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ワインの勉強中
ワインのことを勉強中です。といってもワインエキスパートなどの試験を受ける予定はなく
あくまでも趣味の範囲でですが。

ワインはチーズとの関係が深く、以前からそれなりに本などで知識は得ていたものの
自分でワインを選ぶとなると全く基準が分からずもどかしい思いをしていました。
そしてチーズの生産者としてワインのある程度の知識は嗜みとして必要だと
以前から感じていたこともあります。またフランスの重要な農業政策であるAOC
(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ邦訳 原産地呼称統制)について調べてゆくうちに
AOCワインのことを体系的に勉強したくなったのです。

最近はオーストラリアやチリなど新興国でも優れたワインが生産され日本でも価値が
認められています。それらの価値を自分で知るためにもまずフランスのAOCワインから
ということで少しずつボルドーワインから勉強しています。

ボルドーワイン格付け

ボルドーはワインの本場。ここのワインの格付けは1855年と古いので時代とそぐわない
部分もありますがやはりワインの品質の基準となる重みを感じます。
グランクリュ(最高級)第一級のマルゴーともなればさすがに手は出ませんが
三級のセカンドなら比較的リーズナブルにAOCワインが楽しめてお勧めです。
にわか知識の披露で恐縮ですが、ボルドーワインのグランクリュにはセカンドという
グランクリュの選にもれた(といっても樹齢が若いなどの理由ですが)ワインがあり
これらも少量ですが輸入されてワイン愛好家に人気があります。
セカンドは銘柄が違うので興味のある方は下記のサイトを読んでみて下さい。

ボルドーのセカンドラベル

私はアルコールに弱いので自分ではワインを楽しむところまではいきません。
でもワインの世界は本当に奥が深く興味深いです。農業も食文化も歴史も
みんな詰まった玉手箱のような存在です。
勉強の効果は親しい方々へのギフトでご披露できればと思っています。(^^)
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委託製造について
昨日の商談会で何件か委託製造のご提案をいただきました。
みなきちんと食のことを考えておられる会社ばかりで、ありがたく思っています。
ただ、現在は委託製造は全く考えておりません。
もしこれを読まれて不快に思われる方がおられたらお詫びします。

今の酪農とベーベ工房の二つの仕事の両立は大変でいずれは人を雇うなり
牛の数を減らすなり体力を考えないといけないと真剣に悩んでいます。
ただ、ヨーグルトもチーズもベーベ工房の名を冠したまま他の工場で製造して
いただく予定は現在のところありません。

理由はいくつかあるのですが、まず夫がベーベ工房をい始めた動機が20才の頃
研修で滞在したスイスでの「牛を飼いその牛乳を加工する」という夢だということ。
私たちの仕事だけでなくこの若い頃のシンプルな夢や動機付けは案外大きいもの
だと感じています。そして現実的な理由は委託だとやはり信頼という面でリスクが
大きいと感じるからです。

べーべ工房を1998年にスタートして以来の年月は食の安全への関心が高まった
時期でもありますが、食の事故や偽装のニュースで食の安全が真正面から問われる
重大事件が相次いでおこりました。雪印乳業の食中毒事件、BSE(狂牛病)問題、
食の偽装問題etc。とりわけ偽装問題では偽装を指摘された会社が、委託先や
子会社の責任にして社会的な批判を浴びるケースも多く見られました。
そのような報道は製造工程に他人が介在することのリスクを見つめるきっかけと
なりました。食の安全に関しては自分の手に負える範囲を見極めて自分でリスク
管理をするしかないと現状では考えているからです。

時々夫も私もとても肉体的精神的に疲れることもあります。でも、昨日商談会で
以前は臆していた私たちも自分の製品のことを自分の言葉で伝えることができた
充実感と誇りを感じました。この喜びがある限りベーベ工房は私たちの手元で大切に
育ててやりたいと考えています。ご理解頂ければ嬉しく思います。
商談会
無事に終了しました。県が主催する商談会。
スタッフの親身な励ましや事前のレクチャーもあり予想以上の大成果で楽しい
幸せな1日となりました。

今回はデパートの催事と違い物販はなかったので商談に集中できました。
ベーベ工房が出るからとわざわざお越し下さった会社の方もたくさんブースに
おいで下さり取引を希望と言ってくださったのには感激です。
旅館、外食、小売、流通、カリスマ料理人、パーキングエリアの運営会社etc。
沢山の方が小さなベーベ工房の製品に注目して下さいました。
すぐに成立したお店、後から詳しい話をという会社。ありがとうございます。

催事は苦手な私が主人が驚くほど最後まで集中してリラックスしながら冷静に
取引条件のこともお話できたのには驚きでした。
リラックスしているときの私は一番私らしさが出るので、とにかく楽しい1日でした。
27日に完成した新しいヨーグルトのしおりも大評判でした。
(チーズのレシピカードもナカシさんと一昨年作ったしおりも)
今回、悔いだけは残したくなかったのでひたむきに努力はしました。
それがすべて報われた思いで一杯です。

ブースにお越し下さった皆様、県の担当部署の方々、ナカシさん
心より御礼申しあげます。
またブログを通じご心配や応援いただいたお友達に心からの感謝をこめて!
幸せな1日でした。楽しかったです。思いきり自惚れるとカエサルの

        来た!見た!勝った!の心境です。(笑)

リーフレット完成!
新しいヨーグルトのリーフレットが完成し昨日届けていただきました。
紙の色を白に変えて良かったです。ナカシさんのイラスト完成から
わずか一ヶ月ですができました。ほっとしてます。

明日はいよいよ商談会。今日の夕方、会場に準備するものを運びます。
主人はチーズつくりなので私がひとりでやることになり忙しい日程です。
試食に使うバゲットもお気に入りのパン屋さんに注文しました。
このところ新しくお取引が決まったお店もあり商談会に変なプレッシャーは
感じていません。無事に6時間ベストを尽くすだけです。

ここにきて心配なことが一つ。それは昨日群馬に出たインフルエンザ警報。
出展者の方のブログを読んだら風邪をひいたなんて方もおられました。
多くの人が行きかう会場でうつらなきゃいいけど。予防のためにマスクを
着用するかもしれません。ご理解頂ければ幸いです。
司馬遼太郎「坂の上の雲」
このところ忙しいです。普段の仕事に29日の商談会の準備。
夕べも遅くまであれこれやっていました。
ずっと頭で「食」の字が躍っているので今日は久々に読書の話を。

年末から大河ドラマ枠でNHKから放映される司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」。
配役もイメージ通りの本木雅弘、阿部寛、香川照之、菅野美穂。
日清~日露戦争時代を舞台に軍人の秋山好古・真之兄弟と真之の親友だった
歌人の正岡子規を描いた司馬さんの代表作。文春文庫で全8巻の大作です。
私が読んだのは30才前後の頃でした。

政治家や大企業のトップが愛読書として挙げることの多いこの作品ですが
特に3巻で正岡子規が若くして結核で亡くなるまでの前半は青春小説としても
とても魅力的です。後に不世出の若き参謀として海軍を率いる秋山真之の
少年時代の悪ガキぶりが生き生きと描かれて微笑ましい。
4巻から8巻まではもっぱら日露戦争とそれにまつわる人間関係が描かれて
多少の軍事的な知識や日本史の知識がないとわかりにくいかもしれませんが
戦争のさなかの緊迫した会話や心の動きはさすがに司馬さんらしく読ませます。

この作品のクライマックスは日本海海戦でロシアの艦隊を破り日本が勝利する
場面ですが、海軍のことをご存知なかった司馬さんは旧日本海軍の将校だった
方々に図説や写真を交えて何年もレクチャーを受け頭で海軍のイメージを
徐々に作り上げてゆかれたそうです。この作品を読む上で大切なのは細かな
軍事用語ではなく「感覚」です。なかなかわかりにくいこの感覚ですが幸いにも
私は亡き父が海軍兵学校のOBで父の同級生の方々からこの距離感や当時の
海軍のリベラルでハイカラな雰囲気を直接に教えていただく機会に恵まれました。

司馬さんは手塩にかけたこの作品が安易に軍事や戦争賛美に使われることを
怖れて生前はドラマ化を許可されませんでした。そのような経緯もあり台本にも
演出にも司馬さんの気持ちが引き継がれていることと信じたいと思います。

坂の上の雲は内容も司馬さんの代表作にふさわしい風格を持っていますが
題名が本当に素敵です。辛いことがあっても美しい雲を見上げながら上を目指して
一歩ずつ歩んでいく......。司馬さんは登場人物だけでなくGNPの45%が軍事費
という異様な状況下でも国を信じて貧しい生活に耐え抜いた庶民を讃えていました。
そして国民の信頼に応えて日露戦争を戦い抜いた軍人と政治家も。
国に対しての信頼はこんなにも国民を強くするのかと目を見張る思いです。
明治の男の品位と男気に焦がれること必至の名作です。

ところでドラマで秋山真之に扮するのが本木雅弘。モックンも素敵ですが
私のイメージ的には若い頃の真田広之かな。あくまでも私見ですが。(笑)
クレームについて
商売をしている以上避けて通れないのがクレームのこと。
書くことに勇気は必要でしたが書かなければと思います。

ごく稀にですがお客様からお電話でクレームや製品に対する質問をいただきます。
例えば

      いつもより若干チーズが固い
      いつもよりヨーグルトが薄く感じる  
      レシピを説明して欲しいなど

私は製品に疑問を感じてお電話を下さった方には、まずお礼とお詫びを申し上げて
製品についての説明をさせていただきます。納得していただいても販売店を通して
新しい製品をお渡ししたり、お客様が自宅のご住所を教えてくださる時にはご自宅へ
手紙を添えて新しい製品をお送りさせていています。
どちらの場合も必ず販売店の担当者には連絡をして報告します。

クレームやお叱りは次に繋がるものですし出来る限り詳しくお話いただきお客様に
ご満足いただけるように対応させていただいております。
きっと至らない点は多々あると反省しておりますが。

生産者の身で書くことはあるいは許されないのかもしれませんが数年に一回
あまりにも理不尽なクレーマーと思われる方から電話で罵倒されることもあります。
そのような方に困るのは「どうして欲しいか」を仰らずにただただ怒りをぶつけられることです。
製品よりもヨーグルトのビンのリサイクルを巡って2回ほどありました。

どこのスーパーでもクレーマーに苦労するという経験はあるようで数人の方に
「やるだけやって伝わらなければスルーしないと神経が持たない」とアドバイス
されました。私だけではないのだとほっとしました。

お客様にお願いです。私だけでなく生産者もお店もプロとしてお客様には
気持ちよくお買い物をして召し上がっていただきたい。
そのためには努力を惜しみません。

もし内容にご不満があるときは

     ① どういうことをお望みか(代品希望か返金希望かなど)
     ② 買ったお店と日時

これだけはお伝えいただければと思います。
クレームは次に繋がる糧にならなくてはなりません。生産者もお店もお客様との関係で
成長できるものです。そこをご理解いただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
  
チーズは置いているだけでは売れません
ベーベ工房としては初めての地域のお店とお取引が決定しました。
地方にありながらチーズへの愛情と情熱を感じるそのお店とどうしてもご縁が持ちたくて
資料と製品サンプルをお送りさせていただいたのですが、実は店長は東京でうちの製品を
手に取られたことがあり「素晴らしい製品」と記憶して下さっていたこともあり、いわば
相思相愛の幸せなご縁となりました。

ところで日本でさまざまな種類のナチュラルチーズが店頭に並ぶようになってまだ20年です。
フェルミエの本間社長などもよくチーズの講演会を開いておられます。
まだまだ一般に知識が普及しているとは言い難く、去年レシピカードを作成し
時々お店に置かせていただいていますが、ベーベ工房のチーズも時折お客様から
食べ方などのご質問を電話でいただきます。
それだけにチーズはただ売り場に置いているだけでは売れるものではありません。

国家資格ではありませんが、民間が主催する講習と試験を受けて合格すると取得できる
チーズシュバリエやチーズ販売士などの資格があります。今度お取引が決まったお店も
そうですがスーパーでもチーズに力を入れているお店はこの資格を持った担当がチーズの
売り場にいてさまざまなアドバイスをしてくれます。食べ方、選び方、ワインのことも。
ナチュラルチーズはある意味では「豊かな食卓」の象徴です。それだけに食べること
だけでなく選ぶことも楽しんでいただきたいと願っています。

作り手が丹精込めて作るだけではお客様の心に届きにくいのがチーズです。
作り手の情熱と愛情に販売担当者のそれが加わって初めて素晴らしいチーズとなります。
もしチーズシュバリエのおられるお店に行かれたら是非、選ぶ楽しみを堪能して下さい。
思いもかけないチーズに出会える可能性もありますよ。(^^)
催事について
まこやんのブログで知った北海道の酪農家ブランド「ファームデザインズ」。
大人気のサブレやプリン、牛乳やソフトクリームそして塩キャラメルはパッケージの
可愛らしさもあるのか大人気。(今年の干支が丑ということもあるのでしょうか)
各地の有名百貨店の催事にも1月からひっぱりだこのようです。

ファームデザインズ

北海道は小売で本州のスーパーに納品するには配送料も高い。
コストを考えたら催事で販売することはとても賢いやり方と思います。
それにしても催事のスケジュールには驚きました。まこやんが行った埼玉の
百貨店以外にも伊勢丹(吉祥寺)、赤羽のエキナカとほぼ同時展開だもの。

ベーベ工房は基本的に催事は無理です。8年ほど前地元の百貨店の催事にと請われて
出店しましたが、このときはバイヤーさんも地元の方で酪農家の生活をよく御存知で
販売手数料も取らずに百貨店の方が売ってくださるという超のつく温情措置。
地元百貨店ですらこうなので東京での出店は100%無理です。

実は去年東京の老舗百貨店から1週間の催事への出店を提案されました。それが人気なら
定番商品として扱うという手形つきで。ブランド力にクラクラしたものの未だに返事は
留保してます。条件は以下の通り。(催事に興味がある方はご参考までにどうぞ)

 ① 6日間すべて私が売り場に出る
 ② 19:30までに売り切れは認めない
 ③ 販売用のマネキンを1人雇うこと

数字の条件は明示する段階ではなかったもののおそらく売上の10%以上は出店料。
私は実家が横浜ですが、実家がなければホテルに。
子牛を含めると45頭の牛を飼う酪農家の夫が酪農をしながら毎日ヨーグルトとチーズ
を作って催事に納品するのは不可能です。売り場に立つ私も慣れない仕事で倒れるかも。

私は家族経営の酪農家の仕事日程や家族の事情(1週間4歳児を放置するのか)をお話
しましたが若く独身の担当者は想像がつかないようで「出すように」の一点張り。
「皆さん、店を閉めて参加するんですよ」の言葉に回答留保を決意しました。

マネキン雇って出店料を払って無理をしてどれだけ儲けが出るかソロバンをはじきました。
後日尊敬するバイヤーに話したら「そこで儲けと労力を比較したあなたはえらい」と。
華やかさに目がくらみ無理をして出店したものの思ったような成果が出なかった
小さい生産者もいるようです。

ファームデザインズは北海道の1件の牧場の牛乳を併設する小さな工房で地元のパート
たちが加工しているようですが、多分東京には販売専用のスタッフがいるのでしょう。
極めて現実的な言い方ですが、どのくらいの純利益なのか気になります。
自分の手足となってくれるスタッフを持つことは素晴らしいと思いますが
私には無理です。金銭的にも信条でも。酪農をしながらの販売は何かと足かせが
多いですがそれを守りながら自分の目の届く範囲でできることをしてゆきたい。

百貨店の担当者には小さな家内工業的な生産者の生活にも思いを馳せていただきたい
と望みます。閉店前の売り切れ御免だって少しは大きな心で見ることも必要でしょう。
無理をしてもよいものは作れません。催事は6日間なんとかこなしても肝心の味や
品質が落ちるのでは本末転倒です。小さな生産者だけの催事を過剰な犠牲を強いずに
成功させる懐の大きさは結局お客様が喜んで下さいますよ。
アメリカンドリーム
1月20日のバラク・オバマ氏の大統領就任式はきっと後世にケネディの就任式のように
語り継がれてゆくだろうなと感慨深く報道を聞いていました。
ブッシュ大統領の8年間は本当に息苦しい8年でした。9.11テロ、イラク戦争、そして
石油利権、穀物価格の高騰。置き土産に戦後最大の不況。
11月の大統領選は祈るような思いでオバマ氏の勝利を願っていました。

ハーバードのロースクール出身の弁護士とはいえアフリカ系のオバマ氏が差別と
闘ってきたことは想像に難くありません。あったのは彼の才能と情熱だけ。
父親も大統領を務めた極めつけの2世政治家ブッシュと対照的な存在です。
オバマ氏は陳腐な言葉ですがアメリカンドリームの体現者だと思います。
アメリカの黒人や有色人種だけではなく日本の母親たちにも「努力をすれば夢は叶う」
と励ましをくれるような存在です。

民主党はケネディのような血統書付きの大統領だけでなく、努力と才能で大統領の座に
ついた政治家を生み出しでいます。ジミー・カーター。ビル・クリントン。そしてオバマ。
「最強の元大統領」カーター氏の笑顔と外交手腕にも惚れ惚れしますが私は実は
ビル・クリントンの大ファンです。(笑)「不適切な関係」のスキャンダルがあっても
ブッシュの8年間、いつもクリントンが懐かしかった。(アメリカ国民でもこのような感情を
抱く人間は多かったらしい)彼もオバマ氏以上に貧しく問題のある家庭から奨学金を
得て弁護士~知事~大統領になった人物です。ケネディに憧れて入った政界。

オバマ大統領が率いる現在のアメリカは、戦後最大の不況にあえぎどん底状態。
彼が大統領になったからといってすぐに好転はしないし、きっとオバマ氏に失望する
こともあるでしょう。でも2世、3世の政治家ではなく実力で大統領の座に着いた
リーダーを見ることがこんなにも晴れた空を見るように爽快な気持ちになるとは。

コネや血縁を使いこなすのも実力と言われます。でも親の権力や財力が本人の実力
以上に幅をきかせる今の日本に私はいささか疲れています。首相を見ても。(笑)
出来レースのような人生ばかりでは人間はやる気がなくなります。
オバマ氏のアメリカンドリームに夢を託して励まされているのはアメリカ国民だけでは
なく日本人も同じなのだと思います。
食の教養
農や食に限らず全ての分野にあてはまることですが、高い見識を持つ
ためにも幅広い知識は仕事をする上で非常に大切だと思います。
私は小さな酪農家ブランドのおかみさんでしかありませんが、それでも
自分のブランドをやっていくためには食の仕事には酪農の知識以外にも
身につけるべきいわば食の必修科目があります。。
特に私が簡単にでも勉強したり、関心があってよかったと思うのが次のものです。

 ① フェアトレードなど「公平」と「育てる」ことを目標とする取り組みのこと
 ② フランスのAOCなどブランド農産物の国家的な取り組みや経済効果
 ③ 外食でもお取り寄せでもおいしい食べ物の知識と興味
 ④ チーズを作っている以上最低限のワインの知識

このブログでも独立したエントリーとして書いていますがフェアトレードとAOCは
農と食のあるべき理念を知る上で非常に大切な知識だと思っています。
小さな規模の生産者は私も含めて多忙な日々があわただしく過ぎていく毎日ですが
それでも上に挙げたようなものから目標や、遠い夢や理想を自分の価値観に
反映させてゆくことはとても大切なことのように思えます。

学生の頃、教師達に「勉強を教えてもらえるのは今のうち。大人になれば自分でやるしか
誰も教えてくれない」とさんざん言われたことがわかるようになりました。
特に自身の製品をブランドとしての誇りを持って世に出したいと思えば専門知識
だけではない人としての「厚み」と「ゆとり」を感じさせる食全体の教養は不可欠です。

私の今年の目標のひとつにチーズをカフェなどのメニュー(テイクアウトも含め)に
使っていただくことがあります。それもあって最近は本棚から以前買ったカフェや
無国籍料理の本、テーブルコーディネートの本を出して読んでいます。
目標があると好きな分野の知識も理解が早い。(笑)
自分のブランドを守ってゆくのはとても大変なことですが面白い人生です。
大好きな食のことで様々な分野の方と楽しいコミュニケーションを築くためにも
食に関する教養は積んでゆきたいと思うこの頃です。
それが自分のブランドに魅力と輝きを添えてくれることを願って。
究極のブランド
私の仕事の悩みも突き詰めるとそこにたどり着くのですが、食の作り手にとって
一番の目標は「自分の作ったものを使ったり食べたりした人が誇りに思うこと」
これに尽きると思います。

岡山のカリスマチーズ職人・吉田全作さんのチーズはテレビで放映されたこともあり
数ヶ月待ちの状態です。以前から吉田さんのチーズはラ・ベットラやアクアパッツァなど
人気店で使われています。その表現は気をつけて見ると以下のように変わっています。

  「ベットラの落合シェフが選んだチーズ」
     
            ↓
  「岡山の吉田牧場のチーズを使ったカプレーゼ」

人気シェフ以上の魅力や集客力を既に吉田さんのチーズは備えています。
こうなると生産者は本当に作りがいがあります。在庫がなくても個人客は数ヶ月
先まで待ってくれるし、法外なことさえ言わなければ価格も自由に決められます。
待っていてくれるお客様、品質に見合った利益と敬意。
この状態で作ることができる職人の何と幸せなこと!

芸能人やマスコミの力に頼らず、まして一過性のブームではなく熱狂的な支持を
受けるロングセラーの食を作ることは本当に凄いことです。
心から憧れ、いつか私たちもそのような製品を作ることができればと熱望
しています。そんな魅力のある食を私は「究極のブランド」と呼んでいます。

私の地元にもそんな究極のブランドの本社があります。高級スーパーや百貨店で
「和豚 もち豚」という高級な肉を買われたことのある方もおられると思います。
本社の小さな直売店にはいつも大勢のお客が入っています。
お店にはに横浜中華街の名店のブランド名の高級肉まん(一個480円也)があります。
「もち豚を使った肉まん」というPOPを見るともち豚の威力に圧倒されます。
見果てぬ夢ですが究極のブランドに一歩でも近づけるよう努力をしたいと思います。
スタイルについて
 人間には絶対に譲れない一線というものがある。それは各自各様なものであるため
 客観性はなく、ゆえに法律で律することもできなければ、宗教で教えることもできない。
 一人一人が自分にとって良しとする生き方であって、万人共通の真理を追究する
 哲学ではない。(略)英語では「スタイル」である。

 もしかしたら人間のちがいは、資質よりもスタイル、つまり「姿勢」にあるのでは ないか
 とさえ思う。そして、そうであるがゆえに「姿勢」こそがその人の魅力になるのか、と。

             (塩野七生「ローマ人の物語」よりローマ世界の終焉 より)

いきなり長い引用で恐縮ですが、塩野さんが他の作品やエッセイでも繰り返して語って
おられる「スタイル」のこと。今回のローマ人の物語のクライマックスで彼女が綴った
この文章はこの大作をしめくくるのにふさわしい感動的な一文です。

たとえ目先の利益にならなくてももしかしたら損になっても、私は自分なりのスタイルを
貫く勇気を持ちたいと思っています。

私たちの名刺にはこうあります。

         「ベーベ工房  農家製チーズ・ヨーグルト製造」

製品を売ることはまさしく商売なのですが、どんな状況にあっても牛と共に生きている
酪農家らしい暖かさ、素朴さ、誠実さは身にまとっていたいと思っています。
私の思う酪農家らしさとは決して鈍重なことではなく、ゆったりとしてだけどユーモアや
穏やかな知性を忘れない姿勢ということでしょうか。あくまで理想ですが。

30代までは無我夢中で日々を生きるだけだった私も、最近スタイルというものを
考えるようになりました。自分でも半人前なのにえらそうな、とこそばゆい気持ちも
ありますが私も40代になりスタイルを真剣に考えなければならない年になりました。
それも道理で20日にアメリカのリーダーに就任するオバマ氏は私と同世代です。
オバマ氏の登場は私の中でも何かを変え始めています。
彼のモットーであるCHANGEの如く。

追記 私にご助言を下さる方々に私のスタイルがもどかしい思いをさせていると
    申し訳なくなることがあります。乗り越えなければいけないことと自分の
    スタイルを慎重に見極めながらご期待に添えるように頑張りたいと思います。

案内状の送付
やっとヨーグルトのしおりの修正が終わりました。
後は印刷の完成を待つばかりです。心地よい達成感があります。

ところで今回は主催者(県)からたくさんの食の関係者に商談会の案内を
出して欲しい旨の依頼がありました。案内状も用意して下さって。
私も数人ですが、案内状をお送りさせていただきました。
皆様普段からお世話になっているいわば食のプロばかりです。

ところで案内状を出すとき必ず私が守っていることがあります。
それは案内状をいわば裸の状態では出さず、必ず封筒に入れて一筆でも
自筆でご来場のお願いを書くことです。それでなくても一流の方ほど忙しく
スケジュールも詰まっておられますので無理なことも多いと思います。
それでも「少しでも立ち寄ろうか」と思ってくださるかどうかは、心に
何を感じたかで決まるように思います。そして今回私はこのように書きました。

    「私共の他にも良心的で熱意ある生産者が一同に会します」

私がよく買い物をする小さいけれどこだわりのスーパーの社長に案内状を
お渡ししたら「こういうチャンスはめったにないので必ず行きます。ありがとう」
と言われとてもうれしい気持ちになりました。

ビジネスの場であるほどちょっとした手書きの一筆や、自分だけよければOKの我欲を
見せないことは大切だと感じています。
そういえば、戦国武将も徳川の初期の将軍もたくさんの手紙を書いていて現在も
残っています。お見舞い状、季節の便り、献上品につけた一筆など。
手紙は心を伝えるけれど身代がへこむものではない。(笑)
今年の大河ドラマの主人公の直江兼続もそれはそれは筆まめだったそうです。

仕事に関しては筆まめでありたいと考えています。

月刊 ちょこちょこ
久々に再開しました。千趣会の「月刊ちょこちょこ」。
毎月一回届く可愛いペーパーグッズや小物のセットです。
このシリーズは私が独身のOLだった頃から人気の商品で私は結婚後もかなり長く
続けていましたが子育ての忙しさもありここ数年休止していました。

月刊 ちょこちょこ

ちょちょこグッズは大切に取っていてしおりやカタログを作る時のヒントにもなりました。
去年ナカシさんのイラストで作ったチーズのミニ・レシピカードのデザインは私が手がけましたが
ヒントは10年以上前のちょこちょこにあったグリーティングカード。
今はメールやケータイが全盛で、カードや便箋といったペーパークラフトが千趣会も少なく
なりましたが、ちょこちょこのグッズは今や人気の可愛いキャラクターの使い方など
ベーベ工房の仕事の上でのヒントがたくさん詰まっているおもちゃ箱のような存在です。

ヨーグルトとチーズという製品の性格にもよりますが、しおりやパンフレットを作る仕事は
明らかに「女の仕事」だと思います。
男性からは見落としそうな無駄な世界かもしれないけれど何か暖かな世界。
私はさして根性も体力もなく、出身大学はMARCHで飛びぬけたエリートではないけれど
ただ一つ仕事をする上で誇れることは、ちょこちょこのような可愛らしくセンスのある
ものへの感受性と好奇心が衰えないことだとひそかに思っています。(^^)

結婚する時に主人に「結婚後もちょこちょこを取ってもいい?」と聞いたら笑いながら
「自分の大事なものは結婚しても大事にした方がいいよ」と言われました。
月刊ちょこちょこにはこれからもお世話になろうと思います。
ブログ1周年
去年の1月15日にこのブログをスタートさせて1年が経ちました。
初めは誰かを意識することもなく、ただ書きたいことを綴っていた文章ですが
思わぬところで翻訳していただいたり、お互いのブログでコメントをやりとりすることで
心を通わせる友人もできて、文章の伝える力を実感しています。

今年に入り趣味や日々の出来事を書くプライベートブログと本業である酪農や農業
食のことそしてどうしても私の現在の考え方を伝えたい社会問題などを
書くこちらのブログを分けました。県の商談会のHPにリンクされることもあり
読んで下さる方にとって必要な情報を絞ることにしたのです。こちらのブログもより精緻な
文章で酪農やチーズのことを伝えられるように努力いたしますので今後とも
どうぞよろしくお願いいたします。

私はこのブログが初めてのブログです。一時は買い物カゴ機能付きのHPの作成も
検討しましたがリスクを考えて純粋な日記ブログを選びました。
始めるにあたっての目標はただひとつ。書く以上は放置せず自分のブログに愛情をかけて
あげようと。せっかく作っても放置ブログになってはやる意味がないと思ったのです。
幸い、作成4ヶ月目にはバター不足の記事が翻訳され、(拙くて恥ずかしいけれど)フランスの
AOCのことを書いた記事を資料としてリンク下さった方もあり書くことで伝わることの
素晴らしさを経験することができました。

酪農は365日根気よく仕事に取り組む仕事。それで鍛えられたのか毎日書くという
ことはさほど苦痛ではありません。文章の引用などを書くときは多少時間がかかりますが
大体10分~15分でひとつのエントリーを書き上げています。
そして、文章にすることで自分の中で考えが一つにまとまったり理論化することが
できこのブログは私にとっての備忘録にもなっています。

酪農家としての日々、ベーベ工房の製品のことなどの他自分のスタイルというものを
読んで下さる方にお伝えできるようなものが書ければ本望です。
たとえ目には見えなくても自分が考えていること、仕事をする上でのセンスなどが
ベーベ工房の製品に何か魅力を与えられるようなブログにすることが夢のひとつです。
まだまだ道は遠いけれど。
ミルクマン!
まこやんが地域の子供たちへの食育活動として2006年から行っている「ミルクマン」の
取材記事を送ってくれました。
農業共済新聞という業界紙ですが、一面まるごとミルクマンの記事!

まこやんのD-1ブログ

まこやんは度々このブログでも登場する埼玉の若手の酪農家。
このブログを通じて出会いうちの子牛がお嫁入りするほど信頼できる大事な友人です。
ミルクマンの食育活動に感心するのは、決して上から目線の活動でないことです。
食育活動をされる方の中には、ひたすら子供に対して持論を述べるだけの方もおられ
ますがそれとは全く対照的。保育園や幼稚園でのアンコール希望が多いのも納得です。
二児のパパとはいえまだ若くイケメンなまこやんなのに地道で献身的な食育活動を
継続しているそのギャップには驚くばかりです。
5月にベーベ工房の見学に来てくれたまこやんの仲間たちも同じく。

まこやんはそう遠くない将来自分のブランドの牛乳を出すべく準備中です。
ミルクマンの公演を見た関係者の中に、まこやんの牛乳を心待ちにしている方が
おられると聞き自分のことのように嬉しく思います。
それにしてもまこやんたちの活動を見るにつけ思い浮かべるのは牛乳批判をするあまり
酪農家の仕事や人生までも否定する方々のこと。
これらの方々は忙しい酪農の合間を縫って献身的に子供たちへの食育活動をする
まこやんたちを見てもまだ酪農までも否定するのでしょうか?
私が酪農家ではなくてももし彼らの活動を見たらその人間性に感動するだろうな......。

ミルクマンのメンバーの皆様。今年は群馬でも是非公演して欲しいです。
畜産フェスティバルでミルクマンを見られたらきっと子供たちも喜ぶから。
これからも頑張ってくださいね。心から応援しています。

商談会準備中
29日に前橋のドームで行われる県の主宰する農産物の商談会。

商談会

半月後に迫った現在、少々出遅れている部分もありますが準備を進めています。
準備するものが多く時間があっという間に経ってゆきます。

 ① パンフレットやしおりの準備。
   (新しいヨーグルトのしおりは見本刷りが完成。とても可愛いです。乞うご期待!)

 ② 試食に使う紙皿などの準備(オリーヴオイルなどもスタンバイです)

 ③ 当日のエプロンやバンダナなど要は「着るもの」。
    商談会はもちろん製品とプレゼンテーション勝負ですがこちらが一番リラックス
    できて良い表情でいられるスタイルはモチベーションを保つために必要です。

③ですが素敵なエプロンが見つからず(いかにもおばちゃんスタイルはちょっとね)
ナカシさんに電話で泣きついたところ、ご自分の黒のエプロンを貸してくださることに。
ベーベ工房の素敵なイラストレーターでもあるナカシさんはフードスタイリストとしても
ご活躍中のセンスあふれる方です。ナカシさん本当にありがとうございます。

酪農と通常のべーべ工房の仕事の合間を縫っての準備&初めての参加で
不安もありますが落ち着いてこちらの良さを一番伝えられるペースに持ち込めれば
と思います。幸いチーズは競合会社がありません。
現在のお取引先とのロットや価格などを記したプリントも用意する予定です。
条件は数字をわかりやすく表記した方がわかりやすいからです。
商談会では販売はできません。プロの商売人になりきるつもりです。
チェンジ!
商売人の家系ではないこともあり私がベーベ工房でお客さまやお取引先に
対するときの気配りなど基本的な価値観は私個人のものでやってきました。
それは幸い相手方にあまり不快な思いをさせることなく来たと思いますがそれでも
時々大切な節目でビジネスと割り切って仕事を進めるか、義理を優先する
べきか非常に悩むこともあります。

ベーベ工房のチーズもヨーグルトも「差別化」「こだわり」製品として扱っていただいています。
そのような位置づけもあるのでもし出したいお店があっても既にお取り扱い頂いている
お店とお客様や生活圏がだぶるときは営業の前に断念することもありました。
数年前から悩んできたのが地元旅館などへの営業のことです。
詳しいことは省きますが、お世話になっている老舗旅館が県内にあります。
その旅館にはお礼の言葉もないほど感謝しているので、同じエリアの旅館やホテルで
出したいところがあっても無理にでも義理を優先して営業を自重してきました。

そんな状態に時に苦しみましたが食材としてだぶらないものを中心に勇気を持って
一歩を踏み出し営業をすることに決めました。
心境の変化の大きな理由は営業をかけたい旅館が本当に地元の食材を大切に思い
メニューに取り入れている心意気が直近のHPやブログから伝わったことです。
おいしくて安全な地元の食材を心を込めて料理することで群馬を発信したいという
その旅館の思いに逆に背中を押されたような気持ちになりました。
思いを共有したい方がいるなら気持ちを正直に伝えてみようと思います。

私の最大の弱点だと承知していますが、私はお取引先やお客様との関係をビジネス
とだけ割り切るのが苦手です。情を重んじて義理を立てすぎるきらいもあります。
きっとこれからもそのような価値観の上の仕事になると思いますがそれを乗り越えて
でもご縁を持ちたいところが出れば踏み出す勇気は今回の件で少しだけ
持てたような気がしています。

乗り越えてゆく原動力は最終的には「他の追随を許さない品質」だと思います。
胸を張ってそれを言えるように少しずつ自分を変えなければ。
そう。もうすぐ誕生するオバマ大統領のように「チェンジ」です。

農業への転職に一言PART2
耕作人さんが教えてくれた中日新聞のwebニュース。
特集の題名は「超えろトヨタショック」。職を失った人たちの農業参入やそれにまつわる
問題点や現状を解説しているシリーズです。

農地の斡旋

雇用を生む農業

非正規労働者の職と住の喪失は緊急性の高い社会問題となっています。
そこで言われているのが失業者を就農させれば良いということ。
先日このブログで安易な農業への転職に疑問を持っていると書きました。
今朝のテレビでもブラジル人の就農斡旋について特集していました。
「知識がなくてわかりません」と言うブラジル人。当然でしょう。
あのユニクロですら農業への参入は大赤字ですぐに撤退しているのです。
一時の感情論で軽々に農業への参入を口に出すべきではありません。

農業への転職に一言

お正月の特番で東国原知事や評論家たちが気軽に「派遣切りにあった人を
農業の現場へ」と言うのを見て日本の農業の貧弱な現実を見たように思います。
食糧自給率アップのためにも遊休地や雇用の拡大ためにも農業人口を
増やすことは良いことです。但し永続的に収益がアップするという条件なら。

私は農業の形態は昔から二つしかないと思っています。
自分が経営主体でやるか、他人に雇用されてやるか。
昔は洋の東西を問わず「自作農と農奴」「地主と小作」と分類されていました。
昔のように就業形態が身分制度になることは絶対にあってはなりませんが
本当に将来に繋がる新規就農を考えるなら二つの形態をはっきりさせてそれに
応じた就農援助が絶対に必要だと思っています。

マスコミで盛んに流れる「農業回帰」「農業への新規参入」の報道を見ると
自分で土地を手に入れて農業に取り組む「自作農型」も農業法人などに雇われて
働く「サラリーマン型」すら分類せずただ単にホームレスよりは農業の方がマシだろう
程度の安易な論調が非常に気になります。
農業が成長産業ならこれだけ自給率の低下や就農者の高齢化に悩まないと思うのですが。

上記の農地の斡旋の記事からは自作農を目指す新規就農者のハードルが高いことが
伺えます。政治家や評論家が農業回帰と安易に唱える前に農地法の見直しや
農業委員会の改革にも本腰を入れて取りくむことが先だと思うし、大企業の農業
参入 → 雇用の創出と生産性のアップというのなら、農業に取り組む営利団体の
最低限守るべきモラル(収益が上がらず事業を止める時の土地の処分のことなど)や
従業員への社会保障をどうするかなどから法整備も含めて取り組むべきだと思います。

本当に国が今回の不況をきっかけに農業の分野に適正な労働人口を流入させるなら
農地法の見直しや、専業農家の所得保障の制度あたりから取り組んでいただきたい。
土地で農畜産物を作る仕事がどういうことなのかだけは忘れずにいて欲しいものです。
最後にひとつの文章を引用したいと思います。
  
 政治家にはなるべくならば手をつけたくない背策がある。ローマでは市民権に
 関する法と、農地改革に関する法がそれだった。いずれも、既得権者の側からの
 絶対の反対に加え、その法案が成立すれば利益を得る人々も、なにぶん新しい
 ことゆえ、どこがどのように利益になるかがよくわからず支持したとしても生ぬるい
 支持しか与えないという性質を持つ点では共通している。それでこれが提出される
 たびにローマは流血沙汰を起し提案者が殺されるほどの混乱を重ねてきたのだ。
        (塩野七生 「ローマ人の物語」ユリウス・カエサル 文庫版9巻より)

真正面から取り組む勇気のある政治家が現在の日本にいるか見守りたいと思います。
久々にメス
11日は2頭のお産がありました。母子とも元気です。
ホルスタインの♂と♀が一頭づつでした。
メスのホルスタインが生まれたのは久々で、7月にまこやんの牧場にお嫁にいった
まこちゃんが生まれて以来。ジャージーのちろりが生まれた8月下旬以来のことです。

去年、一昨年とたくさんのメスの子牛が生まれたので、後継牛は当面心配がないの
ですがさすがに4ヶ月もオスが続くと心配になってしまう酪農家の性。
11日の早朝生まれた子牛がオスだったのにはさすがにがっかりしましたが
昼過ぎに元気なメスが生まれてくてほっとしています。

生まれて半月くらいの子牛はまだ哺乳瓶からミルクを飲むのも下手で手間が
かかりますが、手間がかかる分可愛いのは人間と同じです。
ちろりがバケツで飲むようになってから3ヶ月。久々に哺乳瓶の出番です。
ちろりは生後5ヶ月近くなりすっかり顔も大人びてきました。
しばらくぶりのスモールはホルスタインとはいえやはり小さい。(笑)
ペットではないけれど牛舎に小さな子牛がいると空気が和みます。
酪農家には牛乳を搾るだけでなく育てる楽しみもあるのです。
酪農家ブランドの傾向と対策
このエントリーはまこやんなど

  「組合に所属している酪農家で自分のブランドで加工をしたい」

と思っておられる方への参考になれば幸いです。

1996年に法令の改正があり、私たちのように組合に牛乳を出荷している小さな酪農家にも
自分の加工施設を持ち製造販売する道が開かれました。
そのためまだ組合員によるブランドは歴史が浅く経験者は少ないのが現状です。
組合に所属する酪農家が自分でブランドを持つ場合、乗り越えなければならないことが
いくつかあります。それをいくつか書いてみたいと思います。

牛乳を組合に出荷している酪農家が自分で加工する場合の牛乳の取り扱い、つまり

 ①加工に使う牛乳を自家消費とみなす(うちはこれです)
 ②加工に使う分を組合から買い取る形で支払いを組合にする
 ③継続的にまとまった量を使うならバルククーラーにメーターを取り付け
  手続きをして補助金の申請(経済的には助かるけど非常に大変です)

という上記3つのどれを選ぶかを決めなければなりません。
この扱いに関しては法令での画一基準があるわけではないようです。
私たちは製造許可を取る前から頻繁に組合や乳販連に報告をしたり、自分のブランドを
持ちたいという気持ちを伝えて理解をいただけるように努力しました。
組合と乳販連のご理解をいただいたので①の自家消費の処理ができます。
②はやはりもったいない。これにならないようにも事前に組合に加工への理解を
していただくための努力は必要です。

めでたく施設も完成し自分のブランドを持ってからのことですが、ミもフタもない言い方ですが
自分のブランドで乳製品を製造し売ることは全くの自己責任です。
組合は当たり前ですが助けてくれません。自分でやるしかないのです。
それから親代々の酪農家の家だとどうしても親世代は他の組合員と違うことをする
ことを心配し反対したり感情をぶつけてくることもあるかと思います。
それから何となく他の組合員からの視線を感じることも。
これらの重圧を乗り切るために必要なのは「自分のブランドの乳製品をお客さんに
喜んでいただく」という強い気持ちだけです。

組合員でいると何かと恩恵を蒙ることも多い代わりに、皆と同じことをしないと
冷たい目で見られる風潮がなきしもあらずです。それを超えるだけの作ることへの
情熱は持っていないと気持ちの上で萎えてしまうことがあるかも。
他の組合員への配慮や理解を求めるためのコンタクトは大切にして欲しいです。
その情熱の支えはお客様の応援です。消費者の心に届くものを作ること。これが全て。

酪農家であることと製造者であることは全く別の心遣いが求められます。
超えなければならない困難は多いけど、ベーベ工房をやっていてよかったと思います。
「ありがとう」「ごめんなさい」「よろしくお願いします」この三つを心を込めて言えれば
道は開けますのでご安心を。酪農家のブランド、頑張りましょう。
地域性について
ベーベ工房の製品は、先方からお取引のお話をいただくこともありますが
私自身がさまざまな情報を収集し、データなどを集めてこの店とご縁を持ちたいと
思ったところに営業という形で取引のお願いをすることも多いです。
そのデータも自分なりのものがかなり蓄積されてきたように思います。

不況で小売も苦戦する現在、私が注目しているのが地域性という要因。
最近は大手のスーパーやコンビニが全国展開していて地域の個性がわかりにくく
なってはいますが、それでも目を凝らすとその地域の食の好みやこだわり度などが
微妙に違っているのが見えてきます。

地域性を生産者として初めて考えるきっかけになったのは2000年初夏に3ヶ月限定の
企画で千趣会の若い主婦やOL向けの企画「わく、ドキッ」というシリーズでヨーグルトを
扱っていただいたことです。(この企画責任者とはその後公私共に友人に)
これはセンターで発注をまとめて伝票を生産者に送り生産者がお客様に直送する
システム(個人情報の保護については厳重な誓約書を提出します)だったので

       ① お取り寄せが盛んな都道府県
       ② リピーターが多い都道府県
       ③ ある程度ですが20~30代の女性の気質

が何となくわかるような気がしました。お取り寄せが盛んな地域は不思議と小さくても
こだわりの店があったり行政が農政に熱心で「食」についての好奇心が消費者に
根付いている印象を受けました。また千趣会という要素はあったにせよ女性の就業率の
高い地域は注文数も多かった記憶があります。
現在もどうしてもご縁を持ちたいスーパーに営業をする前に少しですが県民性や食へ
かける予算などのデータは考慮に入れてから行動を起すようにしています。

その上で、の勝手な私の推測なのですが食へのこだわりは平均収入より生活
スタイルの影響が大きいようにも感じます。例えば飲酒運転の罰則強化以来
車で移動することの多い群馬では外食が減ったとも聞いています。
外食にかける予算は少なくても家庭で食べる回数の多い地方は(東京から見れば)
田舎でもチーズに関心を持って下さるお客様が多いように思います。
もしそのご家庭のちょっとした「ハレ」のメニューにベーベ工房のチーズも参加させて
いただいているとしたら本当に嬉しいことです。

最近はコンビニでも地域限定のメニューや価格帯などきめ細かな商品が並んでいます。
すぐには目に見えないかもしれませんが、食の仕事を通じて県民性や地域性を
感じ取ることは今後大切な要素になっていくのでは、と考えています。
ヴィドール「トッカータ」
フランスの作曲家・オルガン奏者・教育者として名高いシャルル=マリー・ヴィドール。
彼の名は知らなくてもこのオルガン交響曲第五番の「トッカータ」を耳にされたことの
ある方は多いと思います。(CMや映画でも使われたことがあります)

欧米では結婚式のフィナーレで使われることも多いトッカータ。(恥ずかしながら私も使わせて
もらいました)1973年にイギリスのアン王女がマーク・フィリップス大尉と結婚された時の
映像がテレビ放映されたときもトッカータが使われ、叔母が海外土産にレコードを買ってきて
くれたのがこの曲との出会いです。



この曲はバッハの内省的なオルガン曲と違い20世紀の曲らしく華麗で勇壮。
気持ちを高揚させる効果があることが結婚式にふさわしいとされているようです。
ところでこの曲を調べるためにネットを検索していたらパチンコ屋でこのトッカータを流して
いるところがあるらしく「ずいぶんとインテリなパチンコ屋だ」と書かれている方がいて
思わず笑ってしまいました。

ここからが本題。昨日のニュースで報道された松戸の3人の乳幼児が焼死した事件。
どうしてこういう事故が後を絶たないのでしょうか。
23才の母親は当初「一人で病院に行っていた」とのことでしたが警察の調べで
実際は「パチンコ屋に行っていた」と。子供は4才、3才、6ヶ月!
生活保護を受けながら乳幼児を放置して、朝から男とパチンコ........。
こんな人間には親になる資格はないと思う。ふざけんな、の一言。
母親の一人として書かずにいられませんでした。熱くなって申し訳ありません

私は独身の頃たった一回だけ友人とパチンコ屋に行きました。ビギナーズラックで
びっくりするほどの大当たりであっという間に数万円が手に。(元手は千円)
あまりの儲けに怖くなって1回で止めました。あれを求めれば働けないです。
たとえトッカータがかかっていてもパチンコ屋にいくことは絶対にないでしょう。
主役になる一文
昨年末から取り組んでいるヨーグルトの新しいしおり。
現在、使う紙の色もデザインも決まって試し刷りの最中です。
ところでデザインの構成上、急遽しおりの1ページ分を文字で埋めなければならなくなり
半日考えた末に以下の文章をしおりの上で表現することとなりました。
校正のときに若干直しが入るかもしれませんが以下の通りです。


             「土作り、えさ作りから自家製です」

       これはベーベ工房を1998年に立ち上げて以来、ずっと
       ヨーグルトのびんに記している言葉です。
       堆肥を還元した畑で飼料を作り、牛たちを家族の一員として
       子牛から育てて牛乳を搾る。そんな酪農家としての仕事を
       私たちは何より誇りに思い大切にしています。


            「おいしいヨーグルトは元気な牛の牛乳から」

       この言葉を大切に製品作りをしています。
       健康な牛の搾りたての牛乳100%を原料にして添加物や脱脂粉乳は
       一切使用しておりません。牛舎に併設された小さな工房で製造される
       ヨーグルトはすべての工程をハンドメイドで行い、愛情を込めて
       製造されています。


追加で書いた以上の文章は今回のしおりの主役の文章になりそうです。
もしご感想やご助言をいただけたら嬉しいです。

これがA面まらB面の主役はナカシさんのイラストです。
さて、校正でどのようになるでしょうか?29日の商談会でデビュー予定です。
ドキドキ.............。


ウェッジウッドの破綻
一昨日のニュースで第一報を聞いたときは本当に驚きました。ウェッジウッドの破たん。

ウェッジウッド社が破綻

高級な食器の代名詞とも言えるこのメーカーは英国の誇る紅茶文化を代表する会社。
もちろん王室御用達。ワイルドストロベリーなど若い女性が憧れる定番のティーカップの
数々。私もかつてはお金をためては少しづつ買いました。クリオやサムライ、ピーターラビット
などの絵柄の食器の数々。

破綻の原因は昨秋からの金融危機で世界的に消費が落ち込んだこと、ここ数年中国産の
安い食器に押されていたことが挙げられています。
ただ私はここ数年、ウェッジウッドの食器にはかつてのカリスマ性や高級感を感じなく
なっていました。特にシンプルな普段使いのシリーズは明らかに安すぎてウェッジウッド
を使う時に「ハレ」の高揚感を全く感じませんでした。

今回の報道で知ったのですが、ウェッジウッド社は中国との価格競争のため生産拠点を
英国からインドネシアに移していたそうです。決してインドネシアが悪いということでは
ないのですが、ウェッジウッドの食器にカリスマ性を感じなくなったのはそのことも
あるのかもしれません。かつては老舗百貨店でしか買えなかったワイルドストロベリーも
ヨーカドーやダイエー果ては安売り食器店でも手に入るようになっていましたから。

この規模の老舗となると経営の転換も難しいのだと思いますが、私なら生産規模を
縮小しても値崩れを防ぎ今までの顧客にプライドを持ってもらうためにも英国を拠点に
メイド・イン・イングランドだけは守ったと思います。同じ破綻するならインドネシア製と
揶揄されるよりは英国製のまま幕を引きたいと思います。
このブログで繰り返し書いていますが、安易に値下げをし製品のイメージを下げる
店に置くとその製品の値打ちは下がり、下がったままのイメージが固定していずれは
製品が消えてしまう危険はどの分野でも起こると思います。森英恵さんやカルダンの
食器やタオルもいつの間にか見かけなくなりました。

ブランドの魅力はただ一つ。買うこと、持つこと、使うことに高揚感を感じることです。
ウェッジウッド社の管財人は「すぐに引き受け会社は出る」と強気ですが
あのかつての輝きを取り戻すことは難しいと思います。
同じ英国ではハロッズがアルファイド一族に買収されてかつてのカリスマ性を失いました。
ブランドを守るのは厳密な経営戦略に裏づけられた経営者のスタイルという一見
はかなくてもお金で買えないものなのかもしれません。

現在、「ローマ人の物語」の最終巻を読んでいます。最後のローマ人と言われた
悲劇の名将・スティリコの生きる姿勢(スタイル)にはただただ感動。
彼とウェッジウッドのあり方を思わず対比してしまいました。
牛を出す日
酪農家なら乳牛を市場に出すときは誰でも切ないと思います。
昨日、今年最初の市場に一頭の牛を出しました。予定より半月早く。

理由は初産の牛が予定より10日早く出産して(元気なF1のメスが生まれました)
牛舎が一杯になってしまったから。うちの牛舎をご存知の方はおわかりと思いますが
うちは回りにパドックもなく住宅街にある牛舎なので牛舎に置ける牛の数は決まっています。
(こういう事情もベーベ工房を始める契機の一つになっています)
だから若い牛の出産が立て続けにあると、老齢の牛や乳質の悪い牛を市場に出すことに。
他の牧場が買ってくれると申し出て下さって安く牛をお譲りしたこともあります。
この場合は牛が生きながらえることができたことが素直に嬉しいです。
今回の牛は乳量も出ていたのですが、とにかく気が荒い。蹴ることもしばしばで夫が
ケガをしたこともありました。そんな牛でも出て行く日は悲しいものです。

今年は一昨年生まれた牛のお産が多くなります。
その度に市場に出す牛も検討しなければなりません。
我が家は代々の血統を大切に牛を長く飼う方だと思います。それだけに市場に出す日は
朝の会話が弾みません。酪農家なら誰でも乗り越えなくてはならない気持ち。
乗り越える手段は誕生日から最後の日まで愛情をかけてやることだけかもしれません。
牛と生活することは喜びもあるけど、悲しみも紙一重のところにいつも存在しています。
塩野七生「ローマ人の物語」よりキリストの勝利
文庫版が待ちきれず新書版で読んだローマ帝国の末期を描いた「キリストの勝利」。
新書版では14巻。高校生の時以来、あれだけ迫害されたキリスト教がなぜ国教になり
中世へと向かったかずっと疑問だった私にとって待望の一冊でした。
この巻では全盛期には「寛容」を最高の美徳とし、おおらかな多神教のもと多種多様な
価値観を認め、敗者からも賞賛を受けたローマが一神教のキリスト教に覆いつくされて
ゆくプロセスを描いています。頭に入れていただきたいのは塩野さんが国家を支配する
宗教(キリスト教)に批判的な立場を取っておられることです。

帝政ローマ初期に迫害されたキリスト教が突然これだけ保護されるようになった理由。
一言でいうと社会の弱体化。不安な世で何かを信仰したくなる人間の性。
これこそがローマ帝国のキリスト教の隆盛の理由です。

3世紀は皇帝が出ては殺されの世紀でペルシャには敗れ、異民族の侵入は繰り返され
国家は疲弊しきっていました。一般市民も公がしてくれない病人や孤児の世話などをする
キリスト教に傾倒するようになり、政治的に優れた感覚を持ったコンスタンティヌスは
元老院と市民に承諾を得た従来の皇帝では政局は安定しないと考え、皇帝の権威を神に
求めようとします。その後の王権神授説の始まりです。神の言葉を伝えるのは聖職者。
こうやって聖職者は皇帝以上の権威を持つようになり時代は中世へとなだれこんでゆきます。
(現代でもキリスト教国の国王が聖職者に戴冠してもらうのはこの伝統に立つものです)

聖職者に権力を牛耳られることを警戒したのかコンスタンティヌスが洗礼を受けたのは
死の直前でした。ところがテオドシウス帝は病気をした30代で早くも洗礼を受けてしまい
以後のローマは教養豊かな高官上がりの司教アンブロシウスが皇帝をも凌ぐ権力を
持つようになります。アンブロシウスの権勢は以下のようなものです。

 (アンブロシウスは)テオドシウスに向かい何人とえいども神から受けた恩恵を忘れることは
 許されないと断固とした口調で強調したのだった。「神から受けた恩恵を忘れることは
 許されない」を言い換えると「誰のおかげて帝位についているのか」である。 
                          (「キリストの勝利」より)

極めつけはギリシャでの暴動を鎮圧した皇帝テオドシウスにアンブロシウスが謝罪を
要求。8ヵ月後公衆の面前で皇帝はこのしたたかな司教に懺悔をすることになります。

 これほどに現世の権力者に対する神の力を誇示したショーもなかった。(略) 
 まるで中世を象徴することの一つと言われる「カノッサの屈辱」を想起させる光景だ。
 (略)その前奏曲は700年も前に始まっていたのであった。
                          (「キリストの勝利」より)

中世ヨーロッパはご存知のようにキリスト教の価値観一辺倒の暗黒時代となります。
異端の名の下に多くの人が火あぶりにされたり十字軍の遠征という一神教の
弊害そのものといった事件も起こります。信教の自由が人権として認められるのは
17世紀の市民革命の時代になってからのことでした。

国家を信頼できなくなり、現世にも自分にも絶望した人間がご利益をもたらしてくれ
そうな強い神にすがるのは洋の東西を問わないのかもしれません。 今でも続く
国家と宗教の問題。疲弊した社会での人間の心。信仰の自由と国家のありかたの問題。
「キリストの勝利」は重いテーマを問いかけています。

この巻では後世「背教者」のレッテルを貼られた皇帝ユリアヌスが非常に丹念な文章で
描かれています。かつてのローマ帝国の寛容性を復活させようとしたユリアヌス。
19ヶ月の短い統治の末、31歳の若さで戦死したこの皇帝の治世が19年であれば
その後の歴史が変わったかもしれないと指摘する塩野さんの視点が斬新でした。
怒涛の追い込み
先日から怒涛の勢いで取り組んでいるのが今月中に作成予定の新しいヨーグルトの
パンフレットの文章です。今日中には完成させます。

ベーベ工房謹製ハンコ

ナカシさんのイラストはクリスマスには完成し印刷会社と打ち合わせ。
使用する紙と色、大きさ、折り方を大体決めました。7センチの正方形の予定です。
概ねイラストにつける文章はイメージしていたのですが、実際に紙のサイズとイラストを
決めるとコンパクトな文章にまとめる必要が出て、リズムがつかめず予想外の大苦戦!
何度も書いた上に線を引いてどうしても伝えたい表や単語にも気を使い思いつくたびに
この下書きの紙に向かいました。これだけ苦労したのは最近では珍しいことでした。

コピーライターなどはその最たるものだと思いますが、少ない字数の中で商品について
伝えてゆくことは本当に難しい。気楽にブログの文章を書くのと訳が違います。
ようやく今朝になってワープロで清書。もし直しが入っても対応できる段階の文章ができました。

大体私は小学生時代から、作文や感想文で賞を頂いた時の文章は直前まで頭の中で
まとまらず酷いときは提出日の朝、パジャマ姿で立ったまま原稿用紙に向かい一気に書き
読み直す間もなく提出した時の文章ばかりだった記憶があります。
邪念が入る間もなく思いついた表現だけを書いたのが功を奏したのでしょうか?
ベーベ工房のパンフレット作成で短い期限をつけて自分にプレッシャーをかけたのは
これが初めてです。さて、印刷にかけた結果はどうでしょうか?

ハンコは別の機会に作ることにしました。二色刷りが予想よりリーズナブルだったから。
デザイン的にも印刷のほうがイメージ通りになりそうなので今回は印刷での
「ベーベ工房謹製」です。
わらしべ長者
ベーベ工房の仕事は酪農とは全く別のセンスや感性が要求されます。
酪農は勘も必要ですが、とても緻密で乳量や体細胞数などはっきり数字が結果を出す
仕事ですが、販売や企画は数字や効率だけでは計れない面白さがあります。

最近は社会で有名な女性たちが効率の名のもとに男性以上にドライに割り切った人生の
ノウハウをテレビや著作で語ることが多くなりました。
「過労死は労働者の自己責任」発言で国会でも問題になった派遣会社ザ・アールの
奥谷社長、売れっ子経済評論家の勝間和代氏etc。
彼女たちの効率や時間の有効利用は徹底していて私とは正反対。(笑)

  「嫌いな人とは絶対につきあわない」
  「電話は留守電にしておいて用のない人からかかっても出ない」
  「飲み会は今後メリットがありそうなメンバーなら出る」
                              はあ。凄いです。

私は彼女たち有名人から見れば効率の悪さでは極めつけでしょう。
現在取り組んでいる新しいヨーグルトのしおりも、去年のチーズのレシピカードも
お金をつぎ込んで作ったから売り上げが10倍になるわけではない。
お客様に喜んでいただきたいこととひたすら創作することが好きという動機で作っています。
お客様に季節の野菜などをヨーグルトと同封したり一筆添えるのも彼女たちからすれば
無駄なコストと言われるかもしれません。さらに私のギフト選びも、もっと言えば買い物カゴ
機能もついていないブログを書いているのだって無駄といえば無駄なことでしょう。

40年以上生きて10年以上も商売をすると、一見非効率的なことが自分らしさを
表現する手段になっていたり、思わぬ人との縁ができたり、さらに好きで打ち込んでいる
一見無駄に見えることが本業でいざという時に力を発揮することもわかってきました。
「好き」が動機でやっていることは不思議に人の心に訴えることが多いから不思議です。
効率や時間の節約だけを考えている方をみていると何だか疲れるのは私だけでしょうか。

外資系の企業の中には社員同士の年賀状のやりとりをしないことを美徳としている会社も
あるようです。でもそんな乾きすぎた感覚で人の心をつかめるのか不思議です。
不況を打破しないといけない時代こそ、一見アナログで非効率だけど人間の体温を感じる
何かが必要な気がするのですが。計算ずくではない何かが。

奥谷社長や勝間氏のブーメラン式人生観より、私はわらしべ長者式人生観を選びます。
好きなものを手に入れて、好きな人に送ってそれからどんどんおいしいものの情報が
広がったり嬉しい気持ちが伝播し思わぬ縁が芽生えてゆくことを想像する方が幸せです。
特に農や食は効率とは対極的な部分があります。ゆっくりあせらずやりたいですね。
今日から始動
来週から今年のヨーグルトとチーズの製造をがスタートです。
そのための受注をまとめたり、伝票を書いたりの私の仕事は今日から始動です。
今年は去年と違い世界的な不況の報道の中でのスタートでいつも以上に気持を引き締めて
います。ニュースなどによると外食が減り家で食べる人が増えて、値段と品質のバランスの
とれた品質の良いものは売れているとのことですがどうでしょうか。

2~3月にお取引開始をするお店もありますが、やはり心を通わせられる取引先をいくつか
開拓できればと思いいろいろと情報を収集しています。
ここからはやや専門的な話ですが、最近特に首都圏のある程度の規模のスーパーの
中には請求書などの処理の手続きの簡略化のためや在庫管理のために、生産者が店舗に
直接納品するのではなく、一度冷蔵会社に納品してから仕入れるシステムを取るところも
多くなりました。ベーベ工房もこのシステムを取らせて頂いているお取引先もありますが
ここは例外的マージンを例外的に押さえて下さっているから成り立っているのです。

冷蔵会社が高額なマージンを要求すれば、私たちのような小さな生産者は納品量が
少ないため小売に価格転化ができなければかなり利益が少なくなります。
できれば直送システムを取るお店との取引を新規でも欲しいのが本音です。
お店のバイヤーもこのあたりの事情がよくわかっておられる方は、小さな生産者の小規模
ロットのものは直送システムを認めてくださるところもあります。
品質の良い小さな生産者の製品を店に置くためにはバイヤーのきめ細かな配慮も
今年は特に必要になるかと思います。とにかく簡単に値上げはできない状況ですから。

ベーベ工房は夫は作ることに徹し私が営業も企画もすべてやってきました。
時々「知らないお店に営業することは緊張しないですか?」と聞かれます。
答えはもちろんイエスで今でもかなり緊張します。それでもやるのは生活のため
息子の将来のために怯んではいられないということと、新しいお店やバイヤーさん
そしてお客様との幸せな出会いやご縁への憧れにも似た気持ちが支えになっている
からだと思います。

今年は現状維持を最低目標に緻密な仕事を心がけたいと思います。
同時にささやかでもお客様の夢をかき立てる何かワクワクするものも発信できれば
いいなと思います。守り一編倒も寂しいですからね。
プロフィール

けい

Author:けい
①群馬県でホルスタイン50頭、ジャージー牛5頭を飼養する家族経営の酪農家マダムです。

②1998年からベーベ工房というブランドでヨーグルトとモッツァレラチーズ及びリコッタチーズをハンドメイドで製造しています。安全でおいしい製品を誠実に作ることを信条としています。

③土作り、飼料作り~製品作りまで一貫して製造しています。

ベーベ工房も13周年を迎える事ができました。牛のこと、チーズのことなど日々のささやかな出来事を綴っていきたいと思っています。

ブログのスタンスですが、酪農とチーズのこと以外の、管理人の
趣味のことも書いてあります。なお記事の無断転載やコピーなどは
ご遠慮くださいますようお願い致します。

製品に関するお問い合わせは以下のアドレスにお願いします。

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