3月31日の朝日新聞の全面広告に掲載された、田中義剛さんの花畑牧場の広告。
「みんなを幸せにする会社」
として生キャラメルの工場を夕張と宮崎に作ると勇ましい宣言がありました。
さすがにタレント社長は広告費もすごいと思いつつ、自分なりの「食の本分」を考えました。
私は全ての分野の食が健全に作られ、価値に見合った価格で流通しおいしく安心して
食べていただきできれば「おいしいかったね」の笑顔が出れば最高だと思うのですが
食の本分はそこまでで十分だと思っています。
もちろんここ数年自治体が手がけてきた地産地消やご当地グルメによる町おこしの
運動などには全面的に賛同しますが、それは何人もの関係者の地道な努力が
何年も続いてようやく支持を得てゆくもの。有名タレントが生キャラメルを手段に
広告を打って簡単にできるものだとは思えません。
それに。最近はたくさんのメーカーが参入するようになった生キャラメルが10年後
20年後、地域の産業の牽引役を務めることはできるでしょうか?
ここ数年偽装だの不当表示だのと食の安全が問題になりました。
そんな時代だからこそ、私はむしろ日々を慎ましく送りまず自分の家族の生活の
ため、そして自分の製品を信頼して買っておいしく食べて下さるお客様のために
食べ物を作り続ける職人を応援したいし、自らもそうありたいと願っています。
最初から地域を幸福にするというのはちょっと夢が大げさすぎるように思います。
そのためには、将来を見据えて地道に雇用、環境整備、製品の開発、地元への
利益の還元などを行政レベルも真剣に考えるべきでしょう。
作ることが好き。おいしいものが好き。そしてその先にある「おいしい」の笑顔。
私にとっての食の本分はそれで十分です。それ以上は目標ではなく結果です。
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