<<07  2010,08/ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  09>>
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
心の空間を埋めるもの
私のこのブログは職業柄、酪農やベーベ工房のことや食にまつわる話を
書いていますが、ブログを通じて情報提供しようとかまして他人を啓蒙しよう
などとは全く考えたことはありません。

書くことで私は私自身の中のある種の心の空間を埋めたいのだと思います。
時に自身でもてあまし、時に私もけっこう可愛いところもあるなと少々痛い
ことを考えてしまう存在でもある心の空間。

先日、横浜に行ったときに本屋で黒木瞳さんのエッセイ「母の言い訳」(集英社文庫)
を買って一気に読んでとても感動しました。
女優としての活躍をしながら黒木さんはこれまでも何冊か素晴らしい詩集や
エッセイを発表されていますがこの「母の言い訳」は一人娘にあてた形で書かれ
黒木さんの繊細な心の内が絶妙な表現で綴られています。その中でも

 今でもときどき、武市さんに手紙を書きたくなるときがあります。
 人はみんな孤独だから、たとえ夫や娘に囲まれて至福の時を過しては
 いても、心の声に導かれて自分がどこへ走っているのか知りたくなる
 ときがあるのです。愛でもなく、もちろん恋でもなく、心のすき間を
 ある瞬間埋めたくなるとき、とでも言いましょうか。

      (黒木瞳 「母の言い訳」より)  

という一節はまさに私のこと!と叫びたくなるような文章でした。

ちょっと注釈をしますと武市さんというのは演劇や競馬の評論家で
演出家の武市好古氏のことで、武市氏と黒木さんは実際は一度も
会うことはなかったけれど数年間手紙やファックスで文通をして
若き日の彼女は武市氏から素晴らしい影響を受けたと思われます。
彼女が初めて武市氏の顔を知ったのは家族からの連絡で
急逝した彼の遺影を見てというドラマティックなものでした。
黒木さんは今でも武市さんに手紙を書きたくなる衝動があるそうです。

大女優の黒木瞳さんとは比較になりませんが、私も主人と息子と
それなりに愛情のある家庭を持ち、休みのない仕事で日々があわただしく
過ぎていっていますが、それでもときどき心に何とも言えない空間を
感じることがあります。幸せなのにどこか置き去りにされたような
寂しさやある種の空しさを感じたり、そのくせ結構私の人生も
捨てたもんじゃないと笑い出したくなったりする空間。

私にとって音楽もバレエも演劇も読書もそして文章を書くことも
きっとその空間を何かで埋めたいという手段なのかもしれません。
ギリシャ神話のシジフォスの神話の物語のように終わりのない営みだとしても。

アルゲリッチのピアノを聞くと女性は相反する要素で成立って
いるのだなあと本能レベルで感じます。




  
このショパンのピアノソナタ第二番は特に。
奔放と端正。誠実さとしどけなさ。強さと脆さ。
この演奏も私の心をもう35年も埋めてくれているものです。



スポンサーサイト
プロフィール

けい

Author:けい
①群馬県でホルスタイン50頭、ジャージー牛5頭を飼養する家族経営の酪農家マダムです。

②1998年からベーベ工房というブランドでヨーグルトとモッツァレラチーズ及びリコッタチーズをハンドメイドで製造しています。安全でおいしい製品を誠実に作ることを信条としています。

③土作り、飼料作り~製品作りまで一貫して製造しています。

ベーベ工房も13周年を迎える事ができました。牛のこと、チーズのことなど日々のささやかな出来事を綴っていきたいと思っています。

ブログのスタンスですが、酪農とチーズのこと以外の、管理人の
趣味のことも書いてあります。なお記事の無断転載やコピーなどは
ご遠慮くださいますようお願い致します。

製品に関するお問い合わせは以下のアドレスにお願いします。

ベーベ工房のアドレス

メールフォーム

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カレンダー
07 | 2010/08 | 09
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
カテゴリー
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。