人の物語」悪名高き皇帝たち
ここで私が書くのは文庫版の17巻と18巻。「悪名高き皇帝たち」の1巻と2巻の主人公
ローマ帝国の二代目皇帝ティベリウス(在位14~37年)についてです。

ティベリウスは初代皇帝アウグストゥスの妻の連れ子です。皇帝になるまでの経緯は
こちらを参照してください。

パクス・ロマーナ

初めにお断りしておくと、悪名高きのシリーズに入れられているティベリウスですが、
塩野さん自身、非常に彼に高い評価を与えています。また後世のヨーロッパの学者も
「ローマ帝国の最良の皇帝の一人」として再評価をしています。

ティベリウスの治世の特徴は初代皇帝アウグストゥスの敷いた基本路線を安定した
ものにした、ということだと思います。その間にゲルマンとの戦い、小麦不足などの
危機管理も手堅く着実な処理で乗り越えました。塩野さんは彼を評して
「冷徹なプロフェッショナル」と表現しています。

な・の・に。ティベリウスは当時のローマ市民に晩年は特に不人気。
77才で亡くなった時は、ローマ市民が歓呼の声をあげたほど。
また彼の治世の晩年に、ユダヤでキリストが十字架刑で処刑されたこともありキリスト教徒
からも罵声を浴びせられ、彼の善政と強い責任感を思うと私などは同情してしまいます。

ティベリウスはアウグストゥスとは血の繋がりがない上に、アウグストゥスとは格の違う
名門の出身です。それゆえアウグストゥスの血を引く縁者達とのいわば家庭内トラブル、
60才を過ぎてからの長男の暗殺など、内輪の悩みに苦しみぬいた一生でした。
晩年はカプリ島に隠棲(家出)して、そこから元老院をコントロールして最後まで皇帝の
責任をまっとうしましたが、ローマに戻ることはありませんでした。

政治的、軍事的な才能は抜群。ついでに初代と違い体力も抜群、名門出身らしく教養も
文句なし、若いときから部下の兵士の信頼も厚いティベリウスでしたが、決定的な欠点が
「人の心を掴む芝居ができない」ことでした。俗に言うとKY。
何せ大人気の将軍ゲルマニクスの戦死の時も母の葬儀にも出席しなかったほどです。
人気取りをする権力者も見苦しいですが、ここまで私情を挟まないのも寒々しい。
若いとき唯一人愛した妻と離縁させられて、アウグストゥスの一人娘ユリアと結婚させられた
ものの、すぐに別居。再婚は二度とせず妾もいませんでした。捨てられたユリアは父によって
流罪になるほどのご乱行に走ることになります。

私はティベリウスの章を読んで、ひそかに男らしい彼にときめいたりもしたものです。
でも、実際こんな男性に淡い想いを寄せても後に残るのは砂を噛むようなわびしい
思いだけかもしれません。いえ、こういう才能は抜群だけどどこか感性に乏しい男は
こちらのかすかな想いにすら気づいてくれない可能性が大きいでしょう。
終いにはこちらがその無神経さにキレるかもしれない。(笑)ローマ市民のように。

善政を敷き、安定した平和な生活を保証したゆえに、どこか暇になったローマ市民に
後世まで悪口を言われたティベリウスの悲劇。
国を治めるということは法律や政策といったハード部分だけではなく、国民といういわば
女性とも恋人とも取れる存在の気持ちを汲み取ってやれるソフト部分にも長けていないと
名君、とは言えないのかもしれません。悪評に耐えながら先帝と同じ77才で亡くなるまで
責任を全うしながらスーパースターになれなかった男の悲哀をかみ締めながら読破しました。
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(非公開コメント受付中)

なんだか笑いながら読ませてもらいました。責任感があり有能だけで感性に乏しい辣腕政治家の男としての悲運。まさしく「こんな男性に淡い想いを寄せても後に残るのは砂を噛むようなわびしい思いだけかもしれません」 同感です!でも逆を考えたんです。責任感はないし無能だけど感性だけは豊かでデキない平凡な男・・・これまた辛いですね。女心はむつかしいですね(笑)全くのでっち上げは別として、現実とは少し離れたところで少しだけ幻想と想像力を使って相手に色付けできるのが恋心なんでしょうかね?
ぱんだままさん
こんばんわ。なんだかここだけが言いたかったかのような(爆)
まさしくその部分に共感いただけて、本当に嬉しいです。
ありがとうございます。無能で責任感のない感性オトコには
(私は)トキメクことはまずないけれど、反対はあるかも。
いえ、最近これに近い気持ちで一人で軽く自爆しました。(笑)
このことをママ友に話したら、その人もすごく真面目な人ですが
「わかるよ。けいさんがキレたのすごくわかる」と言ってくれました。
これだけ結婚後も女性が働いているのが当たり前になっていると、
中年になって仕事もバリバリやりながら、女性にも気を使い、と男性も
大変です。でも本当に女心は難しいです。(自分で言ってどうする)
でも、度の過ぎたクソ真面目は無神経に映り女性をイラっとさせますね。
この年でこの環境なので、大それたことではなく、軽くユーモアを
向けてくれれば十分なのに。(笑)
プロフィール

けい

Author:けい
①群馬県でホルスタイン50頭、ジャージー牛5頭を飼養する家族経営の酪農家マダムです。

②1998年からベーベ工房というブランドでヨーグルトとモッツァレラチーズ及びリコッタチーズをハンドメイドで製造しています。安全でおいしい製品を誠実に作ることを信条としています。

③土作り、飼料作り~製品作りまで一貫して製造しています。

ベーベ工房も13周年を迎える事ができました。牛のこと、チーズのことなど日々のささやかな出来事を綴っていきたいと思っています。

ブログのスタンスですが、酪農とチーズのこと以外の、管理人の
趣味のことも書いてあります。なお記事の無断転載やコピーなどは
ご遠慮くださいますようお願い致します。

製品に関するお問い合わせは以下のアドレスにお願いします。

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