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1日に2頭のご出産
7日の金曜日は牛舎が忙しかった一日となりました。
我が家のように成牛30頭の規模ではあまりないのですが、1日に2頭が出産でした。
一頭はジャージー牛でちろりの祖母。10日ほど早い分娩だったので「メスか?」と
期待した(統計的にメスだと予定日より早い出産が多い)のですが、残念ながらオス。
肉牛として育てる他の牧場に移りました。(ジャージーのオスはほぼタダ同然です。

夕方、通常の飼料を与え搾乳という忙しいさなかに、急に産気づいたのは初産の若い牛。
とりあえず逆子ではないかを確認してOKそうだったので、飼料を早めに与えてから介添え。
お陰さまで母子共に元気でF1(和牛との間の子)を出産。

  F1牛の説明はこちら

オスの上に血統の良い和牛の子なのである程度の価格になります。
本当にありがとう。(と牛に)どちらも母子共に健康で何よりでした。
牛乳は牛がお産をしないと出ないので、分娩が上手くいかないと経済基盤に大きく影響
するのです。まずは無事にお産を終えること。これが何よりです。(人間も同じですね)

4才の息子は子牛がオスだといつも少し悲しそうにがっかりします。
「ママ、いつお肉になっちゃうの?あっちの牧場にお肉にしないでって電話してよ」と。
命の重さを彼なりにわかっているのでしょうが、ちょっと切ない。
子供のことで「ママ、ち○○ん取っちゃってよ。女の子になったうちで飼えるよ」と
言って下さるのには、頼むよと思いますが。(下品な表現でごめんなさい)

ところで近日公開の映画「ブタがいた教室」(妻夫木聡主演)では18年前に大阪で
実際にブタを授業で飼育した先生と小学生の日々が描かれています。
卒業前に2年間育てたブタを肉にするかどうかを巡って、子供達が真剣に悩み、泣き
考えて最後に先生と決断をする、という実話が描かれて評判になっています。
子供にとっては理性では「いずれは人間が食べる」という運命を分かっていても
感情では納得できない。これは息子を見ても切ないくらい分かります。
「この間言ったじゃない」とはやっぱり言えません。一頭一頭が子供にとっては違うから。
この映画を紹介するTVを見て、畜産農家の子供はこういう思いを日々感じながら
育つのかな、と思いました。メスのホルスタインが生まれると嬉しくて保育園でも
担任に報告しているという息子。メスが生まれるとその意味でもほっとします。
ヘンデル「調子の良い鍛冶屋」変奏曲
バッハと並ぶバロック時代を代表する作曲家のヘンデル(1685~1759年)の最も親しまれて
いる曲のひとつです。どことなく可憐な主題を一度は耳にされた方も多いと思います。
出版は1720年。正式名は「ハープシコード組曲第五番ホ長調」のなかの「エアと5つの変奏曲」。
変奏曲はまず主題が提示され、それを形を変えた変奏で演奏して終結部にいたる楽曲です。
第一変奏、第二変奏と進むにつれ複雑な技巧と華麗な音形に姿を変えてゆきます。
「調子の良い鍛冶屋」という題名は出版人によってつけられた愛称で、ヘンデルの生前から
人気の高い曲でした。(イギリスの童謡集マザーグースにも通じる雰囲気を感じます)



この曲はテクニック的には中級程度とされていますが、、「これぞバロック!」
と口に出したくなる魅力に溢れ歴代の大ピアニストも好んで演奏することの多い曲です。
子供の頃からこのメロディーを耳にし、弾きたいと憧れた懐かしい想いを揺さぶられる
ピアニストも多いのではないでしょうか。

変奏曲は今でいう「ライヴ演奏」に近いものだったように思います。有名な旋律を人気の
作曲家兼演奏家が、聴衆の前で弾き、お互いの興の乗るままに盛り上がっていた光景が
浮かびます。モーツァルトの「きらきら星変奏曲」なども有名な変奏曲として知られています。

ヘンデルはドイツ生まれでハノーファー選帝侯に仕える作曲家でした。
ハノーファー侯が1714年、アン女王の死去に伴いイギリス国王に即位。(ジョージ一世)
ヘンデルもそれに伴いイギリスに移住し帰化します。息子のジョージ二世にも仕え
1742年に初演されたのが「メサイア」。1743年にロンドンで国王の前で演奏された時
「ハレルヤコーラス」でジョージ二世は感動のあまり起立したと伝えられ、以後現代まで
「ハレルヤコーラス」の部分では聴衆は起立して聴く慣わしになっています。

ところで、映画「アマデウス」の中でモーツァルトがヘンデルは嫌いだ、という場面があります。
モーツァルトはトランペット嫌いで知られていたことに由来している場面です。
ハレルヤコーラスの中間部でトランペットの有名なソロの一節があります。
あの華麗で晴れやかなトランペットの音色はこの「調子の良い鍛冶屋」と共に
私にとってヘンデルを象徴する音楽となっています。

PS 2日更新休むといって、もう書いてしまった狼少年な私。(爆)
   やっぱり書くことが好きなのでしょうね。暖かい励ましに感謝しております。
   こういうゆるゆるな奴ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
ちょっとしたお知らせ

  ブログを読んでいただいてありがとうございます。
  少しばかり、家の事情及び私のプチ体調不良がありまして
  2日ばかり更新をお休みさせていただきます。
 

  今までが書きたい欲求に従ってのハイペースなのでこれが普通ですね。(^^)
  週末までには体調を整えます。
  閉鎖とか書けなくなったとかそういう深刻な事情ではありませんので、ご心配なく。
(誰も心配してない、とか言われたら寂しいですが)



                            けい 
蹴る牛
人間と同じで牛にも性格や個性があって一頭一頭千差万別です。
おとなしい牛、うるさい牛、甘ったれな牛。
一番困りものは、搾乳の時蹴る牛です。
搾乳中に暴れて蹴り、搾乳機を押さえていないと落とされるので必死です。
さらに機嫌が悪いとさらに足元にしゃがんで搾乳機を押さえている人を蹴って青あざが
できたりと、本当に手がかかります。

蹴る牛、というのはどうも血統もあるような気がします。祖母も母も蹴り癖が凄いけど
乳量も出るし、体形も良いので飼い続けている系統もいます。
同じように子牛のときから可愛がっているのにどうしてなんだよ。オイ。(と牛に)
初産の牛はだいたいどの牛も搾乳されることが初めてなので、暴れます。
ここでむやみに叱ると本当に人間不信をもってしまい本格的に蹴る牛になるので
何日かは二人がかりで一人が尻尾のつけねを撫でてやり、気持ちをリラックスさせて
やりながら搾乳の感覚に慣れさせるようにしています。それでも蹴られたり尻尾でしたたかに
ぶたれたりはしょっちゅうですが。(悲)

蹴る牛については胴締めといって足が高く上がらないようにする用具をつけることも
あります。胴締めを見るだけで蹴るというクセの悪い牛もいます。
月に一回酪農ヘルパーが来て下さいますが、必ず胴締めの必要な蹴り癖のある牛に
ついては指示書に書いておきます。怪我をさせてはいけないからです。

蹴るのが一番怖いけれど、尻尾でバチーン!も相当です。
私は眼鏡を(近視は普通ですが乱視があるので眼鏡愛用)尻尾で3度壊されました
牛が相手じゃ補償もしてもらえず......。
「お牛さま」のご機嫌を損ねずおいしい牛乳を出していただくのもなかなか大変な仕事です。

競走馬の場合蹴り癖のある馬は「近づくと危険」という意味の赤いリボンを尻尾につけています。
牛の場合は、それがないので突然バチーンと尻尾で叩かれます。
一度など私は手首から上がムチで打たれたように真っ赤に。
変な趣味の危ない人に思われそうな傷跡が数日残って困りました。(爆)
「楽しい」と「おいしい」
マガジンハウス社から8月に出版された石垣島ラー油の辺銀愛理さんのエッセイ
「ペンギン夫婦が作った石垣島ラー油のはなし」を読みました。一気読みです。
石垣島ラー油のことは↓に書いた以前のエントリーをお読みいただければ幸いです。

石垣島ラー油の話

電話で何度もご夫妻とはお話していますが、本当に明るくそしてやさしい方々です。
今では愛称「石ラー」で通り、「石ラーをゲットするための方法」なるブログまである
「6ヶ月待ちの幻のラー油」として有名な石垣島ラー油ですが、愛理さんのエッセイを
読むと8年前に初めて電話で話した時の愛理さんのままで本当に嬉しかったです。
2000年に初めて注文した時は、たまたま石垣島から注文くださったお客様に辺銀
食堂のことを教えていただいて注文できたほどマイナーな存在だったのです。

愛理さんの本には「楽しい」「おいしい」「ラー油が大好き」という言葉が何度も出できます。
そして機械化して大量生産しないかという話も来ているけど、すべてお断りしてこれからも
今までのように石垣島の素材を使って手作りのラー油を作りたいとありました。
ご主人の暁峰氏は腱鞘炎と腰痛が大変なようですが、それでも今まで通りにと。

 「売れそうだから作ってみよう」ではなくて、あくまでも「おいしそうだから作ってみよう」
 「楽しそうだからやってみよう」なんです。
                     (エッセイより)

ベーベ工房も主人のチーズ好きが昂じて作りました。それだけに愛理さんのこの
言葉は心に響いて、改めて食のモラルや安全について考えるきっかけを与えてくれます。
願わくばこれから自分のブランドやお店を持ちたいと思っている方々にも、愛理さんの
言われる「楽しい」「おいしい」をいつも心の片隅において欲しいなと思います。

年に最低1回は石垣島ラー油を注文させていただいています。もちろん家でおいしく大切に
いただいていますが、ごく親しい方にプレゼントするとそれは大切に召し上がって下さる
ようで、辺銀ご夫妻の「おいしい」「楽しい」の気持ちを分かち合えてこちらまで幸せになります。

南の島の小さなラー油がこんなにも幸福を与えてくれるなんて奇跡のようです。
それは本当に凄いこと。それはただおいしさだけではない辺銀ご夫妻の魅力があれば
こそだと思います。私達もそんな素敵な製品を作ってみたいと憧れています。
土井家の「一生もん」2品献立
2004年の講談社発行の料理本。
著者は土井善晴さん。家庭料理の第一人者でいらした故・土井勝先生のご子息です。

最近息子のためにも自分たち夫婦の健康のためにも真面目に料理をしている私。(笑)
この本はキッチンに常備している一冊です。
この本の特徴は昔から伝わる家庭料理の定番メニューを、豊富なプロセス写真とワンランク上の
味に仕上げるための解説が、わかりやすく論理的に書かれていることです。
メニューはから揚げ、豚肉の生姜焼き、ハンバーグ、ポテトサラダ、ぶりの照り焼きなど
おなじみの家庭の味。

私は子供時代からの料理好き。主婦になって11年経過してそれなりの「我が家の味」
もできあがりつつあるのですが、この本は何回も作った定番メニューを別の角度から見たり
グレードアップするためにもとても大切な一冊です。
おなじみのメニューが丁寧に玉ねぎを炒めたり、ちょっと煮詰め加減を変えただけで
本当においしくマンネリにならずに作れます。家庭料理は家族の喜ぶ定番メニューがいくつ
あるかで決まるのかな?

最近は下火になりましたが4~5年前はカフェ・ブーム。ワンプレートランチが楽しめる
おしゃれなお店が全国各地にオープンしました。
カフェブームの頃は、専門的な料理の訓練を積んでいないスタイリストなどの肩書きの方が
料理研究家として次々に本を出しました。見るのは楽しい本ですが子供が生まれ
離乳食が始まるとその使えなさに手に取ることがなくなりました。
全ての料理の味が混ざり合うワンプレートランチや個性的なナンプラーなどの調味料を
多用した料理はどうにも子供向けではありませんでした。
子供が食事をするようになり、おいしい味噌汁やスープを作る技術の大切さを感じ
もう一度基礎から考えながら作るようになりました。その時に出会ったのがこの善晴先生の
本でした。さすがに土井勝先生のご子息です。基礎がしっかりしているからハズレがない。
ベテラン主婦にも新米主婦にもおすすめしたい一冊です。

料理はセンス、とも言われます。自分が作って食べるなら我流でかまいませんが、本まで
出して「教える」なら、やはり基礎から学び、料理のプロとしてやってこられた先生のものが
信頼できるし、こちらの腕もアップします。
私は凝った料理はプロお任せしてお店に食べにゆきたいです。
家庭で家族に作る料理は安全な材料の定番メニューが20個くらいあって、旬の野菜を
うまく取り入れることができれば、とりあえずは十分という気がします。
あとは私の持続する意志ですね。必要条件は。(笑)

食の記事を書くに当たって
先日のスローフードに関する記事に対して、ブログの友人であり自然農法で野菜を生産されて
いる方から貴重なご意見とお心寄せをいただき心から感謝しています。
ひとつの事柄を、育てるものが違っても生産者の目から見て考えた心からの思いを感じさせて
いただいたことは、本当に勉強になりました。

スローフードについて考えたこと

文章を書くことが好きで、それをどこかで誰かと分かち合いたいと思って書いている日記ですが、
さすがに趣味のことを書くときと本業である酪農や食のことを書くときは、いくらマイナーな
個人のブログとはいえ心構えが違っている自分がいます。
ある程度資料にも当たって書いているつもりですが、途中で表現に詰まったり、言葉や表現が
足りないともどかしく思ったり、果ては自分が頭の悪い人間だと思ったり。(笑)

スローフードの記事に心を寄せてくださった生産者のブログの友人が秀逸な言葉をご自身の
ブログで書いておられました。

  (スローフードなどの運動は)消費者目線で行われている
          消費者=農業から最も遠い人     と。

生産者がどんなに安全でおいしいものを作っても消費者に理解され、愛されなければ
仕事として成り立たない。生産者と消費者の愛情と知性に裏付けられた確かな関係が
農業を未来を開き、食糧自給率のアップにも繋がるのだと彼の文章を読んで考えました。

そこでこのブログを読んで下さる方にお願いがあります。
真剣にある程度のデータをもとに書いていますが、食や酪農の記事で

 「こういう消費者の視点があるよ」「こういう解釈もアリじゃない?」と思われたら
是非、管理人しか読めない非公開コメントで構いませんので、貴重なご意見をいただければ
嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします。

このスローフードのエントリーを書いた後、スローフード運動には2000年から心引かれ考えて
きただけにあのレベルの知識や解釈で書いてよかったのか悩みました。
でも素晴らしいコメントやメールでのご意見をいただき、自分の農や食に対する考えを深めて
ゆくきっかけを頂き拙いエントリーでも書いて良かったのだと思うことができました。
どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。

追記
 ごく最近、おいしい幸せを分かち合った思い出があるからこそ、その方を初めて
 心から理解できて尊敬できたという幸せな経験をすることができました。
 おいしい製品を作り続けられるように頑張りたいと思います。
    

   
ウオッカ天皇賞制覇!
11月2日に行われた競馬の天皇賞・秋。写真判定13分という大接戦を制し、去年の
ダービー馬の牝馬のウオッカが優勝しました。これでG14勝目です。
数え切れないほどのG1を勝っている武豊ジョッキーが万歳三唱までして喜びを爆発させている
姿が印象に的でした。私は夕食のポトフーを作りながらキッチンで観戦しました。(^^)

ウオッカについて

春に久々にG1の安田記念を勝ったときの喜びのエントリーが↑です。
ここで書いているように、これだけ外国産馬や外国産の父を持つ馬が強さを誇る時代に
明治時代から日本が大切に守り育ててきた母系を持つウオッカが、それも牝馬がGIの中でも
特に権威のあるダービーや天皇賞を勝利する姿にどれだけの小規模な馬産農家が
励まされるかと思います。

「けいさん、競馬が好きなんですか?」と思われるかもしれませんね。応えはYESです。
ただし馬券は、一切買いません。
純粋に好きな馬をTV応援するファンです。

私が好きな馬にはどうもひとつの傾向があるようです。それは

 ① 社台ファームなどの大規模な名門牧場ではなく比較的小さな牧場で生産された馬
 ② 父馬が「内国産」と言われる日本で生まれ走った馬
 ③ ウオッカのように母系の血統が代々日本で守られてきた馬

 ということ。以前も書いたようにサラブレッドの生産も農林省管轄の農業です。
酪農家の私は自前の血統を大切にしながら強い馬を作るポリシーを支持したいです。

それにしても.....。男馬相手に天皇賞まで勝ったウオッカの素晴らしいこと。
ウオッカが母になる日(つまり引退)はいつになるのだろう。
これだけの馬は100年に一度のレベルです。
どうぞ無事に現役生活を全うして、母馬になってくれますように、と心から願っています。 

ウオッカに騎乗した武豊ジョッキーも本当に嬉しそうでした。
あんなに勝ってうれしそうな彼を見たことはありませんでした。
将来ウオッカを語るときはユタカさんの笑顔がワンセットになりそうです。
ホップ・ステップ・ジャンプ
最近、若い酪農家が新たにチーズ工房を立ち上げたり、チーズに限らず農産物を自分の手で
直接販売まで手がけることにチャレンジする方が増えてきてとても頼もしく感じます。
老婆心ですが、ベーベ工房の営業を手がけて11年目に入った私が思うことを少し。

どんなに良い製品でも最初からその良さは認知されるものではありません。
製品の評価はお客様が決めることだからです。
私達は稀有の僥倖に恵まれて、初期から良いお取引先に恵まれましたが,
それでも2年目からの出来事でした。

  この経緯はコチラ 感動を源泉にして

最近はネットショップも普及して、マニュアルがあれば自分でも買い物かご機能付きの
HPやブログで簡単に販売ができるようになりました。
(但し個人情報の保護機能などをつけると専門家に頼む必要があるかも)
ベーベ工房はネットショップは思慮の末しておりませんが、経験がないままネットショップを
することはリスクも高く、時にトラブルもあるということは念頭に置かれた方がよいと思います。
電話での注文と違い、顔はおろか声もわからないというリスクは考えたほうが精神的な
負担が軽くなります。代金引換でも故意に受け取らないという常習者もいてその場合
せっかくの品物が返品されたあげく送料も生産者が負担することになります。

農産物の直売所がない地域もあるかと思いますが、ある地域であれば最初の1年は
地元の直売所や近所のスーパーなどから始めることをお薦めします。
やはり地元の人は応援して下さいますし、お客様の反応や売れ行きもわかり製品をより良い
ものにしてゆくための反省点も見えてくるからです。

地元で最低でも1~2年は「お客様に愛される製品」という実績を作ってから、県外などで扱って
いただきたいお店があればチャレンジして欲しいと思います。
ある程度実績を積めば、バイヤー同士のつながりで商品名を覚えてもらうことも可能で
その後の営業がスムースに行きます。

繰り返しますが稀有な出会いに恵まれたベーベ工房の製品も、あちらからお声をかけていただき
有名百貨店にお取り扱いしていただくようになったのは8年目。一応の信頼という手ごたえを営業
で感じるようになったのは5年目以降です。
その間、未払いの個人客に苦労したり運賃を安くするための運送会社との交渉など
二度はできないであろう努力もしてきました。

ホップ・ステップ・ジャンプという言葉がありますが、まさにその通りで親からの代からの
ものではなく特に自分で立ち上げたブランドであれば最初は地道に地元で実績を作って
いただきたいと思います。
「ローマは一日にしてならず」の格言どおり、消費者の信頼を長い期間にわたっていただける
製品を作って販売することは非常に持続する意志が必要です。とても地味な仕事です。
マスコミに運良く取り上げられて「ブレイク」してもそれはほんの一時のものでしかありません。
くじけそうになることも多々ありますが、私自身もこれからも努力をしたいと思います。
えらそうなことを書いて申し訳ありませんでした。

根性のないことでは自他共に認める私がこうやって努力できることに驚いています。
おいしい食べ物の魔力を今さらながら感じています。

スローフードについて考えたこと
日本でスローフードという言葉が注目されたのは、2000年。
私にとっては雑誌「エスクァイア」でイタリアの農業の素晴らしい記事とフードライターの
藤田さんの日本の食の危機を論ずる秀逸な記事が掲載され、それらに感動したことが
スローフードとの出会いでした。「エスクァイア」のスローフードの記事は当時の私の心の
支えともなって一時はスローフード協会の会員だったほどでした。
ところが、今でも「エスクァイア」は時々手に取って読み返すほどなのに現在は会も脱退し
批判とまではいかないまでもスローフード運動に少し懐疑的になっています。

スローフード協会は味や食文化の画一化に危機感を感じた有志によって1986年に
イタリアで設立されたNPOです。現在では日本など50カ国以上に8万人ほどの会員がいると
いわれます。会の趣旨は大きく3つあります。

 ① 消えつつある郷土料理や質の高い食品を守る
 ② 質の高い素材を提供する小さな生産者を守る
 ③ 子供を含めた生活者全体への味の教育

これらの趣旨を見る限りとても正論で会の趣旨に素直に肯首できます。
それなのに、最近は私の周りでスローフード運動にも造詣の深い方々が異口同音に
「一部のお金がある人のグルメサロン化している」「生産現場を理解していない」
といった懐疑的な声を口にされます。そして私自身も。
私も実は時々自分の中のスローフード運動への懐疑感の理由が掴めず、もどかしい思いでした。
その「もどかしさ」の理由が、ブログの大切な友人が書かれていた文章を読むことでようやく理解
できたような気がしました。(その方の考え方と私の考えはもしかしたら異なっているかもしれませんが)特にスローフード運動の大事な柱でありながら、生産者として私が疑問と違和感を感じて
しまうのが「味の箱舟」プロジェクト。以下のサイトを参照して下されば幸いです。
      
味の箱舟HP

「味の箱舟」は一般の消費者からすると違和感はないかもしでません。
でもどうにも私が疑問なのは、上記のサイトの最後に出てくる「商業的ロゴはつけない」
「認定されてもスローフードのマークはつけない」という付帯条件です。
確かに絶滅の危機のある食材や食文化を守ることには意義があると思います。
でも、それを生産者が商業ベースに乗せることをどこか拒むような雰囲気を「味の箱舟」運動に
感じてしまうのは私が生産者だからでしょうか。逆にフランスの権威あるAOC認定物は農産物の
品質を高く評価して生産者の利益を増やすための制度です。私は「味の箱舟」よりずっとAOC
制度の方が無理なく心に納まります。

私は農も食もそれが正当な対価と評価で市場に流通し、生産者が夢を持って再生産することが
できなければその国の農も食も崩壊すると思います。それができなければ食を応援する
プロジェクトの意義はなくなるとさえ考えています。
また、すべて昔の製法のものが美味でも健康に良いとも限らないと思っています。
小さな生産者が伝統的な製法の食を商業ベースに乗せることは、決して食文化の堕落でも
ないしモラルが低下することでもないと考えています。爆発的ヒットではなくても、消費者に
信頼されおいしいと感じていただけるものを提供するのが生産者の務めでしょう。

私は食糧危機が現実化して一概に遺伝子組み換え(GM)作物を悪者扱いにできなく
なっていて、不況もあり農村の荒廃化が進む健在、スローフード運動ももう少し
「農業は生業として成り立たないと続かない」という現実を直視していただきたいと思います。
せっかくの素晴らしい志で設立された団体が「お金持ちのグルメ会」と(一部かもしれませんが)
揶揄されていることに真摯に耳を傾けていただきたいと願っています。
クリスマスのシール
ベーベ工房のチーズのパッケージに貼るシールは12月に入るとクリスマスまで普段の
シールと違ったクリスマスバージョンのものに変わります。去年はデザイナーさんが
ベーベのイラストにサンタの帽子を被せてくれたイラストで、可愛いとご好評をいただきました。

今年は少し悩みが。来週中には発注をしますが、今年からラベルのシールを大きくして
イラストのシールに製造者名も原材料も全て記入するようにしました。
なのであまり嫌味にならない程度に、いつものベージュが基調の牛の絵をクリスマスだけ
微妙な色調の赤色ベースにして、横に小さくひいらぎのシールでも張ろうかと思案中です。
お客様にも売り場担当者にも、心地よく受け止めていただけるクリスマスバージョンの
シールにできるようあと3日考えてみたいと思っています。

チーズは味や食感が全てで、外見のパッケージがそれを超える存在だとは思っていません。
でもどこかでおいしさ、安全と共に「楽しさ」というものを私なりにささやかにでも
お客様にお伝えしたい。そのような気持ちでパッケージやしおりについて心を向けています。
デザインを変えるときは、印刷会社から見本が出来上がった段階で、お取引先の
社長やバイヤーにデザインを見ていただき、ご意見を伺いながら最終決定をしています。
自己満足でパッケージに入れ込むことは時に商品の陳列棚の雰囲気を乱すからです。

私のパッケージ好きの原点は小学生の時にピアノ教師にいただいた外国製のチョコ。
今では珍しくありませんが24ピースに分かれたチョコレートが「白雪姫」の物語に
なっているものでした。しばらく食べずに枕元に置いて寝たほど大切な存在でした。
クリスマスのチーズ用のシールを考える季節になると、毎年あのチョコレートの幸せな
思い出がが記憶の彼方から蘇ってきます。
プロフィール

けい

Author:けい
①群馬県でホルスタイン50頭、ジャージー牛5頭を飼養する家族経営の酪農家マダムです。

②1998年からベーベ工房というブランドでヨーグルトとモッツァレラチーズ及びリコッタチーズをハンドメイドで製造しています。安全でおいしい製品を誠実に作ることを信条としています。

③土作り、飼料作り~製品作りまで一貫して製造しています。

ベーベ工房も13周年を迎える事ができました。牛のこと、チーズのことなど日々のささやかな出来事を綴っていきたいと思っています。

ブログのスタンスですが、酪農とチーズのこと以外の、管理人の
趣味のことも書いてあります。なお記事の無断転載やコピーなどは
ご遠慮くださいますようお願い致します。

製品に関するお問い合わせは以下のアドレスにお願いします。

ベーベ工房のアドレス

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