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ライアンの娘
1970年製作の巨匠デイヴィッド・リーン監督の大作映画です。
私はこの映画がお気に入りで、もう15年くらい前にVHSを購入して何度も家で観ています。
いつかこの映画のことを書きたいとずっと思っていました。

物語は1916年の英国の支配下のアイルランドの寒村が舞台。
美しい娘ロージーは遥かに年長の村で唯一のインテリで教師のチャールズと結婚。
しかし性的に満たれない彼女は、英国から独立運動の監視に赴任してきたドリアン少佐と
不倫の恋に。村中から白眼視されます。
その頃、アイルランド独立運動の闘士達が武器を密輸して嵐の夜荷揚げします。
ところが、ロージーの父、ライアンの密告で闘士達は逮捕。逮捕を命じたドリアンに憎しみは
集中し、密告者は不倫相手のロージーだと決め付けられ彼女は凄惨なリンチを受けます。
その後、ドリアンは自殺。ロージーが夫と共に村を去るところで映画は終わります。

アイルランドの荒々しく広大な自然を描いたカメラワークが素晴らしいです。
何より俳優の演技が見事です。初老の夫の悲しみを演じたロバート・ミッチャム。
ロージー夫婦を支え時に叱る村の神父を演じた名優トレヴァー・ハワード。
そしてこの演技でアカデミー賞を受賞した、言語障害のあるマイケルに扮したジョン・ミルズ。
何より、ロージーの微妙で激しい女心を演じたサラ・マイルズ。

特に物語の終盤、言葉を発せないマイケルの必死のジェスチャーから恋人、ドリアンが自殺
したと知らされる時のロージーの表情が圧巻です。
驚き、声に出せない嘆き、そして「やっぱり......」とこの事態を予想していたかのようなあきらめが
全て凝縮されたような表情。
まさしく「女優」としか形容しようのないサラ・マイルズの演技..........。
私は名場面がちりばめられたこの映画の中でも殊にここの場面に感動しました。

この映画は現在でこそ名画と高い評価を受けていますが、公開当時は英国とアイルランドの
険悪な関係もあり、手放しで評価できない雰囲気があったようでアカデミー賞も2部門のみの
受賞にとどまったといいます。

独立前のアイルランドと英国のような関係は世界中で現在でも見られます。
ロシアとチェチェン。そして中国とチベット。
もしそこに住む女性、それも人妻が占領国の将校と恋をしたら.........。
やはりロージーの恋のように無残な結末が待っているのでしょうか。

離婚を前提にチャールズとロージーは村を後にします。
でも忌まわしい事件を経て初めて夫の心の大きさに気づいたロージー。
もしかしたら、これから二人の本当の良い関係が新しい場所で始まるのかな、
と含みを持たせて映画は終わります。ちょっと心が救われるラストシーンです。

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プロフィール

けい

Author:けい
①群馬県でホルスタイン50頭、ジャージー牛5頭を飼養する家族経営の酪農家マダムです。

②1998年からベーベ工房というブランドでヨーグルトとモッツァレラチーズ及びリコッタチーズをハンドメイドで製造しています。安全でおいしい製品を誠実に作ることを信条としています。

③土作り、飼料作り~製品作りまで一貫して製造しています。

ベーベ工房も13周年を迎える事ができました。牛のこと、チーズのことなど日々のささやかな出来事を綴っていきたいと思っています。

ブログのスタンスですが、酪農とチーズのこと以外の、管理人の
趣味のことも書いてあります。なお記事の無断転載やコピーなどは
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