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来年もよろしくお願いします
いよいよ大晦日。いつになく酪農が苦しく、年末は世界的な不況と大変な年でしたが
無事に大晦日を迎えられてほっとしています。黒豆もチャーシューもふっくらと出来上がり
我が家もすっかりお正月モードです。

今年の1月初めてブログを始めた時は、こんなに素晴らしい方々と出会えるとは予想もして
いませんでした。ブログを通じて出会えたお友達の存在すら去年の大晦日には知らなかった
ことを考えると人の出会いの素晴らしさを感じずにはおれません。
この場を借りまして改めて御礼申し上げます。

「人には添うてみよ」という格言があります。縁のあった人とはとりあえず心を開いて誠実に
心をこめて心を通わせることが、その後の人生を彩る出会いになるかもしれない
という意味のこの言葉が大好きです。その表現を借りると「人は書いてみるものだ」と
ブログをやってみて思えた一年でした。本業の酪農のこと、ベーベ工房のこと以外にも
長年心に温めていたバレエや音楽の話にも共感いただけたことは宝物のような幸せです。

来年も書くことの幸せを感じていたいと心から思います。
そのためにも家族のためにも、不況で大変な状況が待っているかもしれませんが
仕事の上の努力を重ねてゆきたいと思います。

来年も皆様のブログを読ませていただくことを楽しみにしています。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞお元気に良いお年をお迎えください。
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来年の牛乳は.....
乳価のアップを受けて、大手メーカーは来年3月からの牛乳や乳製品の値上げを
発表しています。この数字の表現が非常に微妙なもので。(笑)

 明治・森永....................出荷価格の10円アップ
 日本ミルクコミュニティ(メグミルク)..............希望小売価格の20円アップ

肝心の小売価格は実質オープン価格になる見通しなので、小売店ごとに小売価格にも
差が出るような気がします。メグミルクの希望小売価格は小売へ軽いプレッシャーを与える
ためかな、とも思います。ともあれ不況のさなかに値上げになることは間違いないので
消費にどのくらい影響するかが気になるところです。

ところで来春の値上げに伴い大手メーカーの牛乳が今までの(建前だけでも)希望小売価格
からオープン価格に移行するようです。小売店側の力の増大や、「お客様のため」という
大義名分の前にはメーカー側も強くは言えないのでしょうが、これからの健全な酪農経営の
ためにも牛乳が清涼飲料水と違った農産物だという前提に立った小売価格の決定が
なされることを望んでいます。
ところで、ウィキペディアで改めてオープン価格、参考価格などを調べてみました。
今はスーパーの多くの商品がオープン価格の元で安売りがされています。
値引率何%としなくても安く売れるメリットがある反面、卸す側も小売側も利益率を
設定できないジレンマがあるようです。

ベーベ工房は基本的にお取引先に参考価格を提示した上で、利益率を提示します。
1999年に本格的に東京のお店に出荷するようになった当初はあまり言われなかったの
ですが、最近は先方に「我々の利益を考えて下さってありがたい」と言われることが
多くなりました。それだけオープン価格は小売にとってもシビアなのかもしれません。

来年の値上げ後の牛乳がどのように消費者に受け入れられるかは神のみぞ知るという
心境です。価格決定に酪農家の意見が参考程度でも反映されるシステムがない以上
酪農家としては安全でおいしい牛乳を作ることしかできません。
ベーベ工房の方は製品作りの上に価格形成にも関われる。それはとても大変で
辛いことも多いけれどやりがいも誇りも持つ事ができとても幸せです。

牛乳の値上げは心苦しいですが、消費者の方々が正月もなく牛の世話をする酪農家の
ことをどこかで思い出してくださればこれに勝る喜びはありません。
来年も国産牛乳をどうぞよろしくお願いいたします。

  
12月の最終週は
今週はお正月のためヨーグルトもチーズも製造はお休みです。
牛舎での牛の世話は元旦もお休みはありませんが、それでもいつもよりはのんびりと
過ごしています。(保育園も冬休みなので息子がいて忙しいですが)

普段は製造も、発注の取りまとめも、伝票書きも発送ももう生活の一部になっているので
大変だけれどそんなものだと思いながらこなしていますが、こうやって一週休みが入ると
普段やっている会社でいうところの一般事務的な仕事もかなりのボリュームだと実感。
また、発送が終わると到着の遅延や破損がないか気になりますし、特にチーズがお客
さまに喜んでいただけたかなどはいつも頭から離れません。

酪農とベーベ工房。小さな家族経営の規模といってもやはり二足のわらじは忙しい。
11年も二つの仕事をしていると、普通の酪農家と多少ものの見方や感じ方も
違ってきています。どちらが正しいということではありませんが、私の場合組合の娯楽行事
よりも自分で過ごす時間をより大事に考えるようになりました。
読書も、音楽も、ブログを書くこともすべて楽しみながらも「よりセンスよく」「よりお客様に
喜んでいただける」ことに反映できないか考えているように思います。
年令を重ねると体力も落ちるし、気をつけないと視野も狭くなります。それを乗り越えて
これからも二足のわらじをはいていけるように、好奇心のキャパシティだけはキープ
しておきたいと思います。

完全休日とはいかなくてもいつもよりはゆったりした年末。
「今年も頑張りました」で多少の安堵感の漂う12月の最終週は私の一番好きな週です。
家族の支え
先日書いた↓のエントリーにそれぞれの分野で努力と苦労を乗り越えて自分の一生の
仕事に夢を託して頑張っておられるブログの大切な友人達の素晴らしいコメントをいただいた
ことに心より御礼申し上げます。自分の夢を仕事で実現してゆくことは、どんな分野でも
どこの国でも大変なことだとコメントを拝読して痛感しました。

農業への転職に一言

セーフティネットを張らずに製造業にまで派遣を解放した行政の失策が職を失った
派遣労働者のホームレス化を招いた原因だと思います。
その上での話ですが、今回の若年層のホームレス化で衝撃だったのは彼らが
帰る親元もなく、親とも何年も音信普通で親子がお互いの居場所すらわからないという
崩壊家庭の多さという現実です。何人かのインタビューを聞くと10代で家出して10年以上も
音信不通とか親も離婚して所在不明など悲惨なエピソードもありました。

自らの失策による責任を行政が取るのは当然です。でも本来なら挫折した子供の帰郷を
受け入れ、とりあえず温かい食事と睡眠を与え「今度こそ頑張れ」と叱咤激励して再出発
させる受け入れ場所は家庭ではなかったのか?と複雑な気持ちになりました。
貧困支援の団体の方々には、「家庭責任」を言い立てるのはおかしい、家庭崩壊も
政治の責任と言われる方もおられますが、家庭が最小の社会だということは誰しも
心に留めるべきではないかと私は思います。

親の収入や地位によって子供の教育が決り、社会に出ての地位まで固定されることは
おかしいと思う。でも最低限安心して食べて眠れて、お風呂に入れる環境を子供の
ために親ならば整えてやることがそんなに特別なことでしょうか?
私は安部内閣が強調していた古き良き時代の家族制度などの右翼的な意見には反対です。
でも一昔前に比べてあまりにも安易な結婚や子供へのネグレクトなど子供にとっては過酷な
きつい言い方をすれば子供への最低の責任すら果たしていない親も多い気がします。
現にこんな田舎でも幼児を自分の親に預けて男と同棲している母、食べ物も与えられず
やせ細った孫を祖父母が引き取っている例もあるのです。

就業援助、公的資金での研修など行政も若い失業者への支援を足りないながらも
しています。でも最低でも二度と路頭に迷わない、一生を賭けられる仕事を持とうという
モチベーションを持って努力するのは本人でしかありません。
たとえ挫折しても這い上がってゆく子供にするためにも、これから親になる世代には親の
責任、家庭での励ましの大切さを真剣に考えてから親になっていただきたいと思う
私が古いのでしょうか?家族でなければ伝えられない思いや支えはあると思うのですが。

息子が保育園で習ってよく歌うのが1994年まで放映された「日本昔ばなし」のエンディング曲。

   いいないいな、にんげんっていいな
   おいしいおやつに、ほかほかごはん
   子供の帰りを待ってるだろな

   いいないいな、にんげんていいな
   みんなでなかよくポチャポチャおふろ
   あったかい布団でねむるんだろな    (作詞 山口あかり)

これを息子が保育園の帰りに車で無邪気に歌っているのを聞いて切なくなりました。
自分が産んだ子が自分の知らない場所で、派遣切りにあってお互いに
「寝袋買った?」と言っているなんて辛すぎる。この歌詞にあることを子供にしてやる
ことは学歴でも家柄でもない、親として当たり前じゃないかと。

ホームレスになった人を支えるには行政やボランティアも必要だけど、やっぱり家族の
愛情は何より必要だと思うんですが。古いのかな。私。  
牛の夫婦茶碗
先日、ナカシさんからアフタヌーンティーの夫婦茶碗をいただきました。
下記のHPには出ていないのですが、糸じきの部分が牛になっているとても凝っていて
それでいて可愛らしい茶碗で本当に感激しました。
こちらこそお世話になっているのに本当にありがとうございます。

アフタヌーンティー HP

アフタヌーンティーは大好きな雑貨屋&ティールームで独身の時ははよく通っていました。
群馬にはないのが本当に残念です。
この夫婦茶碗のラッピングもさすがにアフタヌーンティーで可愛いピンクの箱。
HPで見る品々も手頃な価格なのに手にとって見たくなる品々です。
食べ物の仕事をしているとやっぱりこういうセンスある店ををみて歩くことの
大切さを思います。さすがに通販や雑誌ではわかりません。
頂いた牛の夫婦茶碗は私にナカシさんの温かなお心とセンスを届けてくれました。

決して高価でなくとも頂いたものが何年経ってもその方との温かいご縁を思い出させて
くれるものがあります。新婚の頃にお祝いでプレゼントされたおし鳥の形の箸置き
息子がお腹にいた時に頂いた美しいトリュフチョコレートetc.....。
ナカシさんのこの夫婦茶碗もきっとナカシさんとのご縁を思い出させるものに
なってくれる宝物になりそうです。

ところでこの夫婦茶碗。あまりにも素敵で保管しておきたいです。
息子が遠い将来お嫁さんをもらったらあげたいなと。(笑)
そのためには素敵な女性に選ばれる男に育てなければですね。
その頃には私は鬼姑と言われているかもしれませんが。(爆)
農業への転職について一言
ハウジングプアという言葉までできた派遣切り → ホームレス化の問題。
転職先を探そうにもどこの企業も未曾有の不況で採用は無理。
そこで言われているのが、失業した派遣労働者などを農業に就かせたらよいという意見。
自給自足率のアップや土地の荒廃の防止、農業人口の流出の歯止めになって一石三鳥だと
楽天的な予想をブログなどで書かれている方も多々見受けられます。

↓は福岡県の農業法人への転職紹介の取り組みのニュース。さすがにいきなりの就農は
素人には無謀なので比較的大規模農家に多い「農業生産法人」への転職あっせんです。

農業への転職紹介

ホームレス状態よりマシかもしれませんが、縁もない田舎でさしたる志もないまま
農業をやろうとしても難しいと思います。大体、住むところはどうする?
もし住み込み可、としても職安などで指導する最低限の労働条件を提供することは
ほとんどの農家では不可能です。そして何より単純な農作物の袋づめ作業くらいなら
まだしもちゃんと生産活動(野菜を作ったり酪農をしたりの仕事)をしてそれを生活の糧と
なるお金に変えるまでには膨大な時間が必要です。もちろん技術も精神力も。
受け入れる農家の側もいつまで頑張れるかもわからない未経験者を雇うリスクを
考えてしまうでしょう。

酪農を例に取れば月一回のヘルパーの日でも完全に自由ではないし、お正月もGWも
ありません。365日休みなし。ただ目先のお金のためなら絶対に続かないと思います。
行政もホームレスを酪農にとは絶対に思わないで欲しいです。

以前は職業の分類がホワイトカラーとブルーカラーとされていて、次は正社員か非正社員
という分類がされるようになりました。でも自分が大手のOLを辞めて酪農とベーベ工房に
10年以上も取り組んでくると職業の分類は、自分の人生や夢を賭けられる仕事か
ただお金のためだけの仕事かしかないように思います。年収のことだけを勝間和代さんの
ように言い立てれば夫も私も間違いなくワーキングプアでしょう。
お客様に支えられてチーズを製造でき、牛を飼える仕事は夫にとって天職だと感じます。

もし、行政が本気で農業への転職を勧めるならば真剣にジョブ・トレーニングなどの制度も
導入すべきでしょう。当座のお金だけのために農業をやっても結局自分の本当の仕事には
なりません。一時的な労働力参入の後の農地の荒廃という事態を避けるためにも
農業に転職紹介をするなら「育てる」システムを整備してからにして欲しいと思っています。
そして農業に限らず、子供の頃から仕事はお金を稼ぐだけの手段ではなく、自分の人生を
託すものだということをしっかり教えてゆくことも。
若草物語
今日はクリスマスイブ。息子のためのプレゼントを用意しました。
パパからは自転車。ママからは新しい通園リュック。最近の子供は普段からモノに
囲まれているのでクリスマスでもスペシャル感がないのが逆にかわいそう。

この本をクリスマスプレゼントとして頂いた事もあり、クリスマスになると思い出すのが
「若草物語」。有名なマーチ家の4人姉妹の青春を描いた傑作です。
物語は4人姉妹が大叔母のマーチ夫人からクリスマスに1ドルづつプレゼントされるところから
はじまります。南北戦争下、中流だけど決して豊かではない家庭。
1ドルで姉妹がそれぞれ欲しかったものを買いにゆく場面はとても印象的です。
クリスマスのプレゼントはこんなに心ときめくものだったんですね。

若草物語

子供向け童話では父親が戦争から戻ってくる場面で終わりますが、物語はその後も続き
姉妹の青春を描きます。映画では作家志望の活発な次女ジョーが、ニューヨークに出て
家庭教師をしながら作家を目指す日々を柱に、メグとエイミーの恋や結婚、ベスの死を経て
ジョーがニューヨークの下宿で出会った貧しいけれど誠実で才能豊かなベア教授に求婚される
までの日々が描かれます。

ジョーの魅力を一言でいうとアンビシャスガール。向日的で闊達で。
戦場で病に倒れた父の元に行く母の旅費のために、自慢の髪を切ってお金に変えるような
オトコマエな気性。幼馴染のローリーの求婚を振り切ってニューヨークに作家になるために
旅立ったり現代の女性が一番感情移入できる存在がジョーです。



この場面はウィノナ・ライダーがジョーに扮した1994年版のラストシーンです。
妹のベスの死をきっかけに、それまで夢物語しか書けなかったジョーが初めてリアリティの
ある自分の作品を書くようになります。そして出版されたジョーの小説をマーチ家に
届けてくれたのは、かつてのジョーの作品を厳しく批判したベア教授でした。
久々に家族が顔を揃えて賑やかなマーチ家に気後れしたかのように本を託して
立ち去る教授。その彼をジョーは追いかけて呼び止めます。

ニューヨークの下宿でもずっと尊敬しそして想いを寄せてきた教授。
ようやく自分の言葉で小説を書いたジョーは久々にベア教授に再会します。
決してもう若くなく才能はあっても貧しい彼も実はジョーをずっと愛して見守ってきたのです。

   「You have me(僕は君のものだよ)」とジョーにプロポーズする教授。
   
そして「この手には何にも(財産が)ない」と言う教授に、ジョーは自分の手を重ね
「でも、私がいるわよ」と。何回見ても心が暖まるラストシーンです。 
同時代を舞台にした「風と共に去りぬ」のスカーレットとレッドほどドラマティックな
カップルではないけれど夢を共有できるカップルは素敵だなと嬉しくなる名場面です。

若草物語の冒頭、少女時代の四姉妹が一ドルで買ったものはメグが新しいマフラー
ジョーは小説、ベスは楽譜、エイミーは色鉛筆でした。
クリスマスになるといつもこの小説を思い出しています。
「ベーベ工房謹製」ハンコ
ナカシさんと組んだ3つめの作品の話。
今回(これを完成したら1年は作らないと思います)はヨーグルトのしおりです。
4枚のイラストで搾乳~ヨーグルトの完成までをカード型のしおりで表現したものです。

原材料や製造工程の偽装などが報道される中、私たちのヨーグルトができるまでの
プロセスを小さい子供が見てもわかるようにイラスト&簡潔な文章で表現しています。
紙はアイボリーでエンボス加工のもの、イラストの線はシルバーグレーのモノトーンを
予定しています。さらにずっと考えていたのが表紙の部分に一箇所小さな赤を
入れることでした。ただ二色刷りは予算がかなり高くなるのでそこがネックでした。
それでもインパクトのある小さな赤を一箇所どうしても使いたかった。

ふとひらめいたのが小さな「ベーベ工房謹製」のハンコを作ってしおりに押すことでした。
これなら単色刷りで印刷はOKです。来週早々にハンコを注文してきます。
これは例の「うのファイル」に挟んである多くのしおりやパンフレットを参考に考えました。
あとは印刷会社との打ち合わせをして決定です。

今回のしおりは来年1月下旬に行われる県が主催する商談会に間に合わせるべく
作ろうと思ったので、ナカシさんにもお忙しい中多大なお骨折りをいただきました。
大変にご迷惑をおかけしましたが、私的には今回の作品作りが一番楽しかったです。
イメージがどんどん涌いて、ナカシさんと電話で話すたびに新しいデザインのイメージ
ができあがっていったことはワクワクしてエキサイティングで本当に幸せな時間でした。
ナカシさん、素晴らしいイラストを本当にありがとうございました。

新年はヨーグルトとチーズの製造が休みなので、息子と遊びながらパンフレットの
デザインの最後の仕上げにかかろうと思います。
ハンコもデザインしようかな。「ベーベ工房謹製」(笑)。
貧困は自身の問題
先日ブログに書いた急速に進む日本の貧困の現実のこと。

第8回大佛次郎論壇賞

Aogyさまからいただいたコメントを読みながら改めてこの問題を考えました。
新聞やテレビでは毎日のように派遣切りのことが報道されています。
昨日テレビで見た新宿のホームレスの風景は、あの街を知っている者として声が出ないほど
厳しいものでした。地下街にはバブル期からホームレスがいましたが、テレビで見ただけでも
その数は倍以上。公園にはいたるところに青いビニールシートとダンボールハウス。
「社会の一部の問題」ともはや片付けることのできない現実です。

私が貧困問題を直視しようと自分なりに思ったきっかけは湯浅誠氏の著作でした。
彼の著作や連日の派遣切りの報道などで、酪農家として牛乳やベーベ工房の製品
を売る相手は、多くの若い人が仕事どころか住む家もない社会なのだと自分の問題
として考えなければいけないと追い詰められた現実を突きつけられたからです。
恥ずかしいことですが、物を売ることで社会に対峙しているからこそ自分の問題として
貧困を考えるようになったのです。

先日、酪農関係者と忘年会を兼ねて会食をする機会がありました。
何人かが「酪農家も苦しいけど住むところもない派遣を切られた人たちより幸せ」と
口にしていました。確かにそうですが酪農家も支払いができない農家が多く
乳価の値上げを前倒ししている現実をみるとこの手の発言にどうにも違和感を
感じたものでした。こんなにホームレスの増えた社会が果たして値上がりした牛乳を
受け入れてくれるか私はむしろ不安になります。

湯浅氏の言われる「貧困は自分の住む社会の問題として考えるべき」という意見に
まったく同感です。貧困層=購買力のない層の増大は結局社会経済が機能しなく
なることです。安い派遣労働者を大量雇用していた自動車産業も貧困者の増大が
まさか自分の首を絞めることになるとは予想外だったのではないでしょうか。

繰り返すようですが、私が貧困のことを自分のこととして考えるのはそれが自分たちの
生活に直結するからという理由です。不況だからと度の過ぎた安売りが続けば新たな
貧困を生み出す。それを絶対に防ぐためには自分が何をしたら良いのか、真剣に
向き合おうと思います。今までもBSE(狂牛病)、偽装問題、去年の未曾有の酪農危機と
向きあわなければならない現実はたくさんありました。でもまさか「貧困」という私たちの
世代ではありえないとされていた現実を意識して仕事をする日がくるとは思いませんでした。
貧困を直視することは辛いことです。でも目をそむけるともっと辛くなる。
だから勇気を持って貧困に目をむけてゆこうと思います。

戦後の高度成長期に育った私たちに比べ、戦争を経験した親の世代は強いです。
教育を受けられないことが貧困の再生の原因といわれる現在。
「貧乏が嫌なら勉強をしなさい」。繰り返して子供に言い聞かせ安心して学ばせてくれた
両親の有難さが今になって身にしみます。

追記
  いい子ぶってと笑われそうですが、私たちには一つの夢があります。
  息子が社会に出て多少ゆとりができたら、小さな個人の奨学金制度を作ること。
  能力とやる気がありながら経済状態で大学進学をあきらめる農家の子弟に
  教育資金を援助したい。主人も私も若い頃勉強させてもらったから現在があります。
  その感謝を息子の世代にお返しすることが大人の責任だと以前から夫と
  話しています。
  
  
Sunday and Brunch
人気料理研究家、堀井和子さんが1990年代にマガジンハウスから出版された
とても可愛らしい料理本のシリーズです。

   日曜日のおひるごはん
   つぎの日曜日のおひるごはん
   日曜日のやさいレシピ
                       の三冊。

日曜日のやさいレシピ

この本のレシピは1989年から当時の人気雑誌「オリーブ」で約10年連載されたものです。

堀井和子さんは1954年生まれ。上智大学出身の才媛で特にパンのレシピやテーブル
コーディネートには定評があり、エッセイやイラストなどたおやかでセンスあふれる本で
人気の高い方です。数年前に廃刊になった「オリーブ」のイメージにぴったりの方です。

この三冊の本のレシピは題名の通りいかにも休日にのんびりといただくブランチの
イメージです。洋風から和風まで、デザートやジャムなどいろいろ紹介されています。
決して本格派メニューではありませんが、無造作に作ったケーキなど彼女ならではの
やさしさがありページをめくるととても穏やかな気持ちになります。
こんなスタンスの料理本があっても悪くないと感じます。

Sunday and Brunchには酪農家で休みのない私はとても憧れがあります。
のんびりと寝坊して、10時くらいに起きてのんびりとおいしいサラダとお気に入りの
バゲットにジャムを塗って、暖かいお茶を飲んでおしゃべりしながら食べるブランチ。
ちょっと気だるくて、ちょっと自堕落な日曜日。

OLだった私は結婚して5年くらいは土曜日になると体がお休みモードになって
朝がとても辛い時期がありました。干支が一回りして子供もいる現在は朝も
強くなりました。その分優雅なブランチと縁遠くなりましたが。

ベーベ工房のヨーグルトやチーズをブランチに愛用していると伺うととても幸せです。
優雅なブランチは当分夢ですが、このシリーズをお茶を飲みながら読んでときどき
Sunday and Brunchを感じるひとときが大好きです。

PS
Dさま。おいしいお茶をありがとうございました。
  今日の読書のお供においしくいただきました。
「我々は職人です」という言葉
先日の報道番組で放映されていたスーパーの安売りの特集。
タイトルの言葉は豆腐をスーパーに卸す事を止めた老舗の豆腐店の社長の言葉です。
このブログでも度々書いているように、不況に入り露骨に加速するスーパーの安売り競争。
大手スーパーは「地域一番の安さ」を合言葉に、本来の原価がわからなくなるような
価格設定すら一部の食品にはしています。

特に利用頻度の高い卵、豆腐、牛乳は集客の目玉となるため安売りのターゲットとなります。
今回の番組では豆腐をピックアップして特集していました。
富山県のあるスーパーではまともな品質と価格の生鮮品を扱う一方で集客のために
38円の豆腐も毎日売り場に陳列。今夏には公正取引委員会から指導を受けたという
究極の廉価販売、20円の豆腐まで販売していました。地元の豆腐製造組合は対応に苦慮。
長い組合の歴史の中でもここまで卸し値(原価)を買い叩かれたことはかつてなかったそうです。
「消費者は値段だけでなく、品質で選んで欲しい」という組合長の言葉が悲しく聞えました。

こんな作り手としての誇りを踏みにじるような価格に毅然と経営方針を変えることで
「NO」と言ったのが冒頭の言葉の社長です。
ここは古くから手作りの豆腐や油揚げを製造している豆腐店。
社長はあまりにも安く売るスーパーに納品することは一切中止し、製造量は減っても
作り手の誇りを守ることができ、正当な利益を得られる百貨店や通販に販売の場を
シフトして幸い売り上げも好調のようです。昔ながらの製造工程の豆腐、一枚ずつ
丁寧に作られる大きな油揚げ。社長のプライドが製品から伝わる逸品です。
「我々は職人です。ものの正当な値段を知らなければなりません」全く同感です。

番組の中で経済評論家が語っていたことも秀逸でした。
「あまりにも安い食べ物を買うことにはある種の覚悟が必要だ」と。
行過ぎた安売りはデフレを招くだけではなく、原価を抑える事に窮した生産者がやむをえず
偽装をする可能性も十分にあるという指摘は正鵠を得ていると思います。
番組のタイトルは「安売りの果ては」というもので、やんわりと廉価販売を批判するスタンス
だったことはとても参考になりました。今日の朝日新聞でも触れられていましたが、安全な
食を手に入れるには消費者にも常識が必要だということ。
廉価販売に歯止めをかけるには食の安全とモラルが伝家の宝刀になるかのかもしれません。

追記

  関東では見かけることの少ない大きな油揚げ(京揚げ)は京都や京都の食文化の影響の強い
  地方で愛用されています。良質な植物油で揚げた少し厚みのある油揚げです。
  野菜と一緒に炊くとそれだけでメインディッシュになりますし、さっとあぶっておつまみにも
  向きます。冷凍保存ができるので私も取り寄せてストックしています。
  私は京揚げが大好きなのでギフト用にもオプションでお願いしています。

京揚げについて

これは京都の「とようけや」さんの京揚げ。ご参考までに。
スティング
1973年度のアカデミー賞の作品賞を受賞した「スティング」。
大学時代に何度も名画座で見たという夫のマイ・フェバリットな映画です。
私が全編を見たのは最近ですが、とにかくカッコイイ映画。知的でウィットに富んで。

  主演は  ゴンドーフ(ポール・ニューマン) 伝説の大物詐欺師
        フッカー(ロバート・レッドフォード) 若い詐欺師
        ロネガン(ロバート・ショウ) マフィアのボス

物語は複雑なのですが、一言でいうと、若い詐欺師フッカーが自分の師匠を殺したマフィアの
親玉、ロネガンに復讐をするために今は落ちぶれた暮らしをしている伝説の詐欺師ゴンドーフ
に協力を依頼。二人の間には友情が芽生えてゆき.........。ラストのあっと驚くトリックでの
どんでん返しが有名な物語です。
マフィアだの詐欺師だのいわば暗黒界が舞台ですが、主役3人の軽妙な演技とアカデミー
音楽賞に輝いたスコット・ジョプリン作曲の「ジ・エンターティナー」のコミカルなメロディー
がこの作品を優れたコメディにしています。

このテーマ曲で1917年に貧困のなか世を去った黒人のミュージシャンの草分けともいえる
スコット・ジョプリンと彼が作曲した多くのラグタイムがようやく正当な評価をうけるように
なったという点でも忘れがたい作品となっています。



今年9月26日に83才でこの世を去ったポール・ニューマンとこの時期が俳優として全盛だった
ロバート・レッドフォードが「明日に向かって撃て!」以来二回目の共演です。
この二人は私が小学生の時は既に大スターで、「とにかくカッコイイ」と周りの大人たちにも
彼らの大ファンが多い存在でした。自分が40代になって「スティング」を観て当時の大人の
気持ちがよくわかりました。本当に二人ともカッコイイ。その一言。

彼らの魅力は一言でいえばそのスタイルだと思います。容姿だけでない知性や勇気
などの人としての魅力が、スクリーンを通じて伝わるその稀有な存在感。
ポール・ニューマンもロバート・レッドフォードもリベラリストで時の大統領にも
抗議する勇気があり、環境問題や安全な食のこと、そしてポール・ニューマンは
マイノリティー民族の子供達への奨学金制度を作ったり、二人ともこの映画当時も
その後も俳優や監督業も頂点を極めながらも社会への問いかけや弱者への労わりを
自身のライフスタイルにするまで本気で取り組んだ大スターでした。

自分の生き方のスタイルというものは決して一朝一夕にできあがるものではないし
まして流行の洋服を着て外見を飾ることでは決してないと思います。
自分が好きなことをとことん楽しみながら努力して、成功すれば周りの人にもそれを
伝えて分かち合って、励ましてそんな生き方こそが本当にカッコいいスタイルを
作り上げてゆくのかな、とこの二人のスターの人生を見ていて感じます。
美男というだけなら綺羅星のごとくいるハリウッド。でも何人のスターが彼ら
以上の存在感で観客を魅了し続けているでしょうか。

私も40才を過ぎて生き方のスタイル、というものが何となくわかってきました。
夫の場合は、地道にまっすぐに努力し続ける才能がきっと彼のスタイルだろうし
私のスタイルは若いときから変わらない好奇心とおいしいもの好きが核になっているし。
スティングの粋な魅力がわかる今になって観ることができて幸せです。
昔、周りの大人の言っていた「カッコイイ」の意味がようやく氷解した気分です。
お薦め度でいうと星5個満点の映画です。お正月休みにでもいかがでしょうか?
乳価支払い前倒し
このブログでも繰り返し書いている来年3月からの乳価10円アップ。
先日組合から通知が来て、乳代の値上げが12月分から前倒しで行われることが
決まりました。年末は支払いが多く苦しい酪農家の経済事情に配慮したものです。
といっても12月からプラス10円ではありませんので少し説明を。


     12月  + 4円
      1月  +2円
      2月  +2円     となります。

トータルが10円でなく8円なのは理由があります。一般の方にはわかりにくいのですが
10円というのは飲用乳価で、その他に現在交渉中の学校給食向け&発酵乳等向けの
価格の比率換算すると8 : 2となるのでトータルが8円になります。

実際の数字を目にすると残念ですが思ったほど乳価は上がっていません。
それでも今夏までの異常な飼料やガソリン代の値上がりが止まって値下がり傾向なので
今年よりはましな状況になるとは思います。今年はとにかく異様な状況でした。
長期的な見通しが全く立たず、現状維持が精一杯でした。
来年は安定した経営ができる状況で穀物市場が推移して、次のステップに
行くための気持ちの余裕ができる酪農の情勢であることを願っています。
とはいっても恐慌レベルの不況が肌で感じられる現在、ハイリスクなことはできない状況ですが。

それにしても、乳価の値上げが決定したのが10月中旬。それからほどなくアメリカの
金融ショック。あの後だったらどうなったんだろう。乳価。
今年は酪農への緊急対策として税金を投入して、酪農家への支援策も手厚いものが
ありました。心からありがたく思っています。
牛を健康に飼い、安全でおいしい牛乳を生産することで責任を全うしたいと思っています。
ほめ言葉
先日、このブログで書いた ↓ の牛のラベルのチョコレート。

ピープルツリーミルクチョコレート

GAIAさんからまとめ買いをして、ブログのお友達(リアル友でもありますが)のナカシさんと
まこやんにお送りしました。二人とも大喜びして下さってお礼のメールやコメントをいただきました。
喜んでいただけて何よりです。「贈りものに福あり」がモットーですので。(笑)

まこやんがメールで「さすがにけいさん、おいしいものを知っていますね」とほめてくれました。
私のひそかな自慢は、ギフトやプレゼントに差し上げた食べ物が多くの方に手放しで

         「おいしいものを絶妙に見つける」
         「頂いたものにハズレがない」
         「好きなものを覚えていてくれて嬉しい」

とほめていただけること。(笑)ほめられるとまるで自分が作ったものをほめられているような
気持ちになって本当に幸せです。
私が差し上げたものを気に入って下さり、ご自分でもお取り寄せをして食卓の定番に
されているとうかがったこともあります。光栄だ........。

私もおいしいものを頂くと本当に嬉しいし、その方との心の距離がぐっと近くなるような
温かい気持ちになります。
おいしいものを見つけるコツは特にありませんが、自分がおいしいと思ったものでかつ
スペシャル感があって、ご家族の構成を考えて、最後にあまり嗜好的すぎるものは
選ばないということでしょうか。そしてちょっとした会話からその方の好きなもの、苦手なもの
を記憶しておくことでしょうか。私はジャスミンティーが大好きですが(夫は苦手)これは
好みがあるのでギフトには使いません。

ナカシさんは牛のラベルが可愛いのでしばらく飾っておくそうです。
まこやんは奥様とすぐ食べたそうです。
お子さんの分ももう一枚送った方が良かったかも。ごめんね。まこやん。

ふと思ったのですが、履歴書などにある特技の欄。
もし「おいしいものをみつけること」と書いたら人事はどんな顔をするでしょうか?
第8回大佛次郎論壇賞
先日、第8回大佛次郎論壇賞の受賞作が発表されました。
受賞作は、湯浅誠氏(39)の「すべり台社会からの脱出」(岩波新書)。
湯浅氏は東京大学法学部~大学院在学中からホームレス支援などにかかわり
現在はNPO法人自立生活サポートセンター「もやい」の事務局長を務めておられます。

湯浅氏は現在の日本を一度足を滑らせると、どん底まで落ちてゆくすべり台社会だと定義。
貧困の背景には
           ① 教育課程
           ② 雇用保険や社会保険などの企業福祉
           ③ 家族福祉  
           ④ 生活保護などの公的福祉
           ⑤ ①~④で排除され自分の存在意義がわからなくなる
ことを挙げています。

私は受賞作をこれから読む予定ですが、湯浅氏の「貧困は何とかしてあげるではなく、
自分達の社会をどうするか」の問題だと指摘する考えに衝撃を受けました。
地道な活動を続けてこられた彼の著作が受賞し、ずっと以前から実は深刻化していたのに
国全体が直視してこなかった日本の貧困問題に、私も含めて勇気を持って現状を認識し
自分のこととして何かをやろうとする人間が増えてゆくきっかけになればよいと思います。

自分の国の貧困の現実を直視することはとても勇気がいることです。
私の周りでも本来なら生活保護を受けるべき人が受けられない現実、老夫婦の世帯で
払いたくても健康保険税を払えない世帯、常時数人の従業員を雇用する会社なのに
資金がないといって社会保険を出さない会社という例がたくさんあることは知っていました。
湯浅氏のインタビューからそういういわば「社会にはよくあること」の積み重ねこそが
深刻な貧困の原因だと改めて認識させられました。

アメリカの金融破たんは日本の派遣やパートなどの非正規従業員を直撃。
さらに正社員の生活も脅かすのも時間の問題になっています。
私も生産者として消費不況にこんなに脅える日が来るとは思いませんでした。
恥ずかしながら私もこの国の貧困の現実を今回初めて直視した人間です。
まさか派遣切りが若いホームレスの大量発生を招くとは予想だにしませんでした。

最近の日本は一時のヒルズ族の異常な金銭感覚など、格差とか自己責任などの名の
もとに露骨な所得格差を当然視する品のない国になったと思います。
(大人気の経済評論家の勝間和代氏の理論にもそのようないやらしさを感じています。)

大佛賞の選考委員のお一人が湯浅氏を評して「本来なら官僚や金融などに就職したであろう
エリートの彼が20代から最も困難な社会的課題に一直線に取り組んできた」と述べていて
私も全く同感です。私立の御三家武蔵高校~東大法学部~大学院というエリートの彼。
いくらでも恵まれた暮らしを手に入れられたであろう湯浅氏が、貧困問題を直視して提言も
してこられた。そのことにまだ日本も捨てたものではないと私も感じた一人です。

夫の遠縁が昔、知的障害のある女性を家事手伝いとして何十年も手元においていました。
その老夫婦はその女性のために年金を積み立てていました。
老夫婦の死後、身内に引き取られた彼女は高齢ながらも元気に幸せに暮らしています。
「年金を積んでいただいたことを今さらながら感謝します」と身内の方が仰っていました。
市井の人間の人としての品性が貧困を防ぐ。こんな事例もあるのです。
遠縁の老夫婦の人としてのあり方に頭が下がる思いです。

スーパーにも夢が欲しい
スーパーですぐに使う生鮮品が半額になっていれば買いますが、多分自分はやらないと
思うのが↓コレ。他店のチラシの方が安くなっていれば値引きしますのサービス。
スーパーの担当も広告を横目に、朝晩プライスカードを書き換えて大変です。

西友「他社より高ければ値引き」

同じ商品が100円違えば口頭で伝えるかもしれませんが、多分10円以下の誤差レベルなら
言わないと思います。誤差レベルの金額のために広告にチェックを入れてスーパーで交渉する
姿を息子に見られたくない、というささやかなプライドのせいかもしれません。

確かに不況の中、安いことはありがたいけれど価格破壊を
招くような安売り合戦は長期的にみれば結局経済が萎縮します。
ましてこれ以上の値崩れになれば間違いなく日本の農と食は崩壊します。

安売りをできる体力=企業のステイタスという感もありますが、本当に健全な利益が
上がっているのか疑問です。さらに安売りを煽っているのがマスコミの過剰な報道。
これ以上の安売りが続けば、イソップ童話の自分の限界も考えずに無謀に
力を誇示したあげくお腹が破裂して死んだカエルのような企業が出ると懸念しています。
目先の安売りより、長期的な視点で健全な小売のありかたを考える時期にきていると
思うのですが。このままではスーパーのありかたがどんどんおかしくなるような気がして.。

先日、お取引先でもある県内の高級スーパーに行きました。
ワイン売り場を見たら、約3万円でセカンドラベルですがシャトー・マルゴーとロスチャイルド家
の保有するシャトー・ラフィット・ロートシルトのワインがありました。
さすがに手が出ませんでしたが、久々に目にしたマルゴーに目の保養をさせてもらいました。
スーパーは夢を与える場所でもあると改めて感じて嬉しくなりました。

やっぱりエブリデー・ロープライスだけじゃ寂しいですよ。スーパーマーケット。
不況だからこそ、ささやかな日々に幸せを感じさせる青い鳥がお店のどこかに
一羽いてもいいんじゃない?なんてことを思っています。
商談会
来年のことを話すと鬼が笑うと言いますが、来年のことを少し。
1月に県が主催する商談会が前橋で開催されます。
ベーベ工房も初めて出展予定で少しずつ準備を進めています。

この商談会は県が主催するもので、群馬県内で生産した農産物やその加工品の生産者や
組合が個々のブース内で、来場された小売業者、ホテル、旅館、飲食業者etcの
いわば食のプロに対して製品のPRや試食をする機会を設け、取引の拡大と地産地消を
図るというイベントです。そのような意図なので招待されるのは食のプロのみ。
(商談のみで販売はできません)

酪農が休めないこともあり、私たちは今までこのように比較的規模の大きな商談会や
百貨店の催事などに参加したことはありません。今回の参加を決定した理由はニつあります。
一つは、県内のホテルや旅館やレストランに無理のない量を食材として扱っていただくチャンスが
あれば、とこの数年考えていたこともあり、多くの関係者とお会いできる機会はとても
貴重だといういわば実利上のメリットです。

もう一つは、担当部署のトップの意気に感じてという極めてメンタルな理由です。
ひとつひとつの言葉や方策から県内の農家の収入が確実にアップし、再生産可能な農業で
あるために行政として少しでもできることはしてゆきたいという強い意志と生産現場の目線に
立った温かいお気持ちを感じることができ、私も今回の商談会を少しでも実りあるものに
するために参加してベストを尽くそうと思ったのです。私は普段は具体的に数字の裏づけが
あって初めて動くタイプなのですがたまには意気に感じて、で動くのも悪くない。

農業も自分のブランドも、自分の努力と才覚でやっていくべきものだと思っています。
その上で、行政からの的確な助言や新たなアプローチを考える上での指針になる
具体的な施策は非常に心強いもので、心から感謝しています。
行政担当者の真摯な思いに応えるためにも悔いのない準備と、当日の緻密な応対を
やりとげるつもりです。その準備の一つがヨーグルトの新しいしおりの完成です。

商談会の当日は結果が出せるようベストを尽くしたいと思います。
マイヤ・プリセツカヤ 「瀕死の白鳥」
ボリショイ劇場の不世出のバレリーナ、マイヤ・プリセツカヤ。(1925年生れ)
ロシアバレエの代名詞的な存在だった彼女は20世紀最高のバレリーナの一人です。
彼女は70才過ぎるまで現役のバレリーナとして舞台に立ち、衰えぬ創作意欲と
圧倒的な存在感で観客を魅了し続けた空前絶後な芸術家です。

プリセツカヤの代名詞ともいえるのがこの「瀕死の白鳥」。伝説のバレリーナ、アンナ・パヴロワ
のためにフォーキンが振付けた小品です。サン・サーンスの曲に乗せて死にゆく白鳥の
最後の羽ばたきを描いたこの作品はプリセツカヤの代表作の一つです。
パヴロワが死への静かなあきらめを表現したのに対し、プリセツカヤは生への渇望を躍ったと
対比的に語られています。



彼女はユダヤ系の芸術家一家に誕生しました。スターリンに父を殺されボリショイに
入団してからもユダヤ系ということでいわれなき差別も受けました。
それでも天性の表現力と美しい肢体は「プリセツカヤの後にプリセツカヤなし」と讃えられ
群舞の経験をすることなく、入団直後から大スターでした。「白鳥の湖」「ドン・キホーテ」
などの古典バレエの表現は今も彼女の踊りが一種のスタンダードとなっています。

何より特筆すべきは鉄のカーテン時代のソ連にあって、西側の振付家の作品を
文字通り命をかけて躍り、創作しそれらの作品に不滅の生命を与えたことでしょう。
「カルメン組曲」は夫君でもあるシチェドリンがビゼーの原曲を編曲し、白鳥と並んで
プリセツカヤを象徴する作品となり、現在も多くのバレリーナが躍り続けています。
フランスの振付家ローラン・プチが彼女に捧げた「バラの死」も忘れがたい作品です。

カルメン組曲

バラの死

プリセツカヤの全盛時代はソ連の全盛時代に重なります。パステルナークやソルジェニツィン
など多くの作家や芸術家が国外追放や軟禁など大きな苦難にあった時代です。
プリセツカヤもそんな時代に、表現することを闘いながら実現してゆきました。
権力に媚びず、へつらわず、自身の芸術のために闘い続けたバレリーナ。
彼女の1990年代に出版された自叙伝の題名は「闘う白鳥」です。
一見、か弱い白鳥の魂の底にあるしなやかな強さ。それこそがプリセツカヤのバレエです。
クリスマス会
13日は息子の保育園のクリスマス会。
去年までは舞台で泣いていた息子も4才となり10月の運動会に続いて、すべての演目を
心から楽しみながら実に上手に演じてくれました。
実はこの半年、病気で休むことがなかった息子が11日、12日と連続で風邪でお休み。
一時は本番に出ることを諦めかけましたが、本人は「どうしても出たい」と。
彼の強い意志のおかげか当日には熱も収まり出演することができました。

4才の年少クラスはピアニーの演奏、ブレーメンの音楽隊の劇、クリスマスの聖劇の3つに
出演。ピアニーでは「ドイツ舞曲」を12人が見事に演奏。
息子が演奏する姿を初めて見て、その成長に驚きました。
ブレーメンの音楽隊ではにわとりの役。家でも何回も練習していたセリフやダンスもしっかりと。
ここまで指導してくださった保育士の先生方に心から感謝しています。

4才ともなれば自分の意志でちゃんと家でも練習し、どうしても観客の前で本番の
舞台に立ちたいという大人顔負けの強い気持ちには驚きました。
ピアニー演奏なんて遠い先のことと思っていたのにどの子も本当に上手で感嘆。
年長の「エグモント序曲」などはちゃんとベートーヴェンになっていて客席からは
ブラヴォーの掛け声も。子供の成長にはひたすら驚かされます。
息子だけでなくクラスのお友達や、登園時によく一緒になるママのお子さんもみんな
しっかりと成長し、その姿を見ることができたことも大きな喜びでした。

運動会の時と違って私も夫も客席からリラックスして楽しむことができました。
楽しい師走の一日を送ることができとても幸せです。
親ばか記事で失礼しました。
牛乳値上げ
来年3月の乳価の値上げ。小売価格も同時に10円値上げ。
まこやんのブログで知りました。

牛乳値上げ

明治乳業のHPを見て驚いたのですが、現行で「おいしい牛乳」1000mlの希望小売価格は
260円ということ。地元のスーパーでは228円くらいで売られています。その差30円以上。
小売業界の圧力としても、希望小売価格と実売価格の差が大きすぎ。
卸値はどのくらいなんだろう。

乳業メーカーと小売業者の力関係は圧倒的に後者が強いといわれます。
きちんと生産コストや酪農の将来のことを考えて小売業者に対し安易な廉価販売は
慎むべきと毅然と言える人間が乳業メーカーにも出て欲しい。
生産者組合も販売の努力をしてきましたが,悲しいかな、非力です。

この記事を読むと来年の値上げに伴い牛乳の希望小売価格は設けず事実状の
オープン価格となるようです。どうなるんだろう。牛乳。
独禁法でメーカーが小売価格を拘束してはならない、となっているけれどことに
食に関してはオープン価格が安売りを助長させていると考えてしまうのは
私が生産者だからでしょうか。

不況になると小売も安売り競争が激化して食が崩壊してゆく。
さすがに牛乳が下記のスーパーに並ぶことはないと思いますが。

賞味期限切れスーパー

ここでは賞味期限が1~2年経った缶詰やジュースはあたりまえだそう。
「賞味期限が過ぎたものである」と言って売る分にはJAS法違反にはならないので
保健所も頭を抱え、メーカーもブランドイメージにさわると苦りきっているようです。
消費者も安いから、と割り切っているようです。
万一、食べて体調不良を起しても自己責任とのことのようです。

どうして、生活必需品とはいえ食に関しては法外な安売りをする店こそが力があるとあたかも
ヒーロー扱いなんだろう?今までどんなに不況でも賞味期限切れスーパーがある意味で
正義の味方的な報道をされるなんてありえないことだったのに。
相次ぐ賞味期限の改ざんなどの不祥事の報道に、マスコミの感覚も麻痺してしまったのか?
この有様では自給率向上なんて遠い夢だなと切なくなります。
無知はやっぱり恥ずかしい
きっこのブログのように毒々しいことを書くつもりは全くないのだけど、下記のような
ニュースを見るとやっぱり思うのが

 「無知は罪」 ということ。

テレビ東京 不適切発言で謝罪

ヒトラーのやったことは主義主張ではなく絶対に悪いこと。
ホロコーストは釈明の余地のない歴史の汚点だと思います。
それすらわからない、知ろうともしないというのは人として恥ずかしいこと。
絶対にそう思います。

最近は漢字が読めないことが芸になっているほどの芸能界だけれど、私はおばさんと
言われても度の過ぎた無知はやっぱり恥ずかしいと思う。まだ20代なら辛うじて可愛い
ですませても40代、50代になれば間違いなくタダのバカと言われます。

かくいう私も大学1年の頃はタダの無知な女子学生でした。サークルの先輩は何人も
後に弁護士になった優秀な人ばかりであのサークルではほとんどスザンヌ状態。
サークルの同級生でも間違いなく本を一番読んでいなかったのも私。
今でも忘れられないのが1年生の時、先輩たちが試験の話をしていた時に、何気なく
「判例って何ですか?」と私が言ったら回りが固まったこと。そんな私に専門書の読み方や
コンパでのおしゃべりの時にさりげなく読書指南までしてくれた先輩たち。
本を読み、人と交わり、たくさんの音楽や芝居やバレエに親しんだ20~30代。
あの時に無知がどれほどみっともないことか体験しなければ、40代の今、どうだったんだろう?

専門知識を極めろとは誰も思わないけれど、それでも大人には最低限の知識を求めるのが
社会の厳しさとも思います。じゃあその最低限の教養って何よ?と言われれば答えに
詰まるのですが。学生の頃そのバカっぷりで失笑を買った私でも強烈な印象があるのが
会社の技術系の後輩のこと。旧帝国大学の理科系でマスターを取得した彼と何気に
話していて谷崎潤一郎の名前が出たときのこと。

後輩 「あの、谷崎って何をする人でしたっけ?」
私  「へ?有名な作家だけど冗談だよね?」
後輩 「受験勉強で文学史まで手が回らなかったんで知らないです」
私  「............................................」

もちろん彼が特殊なのだと思っても、なまじ大学が優秀なだけに未だに忘れられない一言。
谷崎を読んでいなくても全然何とも思わないけど、作家だということは知ってて欲しかった。
あの時「谷崎はスケベな題材だから嫌い」と言われたら彼に惚れたかもしれないのに。(笑)
エリートほど最低限の教養のハードルも高くなると思うし、それがなければエリートではない。
老婆心だけど、子供をエリートにすべく小さい頃から塾にやっているお母さんには
エリートとは専門バカではないということは肝に銘じて欲しいです。

それにしても、テレビ東京での件の発言。口に出したのはアイドルとしてもチェックするのは
ある程度の大人だろうと。そのことが怖いし恥ずかしいと心底思います。
私など18才で無知による恥をかいてよかったのかもしれません。
無知を恥じない40女が食の仕事をやっていたらと思うと.........。
やっぱり「無知は罪」と言われることをしでかしていたように思います。
牛のラベルのチョコレート
お取引先のGAIA(ガイア)さんではさまざまなフェアトレードのチョコレートを扱っています。
毎年、12月の夫の誕生日とバレンタインデーにはGAIAさんでチョコレートを買って
プレゼントしているのですが今年のイチ押しは↓コレ!

ピープルツリーのミルクチョコレート

ぽわーんと可愛らしい牛のラベル。フェアトレードのチョコレートはどこのメーカーも高品質な
材料を使っているのでハズレがなく本当においしいです。
フェアトレードという言葉をその製品を通じて聞くことも増えましたが、改めて定義を書くと

「発展途上国から継続的、安定的に正当な対価を支払って製造された製品を輸入し
 販売すること」  となります。

日本で扱われている製品は、コーヒー・紅茶・スパイス・工芸品、そしてチョコレートなど。
日本の大手菓子メーカーの100円のチョコレートを見慣れているとフェアトレードのものは
高価に感じますが、吟味した安全な材料を使い現地での正当な利益を考えるとこの
価格がむしろ当たり前だと思います。それに何より実においしいチョコレートばかり。

フェアトレードの製品を企画・輸入する会社はいくつかありGAIAさんなどオーガニックショップ
の他、その品質の良さも注目されて最近は一部の高級スーパーでも扱っています。
この牛のイラストのパッケージのようにセンスの良いデザインの製品もたくさんあります。
このチョコレートを輸入しているフェアトレード・カンパニーの広報ディレクターは
高校のクラスメイトだった胤森(たねもり)なお子さん。
現在ではファアトレードや環境問題の第一人者として活躍されています。

来年は丑年。バレンタインのプレゼントもこれで決まり?
あ、その前に夫の誕生日だ。
ナカシさんとご対面
ベーベ工房のパンフレット等にセンスあふれるイラストを描いて下さるナカシさん。
ブログを通じて出会ってから2年。お忙しいところ東京から群馬においで下さって
念願の初対面をさせていただきました。

お取り寄せないグルメ

イラストとお電話での声の通りのイメージのやさしくたおやかな方で、朝から少々緊張気味の
私もすぐに心からリラックスしてお話をすることができました。
フードスタイリストでもいらっしゃる彼女は食への愛情も好奇心も素晴らしく、本当に
素晴らしい方に出会えた幸運に改めて感謝しました。

実際にお会いして次に予定しているヨーグルトのパンフレットのイメージをお話しましたが
穏やかで聡明な彼女の前では自分でも驚くほど、紙や色彩のイメージがわきました。
このパンフレットが完成すれば彼女とのお仕事は3作品目となります。
息子にまでクリスマスプレゼントをいただいたお心遣いには感激でした。
保育園から戻った彼は初対面にもかかわらず、すぐになついてお話も全開。(^^)
遠いところを本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

次のパンフレットはほぼイラストは完成していただいていますので、これから文章を
書きデザインの原案をまとめ、印刷会社と打ち合わせて仕上げたいと思います。
ナカシさんのイラストを引き立てるものを作れればいいのですが。

初お披露目は来年早々に県の主催で行われる商談会で、と考えています。

ジャージー牛の悩み
題名を見てご心配いただいた方もおられるかもしれませんがご心配なく。
我が家のジャージー牛4頭は元気にしています。
8月に生まれたジャージー子牛の「ちろり」も元気にすくすく育っています。

悩み、というのは今のところ2003年生まれのキャサリン(ちろりの曾祖母)からちろりまで
血が続いているのですが、何故か初子では元気なメスを生んでくれるのですが第2子
以降はオスばかりということ。母子共に元気なことを感謝すべきなのですが、ジャージーの
オスの子牛は肥育農家に譲ってもほぼタダ。ため息......。

ジャージーを特に増やしたいという強い気持ちはないのですが、できればあと2~3頭は
欲しいです。ジャージーは小柄なのでホルスタインほど乳量は出ませんが高脂肪で
チーズに適した牛乳を出してくれるのです。ジャージーの牛乳は特に脂肪分が低くなる
夏場のチーズには欠かせません。牛はお産が近くなると「乾乳(かんにゅう)」といって
搾乳をお休みしますがそれを考えると常時4頭分のジャージー牛乳が欲しいところです。

チーズを作るのにはブラウンスイスという種類の牛の牛乳が向いているともいわれます。
実際にこの牛を飼ってチーズを作られている方もおられますし、群馬県内でもブラウンスイス
の飼養をされている方もおられます。一時は導入を検討しましたが専門家の何人もが
口をそろえて「何故かオスが生まれる確率が高く、繁殖管理が難しい」と言われるので
現状では断念した経緯があります。ジャージーで十分という皆様のアドバイスを
受け入れることにしました。

ジャージーのメスが欲しい理由はもう一つ。バンビのようにきゃしゃなジャージー子牛は
理屈でなく可愛い!息子は毎朝保育園に行く前に、ひとしきりちろりと遊んでいます。
ちろりも大分大きくなり、小さなツノが見えてきました。

ウッディ・アレン 「マンハッタン」
ウッディ・アレン監督・脚本・主演した1979年公開の恋愛コメディの傑作。
ガーシュウィンの名曲にのせた白黒画面からウッデ・アレンのニューヨークの街への愛と
彼独特のブラックユーモアが伝わる大人のための小粋な作品です。

配役が豪華です。

        ウッディ・アレン(アイザック バツ2の42才の売れない小説家)
        メリル・ストリープ(ジル アイザックの前妻。同性愛が原因で離婚)
        ダイアン・キートン(メアリー アイザックの友人の不倫相手)
        マリエル・ヘミングウェイ(トレーシー 17才の学生。アイザックと同棲中)

物語はこの三人の女性の間を右往左往するいささか身勝手な中年男のコメディ。
バツ2の売れない作家アイザックは17才のトレーシーに熱を上げられるも、親友の不倫
相手でいかにもスノッブな大人の女メアリーにぞっこんに。
大人の男のずるさでトレーシーを体よく追い払うために6ヶ月間のロンドン留学を薦める
アイザック。これでメアリーと相思相愛、と思いきや「やっぱり前の彼が忘れられない」
とあっさり振られるアイザック。やっと自分が本当に愛していたのはトレーシーだと気づいて
ロンドン留学に出発直前の彼女の元に駆けつけるラストシーンがこの場面です。



 アイザック 「6ヶ月も行ってしまうのかい?」

 トレーシー 「たった6ヶ月よ。変わらない人もいるわよ。もっと人を信じなきゃ。」

17才に諭されて悲しいような嬉しいような何ともいえない表情を浮かべるアイザック。
そして映画はジ・エンド。
決して美人じゃないけれど毅然として知的で、瑞々しいマリエル・ヘミングウェイの素敵なこと。
アイザックの失ったものの大きさが伝わります。あっぱれ、トレーシー。

「マンハッタン」は何故かとてもノスタルジーを掻き立てられる作品です。
白黒の画面とラプソディ・イン・ブルーのメロディーの効果も相まって。
こういう普通の人間の普通の恋や寂寥感を描くとウッディ・アレンは秀逸です。
「愛の流刑地」のような現実離れした恋愛ではなく、普段着の恋愛。
たとえると、空気のような存在で、その存在の意味すら考えていなかった会社の先輩や
上司が転勤などでいなくなり、その人が目の前から消えてしまって初めてその存在の
大切さに気づいてとてつもなく寂しい気持ちになったり、というどこかなつかしい気持ち。
そんな気持ちをたとえ恋ではなくても感じたことがある人は多いんじゃないかな。

私が高校生の時に公開されたこの作品。(初めて観たのは大学生の時)
いつの間にか月日は流れて今ではこの中年男のアイザックや当時のウッディ・アレンの
年を超えました。40才は当時はとてつもなく大人に見えたけれど現実は不惑の名に遠く
まだまだ大人とは程遠い日々。当時はただの身勝手なオヤジに見えたアイザックが
たまらなく愛すべき男に見えてきます...........。
バランス感覚
ベーベ工房がお取引させていただいているお店の特徴を一言でいうと

   「バランス感覚がある」ということでしょうか。

食の安全性や、生産者の顔の見える農産物を理性を持って取り扱う一方で、決して大手の
多くの人に認知されているナショナルブランドといわれる製品を、やみくもに排除したり
することなくさまざまな価値観の消費者に愛される品揃えをしておられる高級スーパー
が多いです。

べーべ工房のお取引先にはスーパーの範疇ではない小規模なオーガニックショップも
いくつかありますがこれらのお店も絶対に肉や乳製品を食べない扱わないという頑なさの
ないバランス感覚の優れたスタッフが多く本当に感謝しています。
安全な飼い方をして添加物のない無理のない作り方なら乳製品や肉も扱うというとても
自然体で柔軟な価値観の元にお店を運営しておられます

こだわった品揃えのスーパーといえど健康食品専門店ではないので、ごく普通の製品を
求める消費者のニーズにも応えなければなりません。
バイヤーに伺ったところ、このような高級スーパーでの商品比率は

 一般的な製品 : こだわり製品が 6~7 : 3~4とのことでした。

ナショナルブランドに混じってバイヤーが独自にセレクトした商品があるなかで消費者が
「あれ、こんな製品もある。買ってみようかな?」という軽い気持ちで買って下さりそれを
きっかけにこだわりブランドが定着するのが一番だと仰っていたバイヤーもおられました。
一部の食通のお客様だけでなく、ごく一般的な消費者に無理なく支持されていくことが
こだわり製品を育ててゆく秘訣だというご意見は生産者としての私にとても大切な
ものとなっています。

ところでナショナルブランドといって浮かぶのがバーモンドカレー、ビスコ、えびせんの
三品です。これらの尖ったところのない味は子供にも高齢者にも無理なく支持される
ようです。知らぬもののないロングセラーですが、どこでも手に入るのでついその価値を
見落としてしまいがちになりますが、30年以上愛されるロングセラーにはナショナブランド
といえど見習うべき大切なものがたくさんあると改めてこれらを見直しています。

おせち料理
不況にも負ケズ、高価格にも負ケズ高級料亭のおせち料理の予約は好調です。
質素な住人の多い群馬でも、百貨店では20万円とか10万円以上のおせちは完売御礼。
おせち料理に35万の投資........。(ため息)
私は未だにおせち料理のセットを買ったことがありません。
フルコースで買っても全部食べられないから、という極めて小市民的な理由で。(笑)

家族の喜ぶおせちは自分で作ります。黒豆、なます、お煮しめ、お雑煮くらいですが。
特に黒豆は夫がおやつ代わりに食べるし、双方の親におすそ分けするので一升くらい
煮ます。毎年決まった乾物屋さんで黒豆を取り寄せています。
丹波のものはあまりにも高価なので、もう少し小粒ですが味は丹波レベルの北海道産のもの。
一升でも二千円前後とリーズナブルです。

黒豆を煮るときに使うのがル・クルーゼの一番大きなサイズの鍋2つ。
クルーゼは今さら私が言うこともないほどのスグレモノ。これがなければ絶対に作れません。
土井勝先生のレシピで、予め砂糖としょうゆと少量の重曹を入れて沸騰させた鍋に
乾燥したままの黒豆を入れて煮る事トータルで4~5時間。途中で水を差して柔らかくなれば
完成です。豆に空気が触れなければOKなので出かけたりする時は火を止めて気負わず
のんびりと作っています。それでもレシピの確かさ、黒豆自体のおいしさ、クルーゼの力で
それなりのものができあがります。

お雑煮は焼いたブリと三つ葉を添えて。
蒲鉾と伊達巻は長年ずっと愛用している小田原の籠清(かごせい)のものを。
気が向けば群馬の誇る「もち豚」で自家製チャーシューも作りますが、これもオーヴンに
おまかせメニューです。というわけで毎年の我が家のおせち予算は高くて一万円以内。

フランス料理 アルザスHP

もし、セットもののおせちを買うとしたら前橋の小さなフランス料理屋の洋風おせちかな。
ここは作り置きを売るのでなく大晦日にこちらが重箱を持って行き、手作りのできたてを
詰めていただきます。ここは前橋でも人気の家族経営のフランス料理屋さんです。
くるみ割り人形
12月の風物詩のひとつがバレエ「くるみ割り人形」。
少女クララのクリスマスイブの淡い夢が、お菓子の国を描いたチャイコフスキーの
色彩豊かな音楽で描かれた名作です。

いくつかの版があるなかで最も感動したのが、1977年にバリシニコフが振付と主演をした
この作品。共演は当時私生活でも恋人だったゲルシー・カークランド。
この作品は1978年に(珍しく)民放で昼時間にテレビ放映されました。
旧ソ連から亡命したバリシニコフは映画「愛と喝采の日々」にも主演した
バレエ界のスーパースターです。

男性ダンサーを素敵だと思うことは多々ありますが、私が文字通り憧れてボーっと
したのは後にも先にもこのバリシニコフのこの場面だけ。
ねずみの王様から自分を救ってくれたクララに、醜い顔をしたくるみ割り人形は美しい
王子に姿を変えて、お菓子の国に案内をしてくれることになる場面です。

この場面の音楽はバレエ音楽の中でも最も美しいものの一つで胸が痛くなるほど。
バリシニコフ版では思春期の入り口に立った少女の淡い憧れとときめきを
リリカルに表現した忘れられない名場面です。



この作品では比類ないパートナーシップを見せるミーシャ(バリシニコフの愛称)とゲルシー
でしたが破局。名うてのプレイボーイだったミーシャへの嫉妬と芸術家としてのありかた
にも苦しんだゲルシーは苦しみを紛らわすために薬物に手を出し薬物中毒に。
80年代には赤裸々な自叙伝も出版しています。アメリカ人ダンサーらしい美質に溢れた
彼女は若くしてダンサーを引退しました。(現在は後進の指導にもあたっています)

彼女は繊細すぎるほどの感受性を持ったバレリーナでした。
だからこそダンサー同士のパートナーシップと私生活上のそれが別のものと
割り切れなくて苦しんだのでしょう。技術だけでは表現できない何かを持った稀有な
バレリーナの感性の代償はあまりにも大きすぎるものでした。

くるみ割り人形のこの場面をみるたびに、少女時代に少し年長の男性に淡い憧れや
ときめきを感じたちょっぴり切なくて甘い気持ちや、二度と戻れない贅沢な時間に
記憶の彼方の自分を見出す女性も多いと思います。
自分が大人になったせいか、大人へのステップを踏み出す年頃の少女には淡い憧れという
気持ちを片思いでも大切にして欲しいと願わずにはいられません。
憧れる想いはたとえ大人になっても豊かな何かを心に残してくれるから。
ユニクロ
一つ前のエントリーの続きのノリで。
下記のニュースにあるように衣料品業界で一人勝ち状態のユニクロ。
9月下旬に急に寒くなった時に、秋冬物をタイミング良く陳列していたという運もあるにせよ
確かに5年前に比べてユニクロの服は各段に良くなったとユーザーの一人として実感。

ユニクロ過去最高売り上げ

5年前にフリースのジャケットを買ったときはカラーこそ斬新だったものの
肩はひっかかるような着心地で肩がこるし、保温性も期待ほどではなくて
2回着ただけで愛猫の敷布団に用途変更。(爆)
メンズものも夫が言うには「安いだけがとりえ」という着心地だったらしい。
(夫は若い頃からけっこうファッションにうるさくて良いものを大切に着ます。ラルフローレンとか
 カルバンクラインが好き)

私はユニクロの回し者ではありませんが、2年くらい前からユニクロの着心地は
各段に良くなったと思います。洗っても形崩れしなくなり、袖の窮屈さもなくなり
(肩こり症の私はここを重視)ストールなども1000円で外出用に使えるお洒落なものも増えて。
息子用の子供服もかなりコストパフォーマンスが高いものが多いです。
特に冬のコートはファスナーでなくボタンなので子供用には重宝です。

ユニクロの驚異的な売り上げ増の理由はやっぱり品質の向上だと思います。
価格に対して品質がそれ以上なのでお買い得感がすごくある。
不況になると特に問われるのがコストパフォーマンスだそうです。
ユニクロは安い服から安くてお洒落な服のイメージ転換に成功したと思います。

品質と価格のバランスが取れていれば、数万円のバッグでもそんなものだと納得して
しまうのですが、どう見てもそのバランスがあこぎな、と思うのが某有名ブランドの
サマーバッグ。大きくロゴの入った透明なビニールのそれはどこをつついても
保育園に持たせる子供のプールバッグ。それが3~4万円。
どこのブランドかは申しませんが、本店はパリのカンボン通りにございます。(笑)
正念場
予想以上の深刻な不況。年末で契約打ち切りの若い派遣労働者が仕事だけではなく
住む家もなくし、ホームレスが大量に増加するというニュースには気が滅入りました。

小売業界も苦戦。昨日は大手スーパーのちょっと行き過ぎの感すらある
食品の安売りの現場を報道していました。ヤマダ電機でお馴染みの
「他社さんより高ければ広告をお持ちいただいたら差額は返します」というシステムを
西友が取り入れて、安売りというより値崩れを生み出すような食への扱い。
ジャスコは「地域で安さが一番」をスローガンに。プライドを棄てての安売り競争。
ベーベ工房がお世話になっている比較的高級なスーパーも大変です。
こだわりの高価格品は、買い控えにあい一般的な商品は大手の安売りにかなわず
高級スーパーも真の実力や見識の差、体力差が目に見える形ではっきりしてきています。

ベーベ工房も正念場です。
良い製品を作っても消費の順調な成長が望めない現在、三手どころか五手先のことを読んで
営業やお取引先への働きかけをしなければなりません。11年やってきてあのBSE騒動の
時の数倍もの重圧を感じています。春先からほぼ決まっている新規のお取引先もありますが
既存店のお客様やお店自体への配慮も欠かせません。
例えば、ヨーグルトのビンのリニューアルを契機に私の出産もあり、お休みしていた
空きビン10円キャッシュバック  → まとまったところで着払いで受け取ってリサイクル使用
も来年から再開する旨を担当者に伝えました。10円でも実質値下げすることで
お客様とお店の双方に喜んでいただきたいという思いを担当者も喜んで下さいました。

大手スーパーが一円単位でお互いに安売りのプレッシャーをかけあうという状況の中
安全でおいしい製品をそれに見合った価格で買って頂くには、こちらも一円単位で
心に届くサービスをすることが必須条件です。そしてより品質も高級感が持てるように
製造道具の変更も計画中です。
農や食を次代に繋げるためにはここで絶対に維持しなければ。
ここをきちんと乗り切れたら自分へのご褒美をしてあげよう。(笑)
プロフィール

けい

Author:けい
①群馬県でホルスタイン50頭、ジャージー牛5頭を飼養する家族経営の酪農家マダムです。

②1998年からベーベ工房というブランドでヨーグルトとモッツァレラチーズ及びリコッタチーズをハンドメイドで製造しています。安全でおいしい製品を誠実に作ることを信条としています。

③土作り、飼料作り~製品作りまで一貫して製造しています。

ベーベ工房も13周年を迎える事ができました。牛のこと、チーズのことなど日々のささやかな出来事を綴っていきたいと思っています。

ブログのスタンスですが、酪農とチーズのこと以外の、管理人の
趣味のことも書いてあります。なお記事の無断転載やコピーなどは
ご遠慮くださいますようお願い致します。

製品に関するお問い合わせは以下のアドレスにお願いします。

ベーベ工房のアドレス

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