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ウエストサイドストーリー
ミュージカルの最高傑作のひとつ。舞台版でも1961年の映画版でも。
ダンス&音楽両方のレベルの高さに関しては随一だと思います。。
音楽は指揮者としても有名なレナード・バーンスタイン。振付はNYシティバレエ団で多くの
バレエの名作を振付けたジェローム・ロビンス。

映画版はひたすらダンスと歌、そしてベルナルド役のジョージ・チャキリスが素敵!
彼はウエストサイドストーリーとブーベの恋人くらいしか代表作がないなどと言われますが、
アカデミー賞も受賞したベルナルド役で永遠に記憶に残ったのだから俳優としてまたダンサー
として本望でしょう。

初めてこの映画を見たティーンエイジャーの時は、原案の「ロミオとジュリエット」よろしく
マリアとトニーの悲恋に胸をときめかせたものですが、大人になりバレエを本格的に観る
ようになるとやはりダンスと歌のシーンに感動しています。ジョージ・チャキリスと
リタ・モレノ(彼女もこの作品でアカデミー賞受賞)のダンスは圧巻!
特に私が好きなのが、体育館でのダンスパーティの場面や、屋上で歌い踊る「アメリカ」。

この作品は舞台でも映画化にあたってもオーディションが難航を極めたそうです。
落ちた人数もハンパじゃなかったらしい。
それもそのはずで、ダンスは、振付がロビンスだけあってクラシックバレエを踊れない
ダンサーには手に負えないほどレベルが高いです。
体育館のダンスシーンでは群舞も多く登場しますが、群舞のフォーメーションを見ると
「白鳥の湖」や「ジゼル」などの古典バレエを彷彿とさせる動きが群舞にまで要求されて
いるのがわかります。まして、演じて歌いながらあの動きをごく普通の服装でするのは
ダンサーにとって至難の技だと観ていてもわかります。NYに世界的なバレエ学校、
スクール・オブ・アメリカンバレエがあるからこそできた作品でしょう。

そしてバーンスタインの音楽も今やクラシックになっているほどです。
特に印象的なのが決闘を控えた夕方、ジェット団とシャーク団、アニタ、トニー、マリアが
それぞれの思いを歌い、最後に5人の思いをぶつけるような五重唱になる「クインテット」。
画面転換の鮮やかさもあり、50年代にこんな斬新な曲を書いたバーンスタインの才能に
驚嘆します。

ウエストサイドストーリーは悲劇で物語が終わるので、「サウンド・オブ・ミュージック」ほど
子供受けはしないと思います。
ただ間違いなくいえるのは、クラシックバレエのダンサーが「白鳥の湖」を一度でも踊りたい
ようにミュージカルの舞台に立つ者なら一度は挑戦したいのが、ウエストサイドストーリー
だと思います。今やミュージカルの古典中の古典といえる名作です。
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企業秘密
企業秘密という言葉を定義すると

 「製造工程や原材料に関する事柄で門外不出の事項」ということです。
有名な企業秘密としてコカコーラの成分などがあります。

食の安全が問われるようになり、企業秘密という言葉は以前の神秘的なイメージから
隠蔽体質という負のイメージで取られるようになっている傾向があるように思います。
食の安全という観点からすればやはり消費者が納得するだけの十分な情報は開示すべき
でしょう。

最近は穀物の価格高騰&品不足で食用油の材料の仕入れ先を企業秘密として、極秘
事項にする会社も増えたといいます。
食糧危機が食の安全や情報開示を横に追いやっていくのかと思うと非常に暗澹とした
気持ちになります。

ベーベ工房のヨーグルトとチーズに関しては、基本的にすべての材料と製造工程は
お取引先に対して公開しています。内容を以下に挙げますと

  ① 材料となる牛乳の成分など
  ② ヨーグルトで使用する砂糖
  ③ チーズやヨーグルトで使う乳酸菌の種類など。
  ④ 工房内の写真。おおまかな製造プロセスのフローチャート

これらのデータは「商品仕様書」としてまとめてお渡ししています。

ずいぶん鷹揚な、と思われる方もおられるかもしれません。私たちが基本的に企業秘密を
作らないのは、消費者に信頼されるにはこれらの情報を開示するのは最低限の礼儀だと
考えているからです。

データを公開したとしても、ヨーグルトやチーズは牧場ごとに原料の生乳が微妙に違う上に、
発酵という自然の働きによる力が加わり、しかもハンドメイドで作っているのでたとえもし同じ
原材料を使い、同じ道具で同じプロセスで作っても作る人によって異なる味や食感のものが
できあがると思うので、公開することのデメリットは今のところないと考えています。
そしてベーベ工房は家族経営の小さなブランドなので、なるべく取材記事のコピーなど
もお客様に公開して生産者としてのデータも知っていただけるようにしています。

そのような状況なので基本的に「企業秘密」はベーベ工房には存在していない状況です。
しいていえばブログなどで子供の写真などを公開しないことでしょうか。(笑)





乳業栄えて酪農滅ぶ
7月28日、群馬県全域の酪農家が一同に会し、危機突破のための集会及びデモ行進を
行ないました。目的は

① 飼料及び原油高による酪農の壊滅的な状況を政治家や消費者にアピールする。
② 乳業メーカーに対し乳価格の10円(キロあたり)の即時値上げの要求です。

出席者は山本一太参院議員、県内選出の代議士の秘書、半数の県議、マスコミなど。
年度途中で異例の補助金増額があったように、政治家もかなり本気で酪農の惨状を
考えています。

くしくも今週発売のアエラに「牛乳10円値上げの不可解」と題する記事が掲載されました。
この4月から30年ぶりに牛乳が値上がりになりましたがそのうち酪農家の値上げ分は僅か
3円。残りの7円のうち乳業メーカーの取り分がいくらだったか、大手三社すべてが回答を
拒否し、しかも値上げの根拠も開示しないという、乳業メーカー批判の記事でした。

以前このブログでも乳業メーカーは情報開示しないという批判を書きましたが、こうやって
メジャーな雑誌の特集を読むと改めて、ショックです。
乳業メーカーの決算は黒字です。当然ボーナスも支給。
酪農家は、乳代から飼料代や経費を差し引いた残額が収入として振り込まれますが、
飼料代の赤字が累積し、飼料代を控除できない農家は増え続け群馬で14%山梨で24%
という数字を見たときは衝撃でした。

このエントリーの題名。この言葉は昭和40年代に北海道でメーカーが酪農家からの
買い入れ価格を買い叩き、それに耐えかねた生産者組合がよつ葉乳業を創立した時の
農協組合長の言葉です。

酪農家の生産する牛乳で成り立つ乳業メーカーがこの期に至っても、自分の利益しか
考えない現実。悔しいです。
「乳業栄えて酪農滅ぶ」。まさしくこの状態です。酪農家から搾取するだけの乳業メーカー
の存在意義って何なのだろう?
子牛のお嫁入り内定
先日生まれたメスのホルスタインが、このブログのリンク先のまこやんの牧場にお嫁入り
することが内定しました。

メスが生まれるのは本当に嬉しいことですが、今年は既にかなりメスが生まれた上にこの
1ヶ月でさらに3頭という超ハイペース!
牛舎に置ききれなくて,世話も十分出来ない可能性があるので、まこやんにメスを
譲ってもよいかどうが打診した結果、お引き受けしていただくことになったのです。

まこやんの牧場は隣県でわりと近い上に、なによりまこやんの熱意、子牛も大切にしている
日々の様子が彼のブログから伝わり、「ここなら子牛を可愛がっていただける」と感じて
いたので、ご迷惑だったらどうしようと思いつつお願いしました。
この子牛の系統は乳の量も出る優秀なファミリーです。。
この子牛も体もしっかりしていて、我ながら良い牛だと思います。

こちらが無理を言って引き受けていただくことになったのに、まこやんは
「けいさんの牧場の牛なら安心です」と言ってくれて、本当に嬉しかったです。
あと1ヶ月はこちらで育てて、哺乳瓶を卒業してしっかりバケツで飲めるようになってから
お嫁入りの予定です。

まこやん。本当にありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
ふつつかな娘ですが。(笑)

農業の聖域
先日の新聞で農業のベンチャー企業の40代の若手社長のことが大きく紹介されていました。
経営に行き詰まった農場や食品加工工場と提携して再生を図り、今までの利益の出ない
農業ではなく、利益の出る新しい形の農業を構築したいという彼の抱負が語られていました。
投資コンサルタントもこの会社に注目しているようです。

私は家内工業的規模の酪農&ベーベ工房を家族でやっているので、どうも「儲かる農業」
「投資先」という言葉が最初に来ることににアレルギーがあります。
先日のエントリーで書いたエコロジーショップももちろん利益は考えていると思います。
でもこれらのお店から、あからさまな利益第一主義の言葉を聞いたことはありません。

この社長の講演などで自給率アップなどの言葉も聞かれますし、農業の将来を真剣に考えて
おられることは伺えます。ただ、農業という食の根本を担う仕事が利益を上げることだけを
目標にやってもどこかで綻びが生ずるような懸念が拭えないのです。
理論ではなく11年酪農をやった上での肌での感覚ですが。

国も自給率アップをようやく本腰を入れるようですし、おそらくそのために補助金も
導入されると思います。それは絶対に必要なのですが、「農業は将来の投資先として有望」
というコンサルタントの言葉を聞くと、農業の生産性を増やすということが一部の人間が利益を
追い求める場になるのではないかと懸念しています。

「綺麗事だ」というご批判を重々承知で書かせていただくと、農業(食)の仕事に携わる人間が
あまりに「利益」「儲け」という言葉を第一主義として公言することは消費者の信頼を損なう
恐れがあるように思います。(実際はお金があっても)医者や弁護士が「儲け」を
公言すればやはり信頼に傷がつくように。
農業もプロとして家族が最低限食べていけるだけの利益の確保は絶対に必要です。
それは私もそのために日々努力しているので、そのための流通の見直しなどはすべきだと
積極的に思います。

農業は食を通じて他人の健康を預かるという聖域があると思います。
また、自然が相手だけに、期待通りの利益が上がらないことも覚悟しなければ
なりません。それでも「安全でおいしい食を提供したい」という聖域を守るだけの誇りを
持たなければならない非常に「人としてのありかた」が問われるのが農業や食の仕事
です。その聖域だけは誰に言われなくても守ること。「まず儲けありき」などと決して公言
しない人間ととしての慎みを持つこと。
それがなくては食の安全も環境保全も守ってゆくことは不可能だと改めて感じています。

酪農も非常に厳しい状況に置かれています。それだけにこのような矜持だけは持って
努力したいと思います。
稲わらの話
少数派だと思いますが、我が家は以前から夕方搾乳が終わった後、一日の最後の
飼料として稲わらを牛に与えています。
すべて近隣で自家用に米を作っておられる方の稲わらを秋にいただくものです。
稲わらの対価も少しですが払い、田植えの前にはトラクターで田んぼを起し、畑の肥料として
堆肥をさしあげたりしています。

循環型農業というほど論理的に考えてはいないのですが、我が家の酪農はは比較的
古き良き時代の酪農の面影を残していると思います。
群馬は以前より開発が進みましたが、それでも田畑がまだまだ多いため、堆肥を播いて
自給飼料を作ったり、こうやって物々交換で稲わらをいただいたり手間はかかるけれど
恵まれた酪農をやれていると思います。

稲わらは物凄く栄養価が高いというわけではありませんが、牛は喜んで食べてくれます。
どのお宅も自家用に食べる米なので、農薬も少ないし昔ながらの方法で刈り取りをされて
いるところもあり実に貴重な稲わらを牛はいただいているわけです。
国産で、しかも身土不二の稲わらですからね。

今年も田植えが終わりました。秋においしい米ができることを願っています。
きっと牛も同じ気持ちだと思います。(笑)

タカラヅカの入試改革
来年度から宝塚音楽学校の入試が大きく変わるそうです。それも
「従来の一次試験で課されていたバレエと声楽を廃止し一次試験は面接のみ」
という学校始まって以来といわれる大きな改革です。

理由は受験者の窓口を広げることで、将来舞台人として才能を発揮できる人材を発掘するため
とのことでした。
タカラジェンヌになるためにはOGの開くバレエ教室や音楽教室に子供の頃から通って、
というイメージでしたのでかなり驚きました。
記事によると、最近は合格するには、バレエや声楽だけでなくお辞儀の仕方まで習い、
きれいだけれど個性のない同じような合格者が多い、という団の危機感が背景にあるようです。

端から見るとスターの宝庫のように見える宝塚音楽学校ですが、それでも本当のスター
と言われる人材はそうそう出現しないと聞きました。
鳳蘭、麻実れい、大地真央、遥くらら、黒木瞳、天海祐希。確かに本当のスターは宝塚の
中でもオーラが違う........。

これまでは入試でバレエと声楽が大きなウェイトを占めていたそうですが、高校卒業時に
バレエの経験がほとんどなかった黒木瞳さんは入団二年目に娘役トップに登りつめている
ので、スターになる人は、入試の時点で既に別格の輝きがあるのかもしれません。

スターの輝きを秘めた人材。。これは宝塚に限らず簡単に出現するものではありません。
文学座だって大地喜和子や江守徹のような存在は稀です。
宝塚にしても本当のスターは10年に一人出るか出ないかだそうです。
歌や台詞やダンスの基礎的な才能の上に、新しい時代を切り開くような個性。
これこそがスターの資質だと思います。
黒木瞳さんは文才も豊かで何冊かエッセイを出しています。エッセイのなかの彼女は
闊達でお茶目でボーイッシュで個性にあふれた人間性がうかがえます。
この部分こそが彼女を大女優に押し上げた原動力だと思います。

私は熱烈な宝塚ファンというわけではないのでえらそうなことは言えないのですが、ここ
10年で名実共にスターといえる宝塚出身者は私の中では天海祐希さんだけ。
彼女は学校の試験のとき、面接官が彼女が立っただけで見惚れたという逸材です。

試験から今までほど高度なバレエや声楽がなくなることで団がどのように変わるか未知数
ですが、面接官はどのような方法でもどこかで遙くららさんや天海祐希さんのような華のある
スターの面影を受験する少女たちの中に追っているのかもしれません。
入試要項には「舞台人として適する容姿、声、所作、華」を見るとありました。
これはバレエや声楽よりも天性のものが要求されるので、逆に入試が難化するかも
しれません。

追記
 入学時点の完成度より可能性のある人材が欲しい、はどこの教師も同じようです。
 横浜の某名門女子中学の教師が個人的に「最近は生徒に個性がない。
 塾で何年も勉強だけした子よりたとえ 合格の席次は低くてもほとんど塾に行かずに
 格した子は個性もあるし伸びる」
 と仰っていたことがあります。芸の世界だけでなく本当の天才は稀なようです。
 
暑い............。
日本中どこも猛暑ですが、群馬も暑いです..........。
牛舎の仕事には必ずペットボトルに詰めた麦茶をもってご出勤。
1日に3回くらいは麦茶を作っています。

牛は暑さに弱いため牛舎には大きな扇風機が回っています。
家の中よりはしのぎやすいですが、それでも30℃.......。
特にお産を牛の体調管理には気を使います。
8月はジャージー牛が初産を控えているのをはじめ、4頭くらいが出産予定。
かなり気を使っています。

チーズ作りをする日はもっと大変です。
チーズ工房内は40℃超え。その中で熱湯を使いモッツァレラチーズを作るため、夫が
脱水にならないようにスポーツドリンクを絶えず用意しています。

年をとったせいか、今年は特にちゃんと食べて飲まないと体を維持できないと痛感しています。
生野菜サラダなどのお上品なものでは、体が持たず自家用野菜のナス、トマト、ピーマンなど
と鶏肉をたっぷりの油で炒めたラタトゥイユや夏野菜カレーなどを頻繁に作っています。

牛乳の宣伝ではありませんが、今年の夏ほど牛乳の効果を感じている年はありません。
たっぷりの牛乳でカフェ・オレを作り一日3回は飲んでいますが、かなり体力のキープに
即効性を感じます。やっぱり良質なたんぱく質やミネラルが豊富なのでしょう。
カルシウムが含まれているお陰か、暑さのわりに精神的にもっている気もします。

それにしても暑い。去年からのバター不足の原因の一つが猛暑で夏の乳量が激減したこと
があります。今年も同じ状況かもしれません。
とにかく牛が夏を乗り切れるように、人間が体調を維持しなければなりません。
そのために夏はちゃんと量も質も食べて飲みます!(あ、牛乳をね)

皆様もどうぞお体には十分気をつけて下さいね。





贈り物の極意
お中元の季節です。
ベーベ工房も夏のギフトのご注文をいただきました。心を込めて発送させていただきます。

ところで、お中元やお歳暮以外にも私は、ちょっとした贈り物をすることが好きです。
ありがとうの気持ちとか、おめでとうを伝えたい時とか。
贈り物とまでいかなくてもおすそわけなども。決して高価なものではありませんが。
もちろん、私もちょっとした素敵なものをいただくと感激してとても幸福な気持ちになります。

何だか百貨店のキャッチコピーのようですが、私が贈り物に感じる思いは
 
    「贈ることで自分が豊かになるものがある」
ということでしょうか。
逆の言い方をすればそんな気持ちになれる相手にする贈り物こそ、素敵なものだと。

贈る相手の喜ぶ顔を想像しながら、好みを考え贈り物を選ぶ時間は自分がとても豊かな
気持ちになれます。選ぶことが私は好きなのかもしれません。

私は全くお酒は飲めません。でもお酒を選ぶことはとても好きで面白い。
日本酒の銘柄は実にさまざまで、それらを見ていると時間があっという間にたって
しまうほどです。(時に力士の四股名のようなものがあり笑えますが)
どうせ自分は飲めないのだからと、ネーミングで贈るお酒を選ぶことも多いです。(笑)
そして産地やブレンドでさまざまな味が楽しめる紅茶を選ぶ時間もとても幸せを感じます。

贈り物の極意は自分の遊び心を存分に発揮できることでしょうか。
相手の方が、おいしさや珍しさ、新鮮さ、季節感のほかこちらのウィットやユーモアを
感じてくだされば、これこそが本望というものです。
原料から作ること
先日、片品村の「尾瀬ドーフ」のHPを開きました。
TOPページのお知らせにこうありました。
  「7/7~7/10まで全員で大豆畑の草取りをするためお店を休業します」

尾瀬ドーフさんは大白大豆という群馬県伝来の大豆を自分の手で栽培し、
100%自家産の大豆を使ったおいしい豆腐作りをされていることで有名です。
500円前後の価格と決してリーズナブルではありませんが根強いファンの多い豆腐です。

自社栽培のケースは稀ですがそれでも全国でも有名なこだわり豆腐を作る会社
(京都の藤野豆腐や近喜など)はおからなどを肥料に近郊農家と大豆の契約栽培をして
おられるところも多いようです。

「非遺伝子組み換え大豆を使用」を売りにしてきた豆腐業界ですが、去年あたりから状況は
一転。食糧高騰で輸入大豆が値上がり、しかもアメリカは実に92%にまで遺伝子組み換え
大豆の作付けを増やしました。はっきりいうと今までの原料が手に入りません。
豆腐だけでなく「非遺伝子組み換えの材料」を差別化のために大書してきた日本の
食品業界は大きな岐路に立たされています。

本気で自給率を上げることに取り組まず、お金さえ払えば簡単に非遺伝子組み換え大豆が
手に入ると思っていたこと。日本の食事情で私が一番恥ずかしいのがここのところです。
尾瀬ドーフさんの例は稀ですが、日本の食の脆弱さは国民食といわれる味噌や醤油の
原料すら自給に程遠い現実に現れていると思います。大豆の自給率5%だもの。

多少お値段が高くても原料を自家栽培したり、近郊農家に頻繁に足を運び契約栽培を
されている製造者は今後強いと思います。菜種油にしてもごま油にしても。
今まではただ「おいしい」だけで私はこれらの生産者をご贔屓にしていましたが、最近は
以前から環境のことに配慮しつつ原料を目の届くところで作り、調達してこられたその
見識に頭が下がる思いです。だからおいしいものができるのだろうな。

私たちのチーズやヨーグルトの原料の牛乳も牛を飼いすべて自家産の牛乳です。
時に牛の世話に疲れきってしまうこともありますが、やっぱり自分の思うような製品を
安全に作るには原料である牛乳を自分で作ることは当然でしょう。
たとえば我が家ではチーズ用もあってジャージー牛を3頭飼い、脂肪率の低くなる夏に対処
していますが、こういうことも酪農をやっていればこそできることです。
それに製品の出来不出来を他人の責任にしたくはありません。
製品を作るだけという方が楽かもしれませんが、安定した品質の原料確保のためにも牛乳を
生産することは絶対にはずせない大事な条件です。

原料から作ることにこだわる生産者が増えれば必然的に自給率も上がるかもしれません。
一番大切な原料は外国任せで「非遺伝子組み換えのものが欲しい」「減農薬のものがいい」
と言ってきた日本。意地の悪い言い方ですがバブル時代に跋扈した自分では何も与えようと
せず、男に食事をおごらせアッシー君の車を当て込んでいた、タカリ女の体質がだぶります。

野茂英雄投手引退
野茂英雄投手の現役引退が発表されました。

1989年にドラフト1位で近鉄に入団。新人の1990年に早くも最多勝など4部門で1位となり
史上唯一人の新人王&MVP&沢村賞を受賞。パ・リーグのを代表する投手に。
1995年に近鉄との関係が悪化したことから、任意引退扱いでで大リーグ・ドジャースに。
そこからのまさに日本人大リーガーのパイオニアとしての活躍はご存知の方も多いでしょう。
1995年に最多勝で新人王。1996年と2001年と2回に渡りノーヒット・ノーランを達成。

もうこれだけで十分すぎるほどの伝説です。1994年の秋、近鉄のフロントとの関係が悪化
したときは新聞は一斉に野茂投手を批判しました。「わがまま」「年俸を釣り上げたい」など。
誰一人応援してくれる雰囲気のない中、石もて追われるようなドジャース入団でした。
(年俸980万で!)

最近の松井選手や松阪投手の祝福されての大リーグ入りと全く違うということもあるの
かもしれませんが、特にドジャース時代の野茂投手は成績以上に、見ているこちらの胸が
震えるような感動を与えてくれました。あのトルネード投法から繰り出される剛速球も
奪三振も与四球まですべてが痺れるようにカッコ良かった。
私はイチロー選手の大ファンですが、野茂投手から受けた感動ははイチロー選手
以上のものでした。

野茂投手の功績は素晴らしい成績だけでなく、大リーグへの扉を開いたことと思います。
このところ毎年、大リーグ開幕の季節になると彼の去就が気になっていました。
再び投げる姿が再び見られなかったのは残念ですが、彼の野球を同時代人として
見ることができた幸せを改めてかみしめています。
野茂投手は入団から引退までを見届けることのできた私にとって最初の伝説の投手です。

私の世代だと近鉄時代の野茂投手の印象も輝かしく残っているのですが、11才の甥っ子
にとっては「野茂投手は大リーガー」だそうです。
それもそのはずで彼が生まれる前から、野茂投手は大リーガーだったのだから。
これだけでも野茂投手の偉大さを感じます.........。

エコロジーショップのこと
ベーベ工房のお取引先に

  GAIAさん(東京)、アースマーケットプレイスさん(千葉)、ゾンネガルテンさん(名古屋)
といった通常のスーパーではないいわゆるエコロジーショップと言われるお取引先が
あります。いずれも志の高いスタッフが運営し、国産小麦のパンや「○○さんの野菜」と言った
顔の見える旬の野菜や果物、昔ながらの製法で安全な加工品を作っている生産者の製品を
扱っているお店です

私がこれらのお取引先から学んだことはたくさんあります。フェアトレードのことも米の直販の
ことも。酵母パンのことも。数えたらきりがないほど。

あまり市場に出回っていない小規模な生産者の逸品に出会えることも多いです。
家族で野菜を作り、米も麹もすべて自家生産の材料の味噌を作っておられる農場など
本当に生産者として励まされ支えになります。

これらのお店の特徴はベーベ工房の製品もそうですが、お店と生産者が直取引をしている
農産物が多いことです。だからストレートに生産者のことがわかります。
お店が発行する冊子によって、生産者のお子さんの微笑ましい様子が伝わることもあります。

農業(酪農も含めて)の課題に、「次代につながる生産」ということがあります。
生産者が子供に継がせたいと思う農業、きちんと正当な利益が出て夢や誇りの持てる農業。
自分の酪農も含めてそれとは程遠い現実ですが、エコロジーショップでの価格設定や
お客様への情報発信を見ると、「世の中棄てたものじゃないな」とどこかほっとします。
丹精込めた製品を買うことで、おいしさでも満足できて、生産者にも喜んでいただけるだろうと
いう幸福感も味わえて。

ひとつひとつのお店は小さいけれど、このような形態の取引がもっと増えればきっと農業の
ありかたも変わるんじゃないかな、と思わせる不思議な魅力があります。

エコロジーショップはお取引先としても本当に大切な存在ですが、心に一服の清涼剤を
いただける場としても私にとってはかけがえのない存在です。

三びきのやぎのがらがらどん
福音館発行の有名な童話です。
保育園に通う今年4才の息子は最近この本が大好き。
保育園で先生に読んでいただいたそうです。

考えてみれば私も幼稚園で読んでいただいて以来大好きだし、妹も大好きでした。

三びきのやぎは山に草を食べに行くためには、恐ろしいトロルの住む川の上の橋を渡って
行かなければなりません。
小さいやぎと中くらいのやぎはなんとかトロルに見逃してもらいます。
最後に橋を渡った大きなやぎがトロルを退治して、無事にやぎたちは山でお腹一杯草を
食べられてめでたしめでたしというお話です。

トロルが出てくるドキドキ感がきっと子供にはたまらないのでしょう。
先生の声色も楽しい思い出です。
こうやって親子二代に愛される童話って素敵ですね。
毎日寝る前に読んであげています。

最後のページでお腹一杯で太ったやぎの絵を見て息子は
「ママ、太ったやぎさんはどうなるの?お肉になるの?」と聞くので
「お乳を搾ってチーズを作るの」と答えておきました。
親子で生活感たっぷりのオチがついて終わるのが何とも........。(笑)
米の復権とはいうけれど........
米の消費がこのところ伸びています。理由はパンやめんの値上げで割安感が出たこと、
食の安全の面で消費者の国産志向が強まっていることなどです。
学校給食でもご飯給食の回数が増えたところが多いようです。

とても喜ばしいことですが、問題が一つ。特に新米の季節までに消費が伸びて品薄間が
でるのでは、という懸念です。ああ....。ここでも食糧危機の問題が........。

1993年に冷夏の影響で、「平成の米騒動」が起こりました。その後、食管法の改正もあり
農家に予約生産をして、農家の利益を考えた価格で米を作ってもらうシステムを利用している
消費者も一部に増えましたが、「米余り」を理由に減反政策もそのまま続行されています。

私が尊敬するフードジャーナリストの藤田千恵子さんは2000年のスローフードを特集した
雑誌の米の問題に触れた記事で日本の自給率の低さ、米余りといっても米を作る農家の
老齢化が進んでいること、飽食に走りながら食糧の生産者がないがしろにされている
現実を非常に的確に書いておられましたが、まさかそれから10年足らずでこれだけ
食糧危機が一気に現実化したことに恐怖を感じる人間は多いでしょう。

私は米のことはわからないので素人のつぶやきですが、小麦が異常に値上がり
して米にシフトする人間が多い中、まだ減反を現状のまま実行して米が足りるのか
疑問です。備蓄米だってこれまで以上に必要とされるでしょうし。
酪農に優れた見識をお持ちの鈴木宣弘東大教授は「余った米を米粉にしても減反は
食糧危機に備えて見直すべき」と仰っていましたが私も全く同感です。

藤田千恵子さんは前出の記事で、今後も米の安定生産を望むなら、生産者が将来の生産が
可能な価格が必須条件と述べておられます。それも消費者の理解を得ながら。
その意味で理解ある消費者による予約生産システムはとても健全です。
それは、米に限らず野菜や果物、牛乳も同じですが。

私が危惧するのはたった今現在は、米のほうがパンより割安ということで米を買っている
消費者も、米の生産の大切さに思いを馳せるよりただ「安いから」だけで動いている人が
多いのではないかということです。自国の主食のことくらいは損得抜きで真摯に考えるのが
真の文化国家だと思うのすが。どうでしょうか。

バンコクの市場でも米が異常に高騰中です。今度1993年のような米騒動が起きても
もうタイ米にも頼れない。あの時タイ米がまずいと言った自分が恥ずかしい。
お米が売れる........、と素直に喜べないなあ。



牛にやさしくすると.............
「牛にやさしくすると牛乳がおいしくなるんだよ」

これはタカナシ乳業の低温殺菌牛乳のパッケージに記されているコピーです。
私はこの牛乳が好きで時々飲んでいるのですが、このコピーはかなり消費者の心をつかんで
いるようです。

酪農家というプロの立場でいるとつい当たり前すぎて忘れてしまうのですが、一般の消費者
からみると、とても新鮮に心に響くコピーだと思います。

鈍いとかのろまなイメージの牛ですが、実はかなり敏捷でデリケート。
ちゃんと飼料を与えてくれる人を覚えています。
子牛は特に顕著で、ミルクを与えてくれて遊んでくれる私が牛舎に行くと、甘えたくて小屋から
顔を出して待っていてくれます。
ベテランの酪農家によると、牛の目つきでどこの牧場の牛かわかるそうです。
大事にされている牛は目もやさしいです。

私が感激したのは、他の牧場に移った牛が私のことを覚えていてくれたこと。
とても嬉しい出来事でした。

タカナシ牛乳のこのコピー。さりげないけど牛を主役にした初めてのコピーかもしれません。
そして産地は以前から町を挙げてエコや自然を利用したエネルギー対策に取り組んできた
葛巻町。これは消費者の心に響きますよ。
たとえちょっと割高なお値段でも。






ピエタ
ピエタ(Pieta)とは死して十字架から降ろされたキリストを抱く、母である聖母マリアの彫刻や
絵画のことを指します。

先日、2004年に公開された映画「パッション」(メル・ギブソン監督)のDVDを鑑賞しました。
キリストの受難~十字架上の死をリアルでな描写で描いた作品で、拷問や処刑の暴力的な
描写が物議を醸しました。クリスチャンの私も正直、目をそむけたくなる残虐な場面が
多かったのですが、このエントリーの題名である「ピエタ」の場面、場面を圧する
母のマリア(マヤ・モルゲンスルン)の愛情に深い感動を与えられました。
この場面の構図は実に静謐な美しさで、明らかにミケランジェロの彫刻
「ピエタ」をモチーフにしています。

ミケランジェロの24才の時のこの作品は彼の天井画「最後の審判」やダ・ヴィンチの
「最後の晩餐」と並んで人類の遺産というべき不世出の傑作です。
私は、ミケランジェロの「ピエタ」の調和と抑制の上に立つ美しさは、天上の美というに
ふさわしい作品だとしばしば感嘆しています。

「ピエタ」が表現するもの。それは究極の母の愛。今回、「パッション」を観て改めて
それを思いました。映画の中で残酷な拷問を受け、これ以上はないという酷い十字架刑で
死んでいく息子のイエスに最後までその思想にも生き方にも共感と信頼を寄せ、目をそむけず
息子の処刑を見守った母のマリアの「想い」は、宗教に関係なく多くの母の心を揺さぶったと
思います。

「母の愛」で思い出したのが、吉田松陰の母のお滝のこと。
息子の純粋な性格を愛していた彼女は、松蔭が刑死した後のちのちまで自分の孫
(松蔭の甥姪)たちに「松蔭おじさまのようにおなり」と言っていたそうです。
彼女にとっては、息子が死刑になったことより純粋な息子の生き方のほうがずっと大切で
「斬首された犯罪人」と息子を恥じる気持ちは少しもなかった毅然とした母でした。

残酷な場面も多いので手放しに人にお薦めできない「パッション」ですが、この映画を観て
ミケランジェロの「ピエタ」を観る目に初めて自分の感情が通ったような気がします。
ただ、美しいというだけでなく血の通った思いが。

俳優としては1990年の映画「ハムレット」で父殺しをして男に走った母にひたむきな思慕を
寄せるハムレットを演じて感動させたメル・ギブソンですが、こうやって見事に壮絶な母の
愛を描ける感性の持ち主だから、あれだけのハムレットを演じられたのだろうなあと
しみじみと考えています。

「パッション」。この映画を自分が母になってから観る事ができて本当によかったです。







パッケージデザインとイメージ戦略
このところ英国のフォートナム&メイソン(F&M)の記事が多くてごめんなさい。

昨日注文していたF&Mのマーマレードが届きました。
もちろん製品のファンだからオーダーしたのですが、創業300年記念を機にリニューアルされた
新しいパッケージシールを見ることも今回オーダーした理由です。
マーマレードなのでガラスびんにシールを貼ったものですが、F&Mが創業した当時流行した
キツネ狩りをモチーフにした動物のイラストがとても魅力的なものでした。

創業300年を機にパッケージを一新した理由は、創業当時のジョージ王朝
(註 国王ジョージ一世~ジョージ三世の時代)当時の雰囲気を伝えるものにすることで
F&Mが創業時から大切にしたスピリットを表現したかったからだそうです。

私は一消費者としてもパッケージやしおりを見たり集めることが大好きでほとんど
趣味といえるものです。
それだけにパッケージから受ける製品イメージを重視しています。
近年は環境保護やエコという風潮があり、今回のF&Mのリニューアルも自然を感じさせる
動物や植物のモチーフが中心になっています。

パッケージデザインも製品だけでなく時代の空気を消費者に伝えることが要求されて
いるのでしょう。

今すぐ、というわけではありませんがベーベ工房もいずれはパッケージデザインの一新を
考えております。そのためにまずその時までお客様やお店に愛される製品を作り続ける
ことを第一に、それを表現できるモチーフを追い求めて努力したいと思います。
まだまだ道は遠いですが...........。
自給率アップ
今日は月に一度の酪農ヘルパーの日。
チーズを作る日なのでレジャーというわけにはいきませんが、多少はリラックスできます。
食べ物を作る仕事、まして動物を飼っていればGWも有給休暇も一切無縁です。
11年も経てば休みがないことにも慣れましたが、それでも時々丸一日仕事から解放
されたいと強烈に感じます。

洞爺湖で開催中のサミットでも食糧危機は大きな課題となっています。
参加8カ国の中でも自給率39%の日本はダントツの低さ。
少し前なら「食料輸入大国」として強気でいられた日本ですが、食糧危機が問題になっている
現在は、参加国の中でも立場は非常に悪いです。(だからといってサルコジ仏大統領のあの
意地の悪さは我慢できませんが)

マスコミも専門誌もこぞって食糧備蓄以前にまず食糧自給率アップを、と書いています。
それは当たり前すぎる正論だと思います。

実際自給率アップのためには既存就農者が耕地面積を増やしたり、飼養する家畜の数を
増やすことが必要となりますが、新規就農者も増えなければなりません。
親の後を継いでサラリーマンを辞めて就農する方もおられると思いますが、全くの新規就農の
場合は多少の補助はあってもリスクも大きいし、なかなか勇気が必要ではと思います。

ここからは全くの私見ですが、自給率アップをといっても結局、私たちのような既存就農者
の働きに頼るしか当面は自給率のアップは望めないと思っています。
スーツを着て理論をいうことは簡単でも、食を作る仕事は本当に大変だからです。
労働そのものも大変なら、自分ではどうしようもない天候など自然条件に左右されますし、
残念ながら働きに見合った収入の確保や、仕事の社会的な評価がないからです。

これだけの仕事を週休2日制は当然、GWに有給休暇はたっぷり、と1960~70年代では
考えられないほど勤勉さを失った日本人に農業をやれといってもどうでしょうか。
マレーシアの首相やサッカーのオシム前日本代表監督たちにはっきり声に出して
「日本人は働かない」と言われる現在の日本人が。

バブル期以降、大人は急速に働くよりレジャー、食はできあいのものを並べる「中食」が
普及し学校ではゆとり教育。とにかく日本人は勤勉さを失いました。
子供の学力が国際的に見てもはっきり低下してきた頃から、急速に日本の食糧自給率が
ダウンして、異常なグルメブームになり「お金を出せば食は買える」という風潮になって
しまったような気がしてなりません。

自給率をアップ、というなら既存就農者に補助金を出してでも生産量をアップさせて、
将来的には農業人口を増やすためにも未来を見据えた「食やその仕事の大切さ」を
子供の時からしっかり教えることも非常に重要だと感じています。
少なくとも私たちが昭和40年代~50年代に受けた「農村より都市の生活が豊かで幸福」
「三ちゃん農業」などという農業を貶めるような教育だけは絶対にしないこと。
最低限そのあたりから始めることがまず第一だと思うのですが。

私は元会社員で、それほど勤勉な人間ではありません。一世代上の農家の人間は
頭が下がるほど勤勉です。あの世代によって辛うじて自給率39%を保っていられると
思います。私の世代以降の人たちがどれだけ就農してくれるか........。気がかりです。
キャラメル
タレントの田中義剛さんの花畑牧場のキャラメルが大人気です。
ご本人の知名度もあるのでしょうが、千歳空港のおみやげとしてもダントツの人気、
TVで紹介されたこともあってネットショップでも入荷待ち状態のようです。

私はまだ食べたことがないのですが、以前、偶然義剛さんがTVの経済番組でこれを
紹介されていたのを見て「これはヒットするな」とピンときました。
自分なりにヒットの要因を考えたのですが

①牛乳と砂糖を煮てシンプルかつ安全な手作り製品であること。
②パッケージが可愛らしい。
③持ち運びも便利でおみやげに最適。
④牧場の手作りキャラメル、というのは同種の製品が少ない。
⑤昔からあるキャラメルは子供から年配者まで好まれること。ノスタルジーも感じること。

というあたりでしょうか。

キャラメルって何だか郷愁を感じるのは私が昭和の人間だからか。(爆)
グリコのおまけを交換したり、たまに少し高級感のある森永ハイソフトを買ってもらって
少し「ハレ」の気分を味わったり、キャラメルは決してメインのおやつではないのだけれど
楽しい思い出が詰まっている存在です。
昭和ヒトケタ世代の母も子供の頃グリコのおまけを収集していたそうで、キャラメルに郷愁を
感じる人は案外多いのかもしれません。

花畑牧場のキャラメルは砂糖に水を入れて火にかけてカラメルを作り、そこに牛乳を入れて
煮て作るそうです。牛乳がキャラメルになる過程を初めて知りました。
ここまで本格的な手作りキャラメルの市販品はここだけではないかな。
北海道のお土産としても凄く良いと思います。850円という価格も千円札でおつりがくれば
良い方ではないかな。と。

牛乳の加工品といえばバターにチーズ、アイスクリーム、ヨーグルトが一般的。
それをキャラメルに加工するというアイディアには脱帽です。
願わくば大量生産しないで今のように手作りで頑張って欲しいと思います。

そういえば石垣島の友人の辺銀ご夫妻の作る「石垣島ラー油」に似てるな。
このキャラメル。鍋で煮て人手をかけて........。
日本人の味覚に合わせていくこと
昨日のエントリーに続いてクロテッドクリームの話題です。

昨日、フォートナム&メイソン(F&M)のクロテッドクリームが入手できるかどうかショップに
問い合わせてみました。
とても丁寧に応対して下さり、ショップのティールームで使っているクロテッドクリームは英国の
ものではなく日本の中沢乳業のクロテッドクリームとのこと。
国内でクロテッドクリームを製造している会社は少なく、大手では中沢乳業のみ。
ここのクロテッドは英国製に比べて柔らかく、スコーンに塗りやすくなっています。

F&Mが国産のクロテッドを使っておられる背景には、あくまで私の想像ですが、コストだけで
なく「日本人の嗜好」があるように思います。
英国産のクロテッドはかなり固めです。ジャージー牛など濃いミルクが原料ということもあり
ジャクジャクした食感のものが人気があるようでパサパサした食感のスコーンにクロテッド
をたっぷり乗せて食べるのが英国風です。

これに対し、ふっくらしたお米を食べる民族ということもあるのか日本人はしっとり柔らかい
口当たりのものが好みという方が多いという気がします。
お菓子でもしっとりしたシフォンケーキやスポンジケーキは人気です。

クロテッドクリームの数年後の商品化を目指して資料にあたる作業をしていますが、
英国と日本の味覚の違いということに注目しています。
英国に詳しい方で、「本場ものは甘すぎる」「クロテッドももっとさっぱりしたものが好き」
と口にされる方が多いのです。

何冊か持っているイギリス菓子の本の中に「紅茶に合う美味しいイギリスのお菓子」
(林正愛著 2000年アスペクト発行)という本があります。
著者は本場のアフタヌーン・ティーに通じた方です。
この方のレシピには、プレーンヨーグルトをガーゼに乗せて一晩水切りをして、
柔らかめのクロテッドくらいの硬さにしてからたっぶりとスコーンに乗せるという目からウロコ
の食べ方が紹介されていました。
やはり日本人には柔らかめで、本場より若干低脂肪のものが好まれるのかもしれません。

これから試作を繰り返すことになりますが、本場のコンセプトを大切にしながらも日本人の
嗜好や健康面にも十分配慮した製品作りを心がけてゆくつもりです。

話は逸れますが、横浜出身の私は子供時代から時々家族で中華街で食事をしました。
30年以上前は、現在の中華街より本国の味付けが多かったように思います。
八角の濃い香り、ラードの強さなど。メニューによってはどうにも好みに合わないものも
ありました。それが10年前に行った時は、本場の良さを残しながらもさっぱりとした食感の
メニューが多く本当においしくいただきました。

日本で根付いていく食べものは、やはり日本人の嗜好に応じて微妙に形を変えています。
きっとそれが食文化の伝播ということでしょうし、本場の味に敬意を持ち、そのポリシーを
大切に守るという礼儀をわきまえているという条件の上でなら、日本人においしい、と
感じていただけるものに進化させていゆくことも大切なことではないかと考えています。
「らしさ」ということ
先日、フォートナム・アンド・メイソン(F&M)のエントリーを書きました。
ショップにお願いして送っていただいたカタログも予想に違わず美しくサイズも絶妙な
素晴らしいものでした。

その中で意表を突いて私の心を釘付けにした言葉がありました。
それは王室御用達の老舗であるF&Mが大切にしてきた精神が、「英国らしさ」
ということです。

東インド会社との繋がりから早くから紅茶や香辛料などさまざまな高級食材を輸入してきた
F&Mが一番大切にしてきたポリシーが「英国らしさ」というのはとても意外で新鮮でした。
てっきり「グローバル」という言葉を予想していましたから。
やはり300年の伝統を誇る国を代表する会社ともなると、自分の国の食文化を
究極の目標におくのだな、と圧倒される思いでした。

食べ物と一言でいっても背景にはその国や地方の文化や歴史があります。
私たちも小さな規模ですがベーベ工房の製品を出荷する時は、否でも「群馬県」という
ものを意識しています。

私が元々群馬の人間ではないということもありますが、1999年から東京の高級スーパーと
お取引させていただくようになった時に感じたことが、「群馬の酪農は北海道の酪農より
影が薄いな」ということでした。
特に当時はまだあの雪印事件も起きていませんでしたし、北海道の広大な草原で牛が
のんびり草を食んで.......、のイメージが強く、良質な乳製品=北海道のイメージが消費者
にも強かったと思います。私自身もこの頃は理由はわからないけど北海道の酪農に
コンプレックスを持っていたと思います。

同じ関東でも千葉は古い酪農の歴史があるし、栃木は御料牧場や那須の高級リゾート地
のイメージがある。それに比べて群馬の酪農を象徴するものの印象がもうひとつ影が
薄かったのです。

そんなネガティヴ思想に転機が訪れました。
実際に取引をやり始めて自分で明確に意識したのは、群馬は東京に近いということです。
最近の言葉に直すと「フード・マイレージが少ない」ということ。
お客様の「けっこう東京から近いのね」という言葉やバイヤーの反応から
消費者に近い=新鮮という群馬のイメージを自分で作り出せたことはとても大きいものでした。
高速に乗れば2時間以内に東京から来れる距離で、お客様やバイヤーに現場を見て
納得していただきやすいとういうこともとてもプラス要素になっています。

2001年のBSE騒動時は、不幸にも群馬から感染牛が出て一時は県内の畜産がパニック
になりましたが、県を上げて安全な牛肉の流通のためにトップレベルのシステムを作り上げて
下さったことも、群馬県の畜産=安全という非常に良いイメージを消費者に持っていただけ
る要因となりました。

ベーベ工房もお陰さまで10年を迎えることができ、最近では北海道に妙な劣等感を持つ
こともなくなり、「農家製らしさ」や「穏やかな気候の群馬らしさ」というものを意識の中で
大切にするようになりました。

現在、少量生産しかできないと思いますが、何年か後の製品化目指してすこしづつ
クロテッドクリームの試作にむけて勉強中です。
クロテッドクリームといえば英国のアフタヌーンティーのスコーンに欠かせないもの。
本場のおいしさと品格を遠い目標におきつつ、群馬の地に足のついたティータイムの
おともを作れたらいいな、と願っています。少なくとも明治時代の鹿鳴館のような成金ぽくない
付け焼刃のティータイムのイメージではないしっかりとしたティータイム文化を
感じさせるものを。それが「自分達らしさ」と胸を張って言えるものを。
その時は、小麦の産地として有名な群馬の小麦を使ったスコーンを誰か作ってくれ
ないかな...........。なんて遠い夢を見ながら頑張っています。


牛の引取り先が決まりました
親戚が酪農を先日廃業しました。
もう高齢になって体が利かなくなったということが原因です。

この数年、もう牛は5頭くらいになっていました。
その中に1頭は2005年に我が家で生まれた双子の牛の片割れがいて、密かにこの牛の
行き先が気になっていました。
乳牛として引取り手がない場合は肉として処分されてしまうのです。
本当なら買い戻してやりたかった。でもうちは若い牛の出産を控えておく場所がないのです。

先ほど親戚が来てその牛は同じ組合の酪農家に買われていったと知らせてくれました。
ほっとして何だか体の力が抜けました。
双子のもう片方は我が家でよく食べよく乳を出してくれています。
それだけにまだ3才の若さで肉になることがなくて本当に良かったです。

息子を車で保育園に送っていく時、毎日親戚の前を通るのですが、ここ数日毎回のように
息子が「ママ、モーちゃんどうしたの?お肉になるの?」と質問してきて、いい加減な嘘を
つきたくないし、そのたびにずっと牛の引取り先が決まったか不安でした。

本当に良かったです。購入してくれた方に感謝します。

牛はペットではなく経済動物なので過剰な思い入れは、行過ぎると経営に響くとても厳しい
面があります。
最近は、私も子牛から育てた牛への愛情と、経済動物としての現実的な部分との間の
折り合いをだいぶつけられるようになってきました。
それでも既に他人の手に渡り、自分がどうすることもできない今回のようなケースは、やはり
心が揺れました。


二度目のお嫁入り先で可愛がっていただき活躍をしてほしいです。
GOOD LUCK!
アマデウス
1984年度のアカデミー賞8部門受賞の名作映画です。
モーツァルトの死を巡って、作曲家のサリエリの視点から天才を描いた作品です。
私にとって文句なくNO1の映画はこれです。
とにかく大作にありがちな大味さが全くなく、緻密な台本でアカデミー主演男優賞を
受賞したサリエリ役のF.マーリー・エイブラハムの名演技が圧巻の一言です。

この映画のテーマは一言で言えば「才能への嫉妬」でしょう。
なまじかなりのレベルの才能に恵まれたがゆえに、どんなに努力しても手の届かない天才
(モーツァルト)の才能を賞賛する立場にしか立てない秀才(サリエリ)の悲劇の話です。

この映画は名場面の宝庫ともいえる映画です。

特に映画の中盤。夫のモーツァルトを安定した収入の得られる宮廷作曲家にさせるべく
妻のコンスタンツェは既に宮廷作曲家になっていたサリエリの元を訪れます。
夫に内緒でオリジナルの楽譜を持って。
楽譜を見たサリエリは一点の書き直しもない、天上の美としか表現のしようがない
モーツァルトの楽譜を見て驚嘆します。
ここで流れるフルートとハープのための協奏曲などのモーツァルトの旋律の美しいこと!

さりげない場面ですが、モーツァルトが皇帝の前でサリエリの曲に即興で手をいれ
後に「フィガロの結婚」で使われる曲を弾くと、控えの間にいた神父たちも思わず
ぞろぞろと部屋を覗いて音楽に聞き惚れる場面。ここもモーツァルトの天才振りを
感じさせてくれて好きな場面です。

そして、吹き替えなしでピアノ演奏も指揮もこなしたモーツァルト役のトム・ハルスと
老けメークをして顔の表情と手の表情でサリエリの嫉妬、羨望、悲しみ、といった感情
全てを表現したF.マーリー・エイブラハム、二人の神懸り的な演技の素晴らしさ。
原作を訳した江守徹さんが演じたいと焦がれた役がサリエリ役です。
(舞台では松本幸四郎さんのサリエリ、江守さんのモーツァルトでした)
アル・パチーノもサリエリ役を熱望していたそうですが、有名すぎるということで却下
されたという逸話もあります。

ラスト。まだ35才という若さで死を迎えたモーツァルト。埋葬場所までは家族は付き添わず
貧民として無造作に墓に埋められてジ・エンド。
お墓がわからないことで妻のコンスタンツェを後世の人は非難しますが、これだけ神に
愛でられた才能の持ち主はそれだけで満足すべきでしょう。
 
この映画でのサリエリとモーツァルトの関係はフィクションです。
それでも何故、才能への嫉妬からサリエリがモーツァルトを殺したいとさえ思ったか
ずっと不思議に感じていました。

ふと思ったのはサリエリはモーツァルトの作り出す美の世界に狂おしい恋をしたのでは
ないかということ。その美神に微笑んでもらえばサリエリも救われたでしょうが、モーツァルト
のサリエリへの仕打ちは愚弄するだけ。
思いが激しかっただけ殺してやりたいほどの憎しみが芽生えたのでしょうか。
愛する男の安珍を蛇になって焼き殺した清姫のように。

映画は老いたサリエリが精神病院の中を車椅子で散歩する場面で終わります。
タイトルバックにモーツァルトのピアノ協奏曲ニ短調の2楽章の優美な旋律が被さって、
あの甲高いモーツァルトの笑い声と、サリエリの「私は凡庸なものたちの神だ」という
絶妙なセリフが余韻を残します。

やっぱり最高ですよ。アマデウス.......。

わくわくモーモースクール
これは関東生乳販売協同組合連合会(乳販連)が主宰する、酪農家が牛とともに
小学校を訪れて、牛や牛乳や酪農の話をしたり子供達が実際に子牛を触ったり、
搾乳を見学する課外活動のことです。

乳販連から届く冊子「ミルククラブ」には時々この様子が掲載されていましたが、どこか
他人事のように感じていました。(反省)

ところが!先日このブログのリンク先D-1ブログのまこやん。たちが埼玉のまこやんの母校で
わくわくモーモースクールを行いました。
まこやん。の実際の光景が目に浮かぶ現地レポート風の日記によって、実際に子供達
に牛と牛乳のことを楽しく知ってもらうこのイベントが、いかに酪農家の努力の上に成り立って
いるか初めて知り、ちょっとジンときてしまいました。

前日から牛を綺麗に洗ってブラッシング。当日も慣れない場所と人間の前で牛が興奮したり
疲れないように気を使い、小学生に酪農の実際を伝えて.........。まこやんも神経が
張り詰めていたようで、終わったあとかなり疲れたようでした。

でも子供達は楽しかったようだし、成功裏に終わって本当によかったです。

群馬でも酪農家がどんどん減り、牛を見たことのない子供達も多くなりました。
普段飲んでいる牛乳を出してくれる牛を見たり触ったりすることで、子供達も
牛乳に対する視線が変わるようです。

特に最近は、一方的に「牛乳は体に悪い」と書かれた本を読みアレルギーでもないのに
牛のことや酪農のことを知ることもなく、牛乳を給食に出すことを中止するように求める
親もいると聞きます
そんな風潮もある時代、わくわくモーモースクールは食育の面でも期待されています。
牛乳を飲む飲まないのは個人の意思による部分もあるかとは思いますが、その前に
実際に牛に触れる機会があることは決して悪いことではないと思います。

保育園に通う息子のお友達が牛が見たい、とのことで近く遊びに来てくれるそうです。
息子は「ボクがモーちゃんのこと教えてあげるの」と張り切っています。
私は多忙で、まこやん。のように本格的なわくわくモーモースクールはできそうに
ありませんが、息子のお友達が牛を見たいと言えばできる限り、牛ともどもお迎えしたいと
思っています。

まこやん。とメンバーの皆様本当にお疲れ様でした!
プロフィール

けい

Author:けい
①群馬県でホルスタイン50頭、ジャージー牛5頭を飼養する家族経営の酪農家マダムです。

②1998年からベーベ工房というブランドでヨーグルトとモッツァレラチーズ及びリコッタチーズをハンドメイドで製造しています。安全でおいしい製品を誠実に作ることを信条としています。

③土作り、飼料作り~製品作りまで一貫して製造しています。

ベーベ工房も13周年を迎える事ができました。牛のこと、チーズのことなど日々のささやかな出来事を綴っていきたいと思っています。

ブログのスタンスですが、酪農とチーズのこと以外の、管理人の
趣味のことも書いてあります。なお記事の無断転載やコピーなどは
ご遠慮くださいますようお願い致します。

製品に関するお問い合わせは以下のアドレスにお願いします。

ベーベ工房のアドレス

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