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人はそれでも生きてゆかねばならないのだ
20日に死刑確定の判決が出た光市母子殺害事件の遺族である本村洋さん(36才)は
判決後の記者会見の最後で記者の質問(といっても無理強いのない好感の持てるもの)に
答えて2009年に再婚されたことを語りました。私は一度は地獄を見たまだ若い本村さんが
人生のパートナーを得たことを心から嬉しく思いましたが、一部の人々がネットで
本村さんの再婚を非難するという非常に失礼な書き込みをしていることに驚きました。

人としてのマナーの悪さに呆れたことはもちろんですが、たぶん私よりはずっと若い
世代であろうこの人たちがまるで、配偶者に先立たれたものはどれだけ真剣に生きても
まるで残された人生を新しい配偶者と歩むことはまかりならんと言わんばかりの
古い道徳観を本気で信奉しているのかということに心底驚きました。
本村さんも記者会見で語っておられましたが、配偶者に死なれどんなに辛くても
残された人は悲しみを乗り越えて生きてゆかねばならないのです。

こういう書き込みで思い出した二つの出来事があります。一つは江戸時代の大奥の悲劇です。
十二代将軍だった徳川家慶の死後、多くの側室たちは今までの将軍の側室と同じように
比丘尼屋敷と通称された屋敷にほとんど幽閉され将軍の菩提を弔う人生を送らされて
いました。その側室の一人で水野家出身の妙音院は将軍の寵愛を受け数人子供を産みましたが
子供はすべて夭折し寂しい日々を送っていました。まだうら若い彼女はふとしたことから
屋敷の工事を行う大工と恋に落ちますが、自身の栄達のために妹を側室に出した兄によって
不行跡だと手討ちにされました。将軍の側室たるものは再婚どころか恋も許されないという
厳しい不文律があったのです。本村さんのことを理不尽な批判をする方々にこの妹を
手討ちにした野心家の兄がだぶります。

明治時代になっても特に跡継ぎを産んだ嫁の再婚は許されないという悪しき風潮も
残っていたようです。第二次大戦当時すら新婚間もなく夫が戦死し忘れ形見の
子供を抱えながら婚家から出ることも許されなかった妻はたくさんいたようです。
妻の再婚には戦前は戸主の同意が法的に必要だったことも背景にあります。

そんな若くして配偶者を失った妻の人権を認めない風潮の戦前でしたが
それでもリベラルな家庭では、残された妻のその後の人生を心から応援した
義両親たちもいたことも事実です。私の大叔母(父方の祖父の姉)もそんな
リベラルな義親の一人でした。身内自慢では決してありませんので寛容な気持で
読んでいただければと願います。

大叔母が嫁いだのは名古屋の都市インフラの父と今も語り継がれる田淵壽郎(たぶち
じゅろう)氏でした

田淵壽郎 WIKIPEDEDIA

夫妻には父の従兄弟にあたる子供が数人生れましたが、東京帝国大学を出て家庭を持った
ばかりの長男は生れたばかりの男の子と妻を残して若死しました。一通り落ち着いた後
姑にあたる大叔母は長男の嫁にこう言ったそうです。「あなたはまだ若い。これからの
人生を尼さんのように過ごすことなはい。好きな人ができたら子供の苗字だけは田淵を
継がせてくれたら子供を連れて再婚して幸せになりなさい」と。
その後妻は長男を連れて幸せな再婚をし幾人かの子供を産み小さかった長男も優秀で
東大を出て田淵家を継がれています。名流夫人となっても当時ご法度だった牧師(これが
私の祖父)やマルクス経済を学んだ弟たちを持った大叔母は心底リベラルな人間
だったのだと思います。

戦前にすら、若くして配偶者に先立たれた人間のその後の人生や恋を心から応援した
人間もいたのです。私はそれがある意味普通だと思っていましたので私より若い世代なのに
少なからぬ人間が、本村さんの再婚を弥生さんへの裏切りだとか自分だけ幸せになるのか
などと暴言を書き込むことには強い憤りを感じます。

たとえ連合いに先立たれても残されたものは生きてゆかねばならないのです。
その人生が温かく豊なものであることを非難したり邪魔することはあっては
ならないはずです。私は本村さんの今後の人生が穏やかで幸せなものであることを
一人の市民として陰ながら願っております。


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(非公開コメント受付中)

想像力の欠如
でしょうかねえぇ・・・・
若い職員と話していても、彼らには何か欠けていると思うことが多いです。
彼らの血管に流れているのは水ではないか?と感じることが多いです。
人の心の機微にうといのですよね。

話は変わりますが、
私の祖父も祖母に先立たれ、再婚しています。
祖母は長男を出産、その後長女(私の母)を出産しましたが
産後の肥立ちが悪く、亡くなってしまいました。
その10年後、祖父は再婚しました。
再婚相手も夫に先立たれた未亡人です。
当時の事情はわかりませんが、
母の生まれ育った地方では
配偶者に先立たれた者同士の結婚は
それほど稀なものではなかったようです。
相互扶助の意味合いもあったかもしれません。

けいさんとは意見が違うかもしれませんが、
本村さんの再婚を非難する人は
古い道徳観の持ち主というよりも
「人は一人では生きていけない」という
当たり前のことをわかっていない
幼稚な人たちなのでは、と思いました。

毒舌のコメントばかりで申し訳ありません。



Ri~naさん
母の従兄弟夫婦も陸軍大尉だった兄が戦死して子供のなかった
未亡人の妻と(美人だった兄嫁に淡い想いがあったようですが)
義弟にあたる弟が結婚してできた夫婦です。

私はあのコメントや書き込みの多くに
「弥生さんを裏切った」とか「弥生さん一人を愛し続けるべき」
と書いている若い人が多かったことに驚いています。
私などもっと早くに再婚していたかもしれません。

話がずれますが、未亡人の再婚ということで言えば源氏物語の
後半で柏木の未亡人になった二ノ宮に源氏の息子の夕霧が
想いを寄せてついに結婚するいきさつが出てきます。
このあたりのリアルな設定、さすがに紫式部だなと思います。
教養って受験のためでなく人としての心を育てる格好の
教材ですよね。
プロフィール

けい

Author:けい
①群馬県でホルスタイン50頭、ジャージー牛5頭を飼養する家族経営の酪農家マダムです。

②1998年からベーベ工房というブランドでヨーグルトとモッツァレラチーズ及びリコッタチーズをハンドメイドで製造しています。安全でおいしい製品を誠実に作ることを信条としています。

③土作り、飼料作り~製品作りまで一貫して製造しています。

ベーベ工房も13周年を迎える事ができました。牛のこと、チーズのことなど日々のささやかな出来事を綴っていきたいと思っています。

ブログのスタンスですが、酪農とチーズのこと以外の、管理人の
趣味のことも書いてあります。なお記事の無断転載やコピーなどは
ご遠慮くださいますようお願い致します。

製品に関するお問い合わせは以下のアドレスにお願いします。

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