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農業の聖域
先日の新聞で農業のベンチャー企業の40代の若手社長のことが大きく紹介されていました。
経営に行き詰まった農場や食品加工工場と提携して再生を図り、今までの利益の出ない
農業ではなく、利益の出る新しい形の農業を構築したいという彼の抱負が語られていました。
投資コンサルタントもこの会社に注目しているようです。

私は家内工業的規模の酪農&ベーベ工房を家族でやっているので、どうも「儲かる農業」
「投資先」という言葉が最初に来ることににアレルギーがあります。
先日のエントリーで書いたエコロジーショップももちろん利益は考えていると思います。
でもこれらのお店から、あからさまな利益第一主義の言葉を聞いたことはありません。

この社長の講演などで自給率アップなどの言葉も聞かれますし、農業の将来を真剣に考えて
おられることは伺えます。ただ、農業という食の根本を担う仕事が利益を上げることだけを
目標にやってもどこかで綻びが生ずるような懸念が拭えないのです。
理論ではなく11年酪農をやった上での肌での感覚ですが。

国も自給率アップをようやく本腰を入れるようですし、おそらくそのために補助金も
導入されると思います。それは絶対に必要なのですが、「農業は将来の投資先として有望」
というコンサルタントの言葉を聞くと、農業の生産性を増やすということが一部の人間が利益を
追い求める場になるのではないかと懸念しています。

「綺麗事だ」というご批判を重々承知で書かせていただくと、農業(食)の仕事に携わる人間が
あまりに「利益」「儲け」という言葉を第一主義として公言することは消費者の信頼を損なう
恐れがあるように思います。(実際はお金があっても)医者や弁護士が「儲け」を
公言すればやはり信頼に傷がつくように。
農業もプロとして家族が最低限食べていけるだけの利益の確保は絶対に必要です。
それは私もそのために日々努力しているので、そのための流通の見直しなどはすべきだと
積極的に思います。

農業は食を通じて他人の健康を預かるという聖域があると思います。
また、自然が相手だけに、期待通りの利益が上がらないことも覚悟しなければ
なりません。それでも「安全でおいしい食を提供したい」という聖域を守るだけの誇りを
持たなければならない非常に「人としてのありかた」が問われるのが農業や食の仕事
です。その聖域だけは誰に言われなくても守ること。「まず儲けありき」などと決して公言
しない人間ととしての慎みを持つこと。
それがなくては食の安全も環境保全も守ってゆくことは不可能だと改めて感じています。

酪農も非常に厳しい状況に置かれています。それだけにこのような矜持だけは持って
努力したいと思います。
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プロフィール

けい

Author:けい
①群馬県でホルスタイン50頭、ジャージー牛5頭を飼養する家族経営の酪農家マダムです。

②1998年からベーベ工房というブランドでヨーグルトとモッツァレラチーズ及びリコッタチーズをハンドメイドで製造しています。安全でおいしい製品を誠実に作ることを信条としています。

③土作り、飼料作り~製品作りまで一貫して製造しています。

ベーベ工房も13周年を迎える事ができました。牛のこと、チーズのことなど日々のささやかな出来事を綴っていきたいと思っています。

ブログのスタンスですが、酪農とチーズのこと以外の、管理人の
趣味のことも書いてあります。なお記事の無断転載やコピーなどは
ご遠慮くださいますようお願い致します。

製品に関するお問い合わせは以下のアドレスにお願いします。

ベーベ工房のアドレス

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